2005年5月30〜31日
徳島の旅 03
徳島市 中洲市場
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市場魚貝類図鑑

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乾物、青果などなんでも売っている店で、調味料や徳島名物の「ういろう」、ソースにうどんつゆなど買いました
竹ちくわは徳島駅やデパートなどでも買える。言うなれば徳島名物
徳島県人がなぜか郷愁をそそられる「かつ」
05/05.30〜31 徳島市中洲市場

 徳島のうまいものをなにか買って帰れないか? と国道55号線を北上しているときに市場のような建物を発見した。迷いながらたどり着いたのが中洲市場である。沖の洲に移転するまで徳島中央卸売市場があったところでなんだか下町の雰囲気ただよう場所だ。新町川にそって細長いコンクリートの建物があり、1階が鮮魚や練り物、塩干を売る店。2階、3階は駐車場になっている。またその正面にも青果や練り物、調味料などを売っている。こぢんまりしているが、売っている物はどれも魅力的。しかも昔ながらの風情のある市場がある。
 この景色なんだか懐かしいと感じるのは、何度か来ているためではないだろうか? ここからさほど遠からぬところに親戚がある。その親戚のおばさんに連れられて来たような。
 売っているものが、どれも懐かしいのは当たり前だ。むしろ都市である徳島市よりも郡部である故郷のほうが、昔ならではの竹輪や、いりこ、阿波番茶などがなくなってしまって、こんな市の中心に残っている。
 何よりも懐かしいのは「かつ」である。これは魚のすり身にカレー個で風味とぴりっと辛みをつけてパン粉をつけて揚げたもの。昭和30年代に故郷貞光町の商店街にきたぐち(北口?)さんという乳母車で行商に来られていた方が必ず持ってきていたもの。今でも県内のスーパーなどでは必ず置いてある。言うなれば徳島ではもっともポピュラーなお総菜である。また竹ちくわは直径10ミリほど長さ20センチ弱の竹に魚のすり身をつけて焼いたもの。竹輪では日本一うまいと徳島県人は誇らしげに話す。
 また豆腐は真四角、当然、油揚げも四角く、これを対角線上に切り、三角の「きつねずし(いなり寿司)」をつくる。このきつね寿司も懐かしい。
 鮮魚は阿南市の橘水産でもらってきているし、水揚げしたばかりの魚を見たばかりなので店に並んだものに新鮮みが感じられない。また時間が遅いのかコレといったものが見つからない。
 結局、中洲市場で購入したのは真四角の油揚げ、竹ちくわ、かつ(フィッシュかつと言うらしい。初めて知った)、加賀屋(石井町)のうどんつゆ、お好み焼きソース、味一。青果店では当然のごとく走りのスダチを買う。『森寛商店』のちりめんとこのスダチ、三加茂町『阿波おんな』の、しょいのみで東京に帰っても阿波の味は完璧となる。
 中洲市場には徳島の懐かしい風景が残っている。今度帰郷するときにはまた必ず寄りたいし、お土産を買うなら中洲に限る。



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