鴨東京都都心からも近い三浦半島、
この三浦半島の中程にあるのが
佐島港です。
神奈川県横須賀市・大楠漁協
三浦半島 佐島港
2003年12月11日
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 天候が微妙であった。12月は焼津行きと決めていたのが、目的の長谷川さんのカニ漁がまだ、エゾイバラガニ1種類のみとのことで取りやめ。さてそれではと天気図を見てもっと思い悩んでしまった。明日は雨が降ることはわかっているのであるが、何時から降るものか? この降り始めがどんどん早まって来ているのだ。
 天気さえ安定しているなら鴨川にハマグリ漁を見に行きたい。それが午前早くから雨という可能性が強くなって来ている。雨は南から来ていて三浦半島なら午前中は持ちそうである。
 子供たちは海に行けると期待に胸を膨らませている。子供達のことも考えて佐島にゴー。
刺し網にはイセエビ、サザエなどを狙うものと、カレイやヒラメのものがある。漁獲されるものはイセエビ、サザエ、ナマコにカワハギやイシダイ、ヒガンフグ、メジナなどが上がる。
 今日は娘にとって最後の「冒険の旅(ずる休みの旅)」である。なぜなら来年の予定は詰まっている上に、中学になると、簡単にずる休みとはいかないだろう。息子もついでに連れてきて、さて出発は4時。外に出るとあまり寒くない。
 16号をゆっくり下って、逗子のインターを出たのが、6時。佐島までは10分足らずでたどり着く。
 佐島港南側の船着き場をのぞき刺し網の漁師さんを探すが、もうすでに作業は終わっているようだ。娘と舟揚場に下りて汀で貝などを探す。歩くたびにがりがりとタマキビを踏みつぶしてしまう。これがなんとも気味悪いのであるが、我が娘は平気である。刺し網にかかったと思われるタコノマクラ、アカヒトデ、ウラウズガイを拾う。
 この間中、我が家の跡取り息子はクルマ酔いから立ち直れずダウンしたまま。大物なのか、それともひ弱なのかわからん息子で末が思いやられる。
 佐島港に行き漁協には入って、ネットで知り合った漁協のシン
さんを探す。漁協には早出と遅出があり、シンさんはまだ来ていないとのこと。刺し網などの水揚げを見ながら待つ。エビ刺し網ではイセエビ、サザエ、タイワンガザミ、メジナ、カワハギ、ヒガンフグなど。ヒラメやカレイを狙う刺し網ではカワハギ、ヒガンフグ、ウミタナゴ、メジナ、カレイ、ヒラメ、クロダイが上がる。
 どうも漁はあまり思わしくないようで、漁協の水槽はがら空きである。ワタリガニはとれないのか聞くと、めったにとれないようで、タイワンガザミすら珍しいという。佐島ではタイワンガザミを「おいらん」と呼ぶ。 刺し網を片づけるのを見ているうちに落ちていた、マルベッコウ、ウラウズガイ、ガンガゼ、コシダカウニを見つける。
 8時前にシンさんがきて、最近の漁の話などを聞く。シンさんは、まだ30歳前後であるらしく、この寒い朝に手袋もしていない。



 今年は記録的な不漁であるという。水温が高く、定置網の水揚げが極端に少ない。その上、この時期主力の巻き網のマイワシはさっぱりダメなのだという。佐島では朝、刺し網、タコかご、定置網が、午後にアマダイなどの延縄が水揚げする。築地などで目につく「佐島の入会」というのはアマダイ漁でのものだという。
 シンさんと立ち話をしていると小柄な漁師さんがタコをもってきた。タコかご漁のもの。話を聞くと「佐島のタコは明石にも負けないよ!」としきりに自慢する。
 ほどなく沖を見てシンさんが、定置網の船が帰ってきたとフォークリフトまで走る。帰ってきたのは小型定置網で、どうやら今日も不漁であるようだ。まず、カワハギ、アオリイカ、イシダイ、コショウダイに、この時期いちばんとれる腹太の大スズキがたっぷり。ここまでが活けで、あとはマルソウダ、マアジ、小ムツ、マサバ、これに小イカ(これは種類がわからない)、アオリイカ、シロギスなど。
 このなかからアカネテンジクダイ、ニジギンポ、オヤビッチャ、キンメモドキ、ツマグロハタンポ、キタマクラをいただいてくる。
 この作業船に20分ほど遅れて大型定置網(大敷網=おおしきあみ、ダイボウ網)の大きな船が帰り着く。時間との戦いとなる水揚げ時、漁協の職員の方や、漁師さん達の動きの素早いこと、また的確であることはなんとも小気味よい。水揚げはこの弟2便がきて佳境となる。こちらにはまだ生きているイボダイにアカカマス、マサバ、マンボウ (小さい)、 サワラ(小さなもの)にスズキ、コショウダイ、カワハギにイシダイなど、不漁とはいえ見ていて楽しいこと。またこの生きているイボダイ、「刺身にしたらうまいだろな」なんてついつい食べるほうに思考は移りがち。
 また佐島漁港では地魚を地元へということをモットーとしているという。すなわち今、水揚げされた魚がすぐに近辺の魚屋さん並ぶ。活きのいい地魚を買うならば佐島にくるに限るかも知れない。
 我が娘は港のネコと遊んだり、港の岸壁にくっついた生き物を網ですくったり、これでも存分に楽しんだようである。そしてしきりに言うことは「あのカニ(タイワンガザミ)、あったでしょ。あれね、たき火で焼いていたの。う、ま、そーだった。食べたかったな」。コンビニの肉まんをほおばりながら、その顔が本当に残念そうで笑える。
 さて次は磯遊びに行くぞ!
●佐島港にいったらぜひ、地元の魚屋をのぞいていただきたい。水揚げ、競りをする場所から歩いても2〜3分というところに7軒かの魚屋がある。とれたばかりの地魚がすぐに店頭に並ぶので鮮度ばつぐん。

沖合から帰ってきた定置の船からは多種多様な魚貝類が水揚げされる。まず最初に揚げるのは活けものである。

活けものはスズキ(大きい)、イシダイ、カワハギにアオリイカ、コショウダイなど。ビックリしたのはイボダイも生きたまま水揚げされていたこと。このイボダイ、活けのまま刺身にしたらどんな味わいなのだろう。こんどシンさんに聞いてみたい。

不漁が続いているとは言いながら、魅力的な魚貝類がわんさかあがる。みな脂がのってそうでうまそう。ひとつ残念なのはやはりマイワシは少ない模様で、この日は1かごだけであった。
佐島港のさかな達(closed?)
佐島港のことはもちろん、周辺の様々な情報が満載です。三浦半島に行く前に見てね!



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