2005年5月30〜31日
徳島の旅 02
阿南市 橘水産市場
目次
市場魚貝類図鑑

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阿南市橘水産での競りはなんだか和気あいあい。たださすがに競りに出てくる魚貝類は見事なものばかり
当日は少ししかなかった箱入りのウニ。これ北海道の最高級品にも負けぬうまさ
徳島名物がマダイ。この美しさをなんに例えればいいのか?
小さなスルメイカをボイルしたもの。これ初めてみたが、うまそうだ
国道沿いの魚屋で見つけたハモの皮で作った「皮ちく」と「ひめいち(ヒメジ)の開き」
→徳島県人の特徴はこの人なつっこさ。どことなく柔らかいのだ
05/05.30〜31 徳島県阿南市橘水産

 ほんの少し前まで、徳島県に市というのは4つしかなかった。当然、徳島市、鳴門市、小松島市と阿南市である。ただ阿南市というのはなんと味気ない地名であることか? 間違いなく「阿波の南」というところからつけたのだと思うのだが、ここからあまりどんな地であるのか思い浮かんでこないのだ。その阿南市は和歌山から紀伊水道を一線で結んで瀬戸内の入り口にあり、また太平洋からは黒潮が差してくる。ここに内海と外海の様々な魚貝類が上がる面白い場所にある。その阿南市の地の魚を集めているのが橘水産魚市場である。
 徳島市から南下して小松島市、羽ノ浦町と通り過ぎて阿南市に入る。時刻は2時を過ぎていて、こんな時間に市場にいるだろうか? と思いながらも橘水産の角元さんのケータイに連絡する。するとまだまだ市場にいますというので阿南市の南部にある橘湾まで向かう。市街から南下すると左手、海の方向に巨大な煙突が見える。これが橘湾火力発電所。ここから南下すると、全開の窓から海のにおいがしてきて、角元さんに教わったとおり信号を数えながら左折する。
 橘水産の建物はすぐに見つかった。大きな倉庫のような建物で、少しさびついた構造材に年代を感じる。押っ取り刀で長靴を履き、建物に向かうと待ち受けてくれたのが角元寛治さん。まだ若い角元さんはジーンズに綿のシャツ、太いベルトがなんだかおしゃれである。
 場内に入ると底引き網の漁師さんたちがヒメジ、マエソ、チダイ、アカエビ属の小エビ、クダヒゲエビ科のエビなどを持ってきている。旅の途中なのでほんの小一時間ほどでおじゃましたが、魚貝類の呼び名など得たものは多かった。
 橘水産から国道に出たところに魚屋があり、覗いてみるとハモの皮でつくった「かわちく」や小エビを茹でたものが売られていて店先にはマエソ属の魚の丸干し、ひめいち(ヒメジ)の開きが干されていた。今日の宿泊先で食べるべく「かわちく」と茹でた小エビを買う。
 阿南市に一泊して翌日早く、橘水産魚市場をふたたび訪ねる。さすがに早朝で多くの魚が集まっている。活けのマダイのきれいなこと。ハモ、オコゼ、ガザミ、クルマエビ、クマエビとこれも活けで水揚げされてきている。やはりヒメジは多くてアワビはメガイアワビとクロアワビの混ざり。茹でた小さなスルメイカがプラステックにのせられているのも面白い。
 ウニはないのだろうかと見ていると木箱のものが少ないがある。これを角元さんにお願いする。またオオバウチワエビ、クルマエビ、クマエビなどの混ざった箱があり、こちらも買いたいという意向を伝えておいた。
 そのうち市場奥中程の台で競りが始まる。競りは大体の値を競り人が言い、競り落とす人がいないと値を下げていく。上がるときには仲買が声をかけて競り上げていく方式である。その競りの光景が徳島ならでははんなりと穏やかである。市場に入った途端に感じたのであるが阿南など県南の人の穏やかで人なつっこいこと。
 魚を見ていると何人もの方から「何しにきたんでよ」と聞かれて、気になる魚を手に取るとすかさず説明してくれる。
 しらすのことを聞いたときにも、「静岡じゃ生で食べるな。高知もそうじゃ。このへんでは毒じゃいうて食べんな」と老漁師さんが教えてくれる。
 角元さんとアカエイのことを話していると脇で見ていた人は「アカエイはうまいんでよ。煮るときにな辛い唐辛子をいれるじゃろ。これがぴりぴりしてえんじゃな」といちいち教えてくれる。これ総てが貴重である。
 今日の内に東京まで帰り着かないとだめなので、まだ早い時間に市場を後にする。欲しいと思っていたエビやウニは結局、角元さんからいただいた。これには感謝のしようがない。
 また「ちりめんを買って帰りたいのですが」というと「同級生がやっている店に案内します」と、国道を挟んだ先にある『森寛商店』まで連れて行ってくれた。ここで購入した、ちりめんのうまさたるや、家人をして帰宅後「もっと買ってくればよかった」と嘆かせる。
 阿南市には8時過ぎまでいた。もっともっとじっくりと阿南の水産物を見に来たいものだ、と痛切に思いながら国道を北上する。
●徳島県阿南市での魚貝類・またそれを購入したいなどは
「橘水産市場」のホームページへ!



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