2004年8月9日
島根の旅 04
浜田漁港
2004年8月5日から11日まで、島根県安来を中心とした旅に出かけました。その土地土地で様々な生き物や魚貝類に出合いました。
島根の目次へ!
市場魚貝類図鑑
第1競り場。シイラづけ漁であがったのだろうか? ここでは卵巣はシイラの子として独立して競りの対象になる。その他、定置網でとれたウスバハギ、はまち(ブリの幼魚)。ヒラソウダばここでは単にカツオ。ばりん(バショウカジキ)、は内臓が別にしておかれている。カンパチのこどもに今年、どこでも大漁にわいているコタマガイ。下の穴子のような魚はホタテウミヘビ。
競り場の人の流れについていくとこちらは築地などでいう特種(高級な魚貝類)が並べられている。これが4番の競り場。すぐに目に飛び込んできたのはすばらしいマアジ、生け簀にはあかみず(キジハタ)。イガイを見て「原田」と帽子にネームのある方に聞くと「たちがい」と教えてくれる。その脇にカサガイの仲間がパックに入っている。これは「ぼべ」。その脇にはムラサキインコ、とカメノテがありこちらもイガイと同様、「たちがい」なのだという。
島根で魚貝類の本場を探す
 島根には行くことになったものの、あくまでも家族旅行であり、魚貝類探す旅はたった一日しかさくことができない。さて島根ではどこに行けばいいのか? まず浮かんだのが益田市と浜田市である。ともに関東の市場でもっともよく見かける産地であり、大田市、平田というのが後に続く。もちろん境港というのも思い浮かんだものの、あくまで島根にこだわることにした。問題は安来からの距離である。浜田、益田を考えるとあまりにも遠い。島根県は東西にとても長いのである。細長い島根の地図を見ながら行き先を決めたのは当日、車に乗り込んでからである。すなわち結局、思い切って遠路、浜田に行ってみることにする。これが結局、正解であった。
 深夜2時半には目が覚めた。起きあがろうとすると、体が重い。どうも思いのほか疲れている。家族を起こさないようにそっと車に乗り込んで、国道9号線を西に向かう。早朝の国道9号線は非常にすいており、まるで高速道路のようにトラックがとばしている。国道9号線は出雲市までは車も道沿いの町もにぎやかであったのが、過ぎるととたんに前後の車がいなくなった。
 寂しい山中を2時間以上走って、やっと浜田に着いた。浜田市街地の標識を左に入ると通り過ぎた体育館には高校総体の垂れ幕がさがる。そのまますすむと商店街に出てしまった。この思った以上に近代的な商店街で迷って、なんどか行きつ戻りつし、やっと港の標識を発見できた。
 迷っても浜田市街から港までは10分足らずでたどり着いた。右手に海が広がり、すぐに大きな港が見える。広々とした港には競り場らしき建物が何棟もあり、とりあえず行き着いたところが第1競り場であった。
 そこではすでにシイラ、ウスバハギ、めじまぐろ(本マグロの子供)やコタマガイが並んでいる。水揚げの黒板を見ると、「地元シイラ漬2ヶ統 シイラ162本 シイラの子11」などの文字がある。
 ここには貝やエビなど、また山陰名物のケンサキイカもない。でなにげなくコタマガイの産地をお聞きした浜田の魚屋「吉田屋」さんに競り場のことを聞いた。するとすぐに4番で競りが始まり、そこには貝やイカ、また釣りものなどが見られるという。あわただしく車に戻るとすでに4番に向かう車の流れができている。
 その流れにそって4番に着くとケンサキイカ(しろいか)、イトヨリ、マダイ、アマダイ、イサキ、イシダイ、アオハタ(あおば)、キジハタ(あかみず)、カサゴ(ぼこ)、素晴らしいマアジが並ぶ。もの珍しそうにのぞき込んでいると原田とネームうちされた帽子の男性が「今日は魚ないよ」とつぶやいた。この方、魚屋さんであるという。
 ぽつんと離れてところにはサザエの箱があり、驚いたことには片隅には、ぼべ(カサガイのベッコウガサ、カモガイなど)の入ったパック、カメノテ、たちがい(ムラサキインコ)のパックがある。浜田ではこれも競りにかかるわけである。型のいい、たちがい(イガイ)も並ぶ。カサガイの仲間が売られているのを実見できたのは大きな収穫である。またそんな競り場にウニの箱がある。小さな経木の箱が10枚ほどでけっして多くはない。「地物はなかなかない」というので、これは買って帰りたいものだと競り場で聞くと「浜田公設水産物仲買売場」を教えてくれる。これは競り場の反対側にぽつんと建つ灰色の3階建てである。
 浜田の競り場では原田鮮魚さん、吉田屋さんにいろいろ教えていただいた。どなたかこれを読まれた方でお二人を知る方がいらっしゃるなら教えてください。お礼を言いたい。
 もう一度、1号の競り場にもどると定置網の水揚げをしている。ブリ(はまち、わかな)、ヒラソウダ(カツオ)、マルソウダ、カンパチの小さなもの(あかばな)。大きなバショウカジキが何本かあがっていて、脇にはらわたが置かれている。これは同じ島根の多伎漁港の方に聞くとゆでて食べるのであるという。
 競りが終わったのを確認して正面に見える浜田公設水産物仲買売場の暗い場内に入った。

 浜田といえばマアジがすぐに思い浮かぶ。沼津の干物屋であるカネマル笹市で聞いた話ではあるが本当にいいアジは長崎と島根であるという。当然、浜田にはマアジだけの競り場もあるのだという。残念ながら当日は浜田だけでなく不漁であり、マアジの活気ある競りは見られなかった。
 また秋から冬にかけては底引きがあり、その頃がいちばん競り場がにぎわうのだという。



関連コンテンツ