世間はイラク戦争の余波でやや停滞ぎみである。我が市場魚貝類図鑑もしかり。
ここらでド〜ンと魚貝類満載の旅に出る。
深夜16号を南に下る深夜放送からは筒美京平の歌謡曲が特集で流れてくる。
横浜を前に流れてくるはもちろんブルーライト横浜である。
三浦半島長井港、エビカゴ漁 2003年4月7日 神奈川県横須賀市長井港
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 釣り師であったものからすると長井というとイカ釣りのプロが集まる場所(遊漁)、市場で荷を見た覚えもなく、今回の旅ではまったく眼中にないものであった。
 それが佐島に着いて地元の漁師さんに「長井の漁はおもしろいよ」と教えられて急きょ、長井まで南下してきた。深海のエビやカニの漁のほとんどが長井を帰港地としているという。
 長井の港は駐車場もなく一般人にはやや閉鎖的で入り難い。仕方なく漆山というところにクルマをとめて戻る。岸壁にくるとちょうど定置網の水揚げ中。スルメイカ、コノシロ(大きい)、カタクチイワシなど漁模様が悪いのかみな少量ずつである。
 離れて見ていてふと脇をみるとコロンとヒメエゾボラモドキが落ちている。そして辿るように視線を奥に移すとスルガバイらしき貝殻。そのまま奥に行くと大型の水槽があり、なかにたくさんのタカハシガニ。大きいのは2メートル以上ありそうだ。
→非常に優しい井戸隠居丸の船長
←(左)ヒメエゾボラモドキ、(右)長井港で拾ったスルガバイ
 エビカゴ漁やカニ漁の船のことを聞くと出船していて、午後には帰港するという。時間つぶしは近くの磯で遊んだり、鄙びた(懐かしい)食堂でカツ丼の大盛りを食べたり。それにしても6時間は長かったな〜!
 1時過ぎに港に着くと目の前に大型船が着岸してくる。第13井戸隠居丸。なんとこれがエビカゴの船だったのだ。
「水揚げ見せてください」とお願いすると、ニコニコと「いいよ」と答えてくれる。すぐに船から上がってきたバケツを覗くとアカザエビ。かなり生きているものがいる。ただ残念ながらもしやと探したサガミアカザエビはいない。
 次に上がってきたバケツにはスルガバイとヒメエゾボラモドキ。どうやって探そうかと思案にくれていたスルガバイが、これほどたくさん目の前にあるなんて、ビックリするより気が抜けたとしか言い様がない。
 そして最後に来た小さなバケツに入ってきた初めて見るタラバエビの仲間とボタンエビ、オオコシオリエビである。このエビ売って下さいと、お願いすると笑って「やるよ」と差し出してくれた船長は、首にむち打ち症の首輪(?)。顔写真はこれをはずして撮らせていただいた。
 2時前になるとたくさんの船が入港してきた。多くがヤリイカの釣り漁。ほとんどがすぐに活けで出荷されていく。港で聞いた三京丸がカニ漁に出ていると言うがなかなか帰ってこない。そしてどん尻に帰ってきた三京丸の水揚げしたのがキアンコウ(本あんこう)。20〜30キロはありそうなものがいけすで生きている。カニ漁は今日はやめたよとのこと。
 残念がっていると港の職員の方が別にカニ漁の船がもう水揚げを終えていて「いわがに(これは彼の間違い)」が上がったけどと、探してくれる。これがオオエンコウガニであった。国産のものを見たのは初めて。
 誠に収穫の多い港旅であった。
→オオコシオリエビ、ボタンエビのなかに見知らぬエビ。後日、これがテラオボタンエビ。千葉県立中央博物館の駒井智幸先生によると珍しいエビであるという
↑タカハシガニ
→オオエンコウガニ



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