淡味よし姿もっとよしの幻の魚。
魚の王様 ペヘレイの旅 番外編 小川町
埼玉県大里町2004年5月11日
ペヘレイの旅 010203
晴雲酒造にあった煉瓦造りの煙突。造り酒屋に、しょうゆの蔵もあったそうで、醸造業の盛んな町。この晴雲酒造南に古い家並みが続く
左から、帝松の樽酒、辛口。いちばん右が、晴雲酒造の金勝山。ともに2000円以内の酒。吟醸香があまり好きになれないので、このクラスをいつも買う。この2つの酒蔵の酒であるがかなりうまい酒で、「ともによし」と晩酌を楽しませていただいた
 今回の旅の目的はペヘレイという魚なのだが、もうひとつ目的がある。それは近くて遠い県「埼玉を知る」ということだ。しかし埼玉はとりとめがない。大体、県庁所在地からして昔は知らなかった。大宮、浦和、川口、ついでに熊谷直実なんて知っている地名を挙げて、さてどれが県庁所在地でしょう? というのに首をひねっていた。これは、さいたま市という、T誰が考えても投げやりな名付け方Uの市が誕生するまで続いていた。すなわちどうでもいい県だったのである。
 そののっぺらぼうな県に踏み込むことになって、我が脳みその寂しい頭の中に新たな地図を構築するために「どこに行こうか」と迷った。まず考えたのが熊谷である。今回の目的地の大里町にとって隣町にあたる。しかし短時間で見て回るには大きすぎる。それでは川越ではどうか? 入間は、狭山はと考えてどうにも色彩が浮かんでこない。そして首を捻りにひねって、ろくろっ首にようになって浮かんだのが小川町である。
 これは我が家にある和紙の値段表に「細川紙」というものが載っていて、これが埼玉県比企郡小川町産とあるではないか? その上、きっと和紙の産地なら水がいい。水がいいならうまい酒もあるに違いない。ということで大里のそっけない町を出て、すぐに小川を目差す。
 途中、何軒かスーパーを覗いたのは「イルカが売っているか」を確かめるため。残念ながら売ってませんでした。
 大里から1時間足らずで小川町に到着。町の入り口に派手な温泉宿がある。市街地ともいえそうな道ばたにクルマを止めて、人を探す。町には高層マンションはあるものの、その家並みは低く古めいて風情がある。遠くに煙突が見えるがあれは醸造所ではないだろうか? 見ると豆腐屋がある。そこで聞こうと、足を踏み出すと、ちょうど赤ちゃんを乳母車に乗せた女性が通りがかる。役場の所在地やこの町のことを聞いたのだけれど、この女性、とっても美人(こまったことに初恋の人に似ている)でしかも親切。彼女の説明で小川町のおおまかなところがわかる。
 特にこの町には3軒の造り酒屋があって、彼女自身は帝松という銘柄が好きなのだという。きれいな人に言われると弱い。「『帝松』買って帰るぞ」と、まずは道の駅に向かう。
 市街を南に下ってすぐのところに道の駅、同じ敷地に埼玉伝統工芸館がある。ここは優良なのと必ず夕方までに帰らなくてはならないために入館はしない。道の駅に入って和紙やお土産の品を見るものの、これといったものが見つけられなくて、小川町の地図だけもらい受けて出た来た。この道の駅と伝統工芸館、どこといって特徴のない建物で、まあ悪くはないけれど、建物の配置や全体の色調などあまりに印象が暗くないだろうか?
 町を北上して帝松の松岡醸造に向かうが、その手前で「忠七めし」という賑やかなカンバンを見つける。あれは? と通り越してすぐに「晴雲酒造」のカンバンが見えた。反射的に道を曲がってしまったのは呑べいの性。ここで仕込み水を一気飲みして人心地つけ、本醸造を一本買う。そして今度は帝松の松岡醸造へ。ここでも辛口の一升瓶と樽酒の3合瓶、これじゃアル中じゃないか? なんて反省はしないところが我ながらいいところ。この道沿いにも建具屋、和紙屋、それに野鍛冶がいるのだろうか伝統的な農機具を並べた店がある。どれもよい意味で古めかしい。
 そのまま「忠七めし(これは別項をたてる)」を食べて、駅前の和菓子屋でお土産を買い帰途につく。今回の小川町で買ったもので残念だったのは、この和菓子。小京都ということで期待したのがいけなかったのだろうか?
 さて埼玉県比企郡小川町というのは閑静で味わいのある町。また和紙、醸造業(つまり酒です)、おいしい豆腐屋さんもあってなかなか魅力がある。それに近年、温泉も出たということでちょっとした小旅行にはいいかも。結局、埼玉のことがますますわからなくなった旅でした。

金勝山 埼玉県比企郡小川町大塚178-2 晴曇酒造
帝松  埼玉県比企郡小川町下古寺7-2  松岡醸造



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