アイナメ 掲載種番号04

 江戸時代より前海でとれていた魚であり、「江戸前の魚」としてもいいかも(江戸前とは本来ウナギに使う言葉だが、広い意味合いで)。今でも東京湾奥でもとれる。岸からでも釣れるほど身近な魚なので江戸時代でももっとも馴染みの深いものであった。
 関東の市場では白身魚として在り来たりのものである。主に焼き物(木の芽焼き、魚でん)、煮つけにされてきた。古くから白身で上品な味わいから、やや高級魚として認知されている。ただ今では単に上品な白身というだけで「高級」とは言えなくなってきている。この変化が興味深い。
 現在市場では刺身に出来るというのが高級魚の最大の条件。なかでも
活けものは刺身用として珍重される。また刺身とするには少しでも鮮度が落ちると身がだれるので野締め(漁の時に死んだもの)は安く、惣菜魚(安い魚)とされる。
 産地は鮮魚では国産のものが多い。ときに韓国や中国からの輸入もあるという。東京へは常磐や東北、北海道からの入荷が多い。
 江戸前握りの世界では本来の種(ネタ)ではない。最近使われるようになった意外に新しいもの。今でもアイナメを好んで握りに使う職人は少ないのだと思われる。ただし活けのうまさは職人で認知している人が多い。

■市場魚貝類図鑑・アイナメのページに
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↑7月に常磐から来たという活魚。キロ当たり3500円。これは高い方だろう。築地場内

●基本データ
東京での呼び名/アイナメ(標準和名と同じだと思う)
全国/北海道から東北、常磐が多い
旬/晩春木の芽時、夏から初冬。中でも夏がもっともうまい
やや多い/入荷頻度も量も普通、またやや多い。活け、活け締め(生きたまま水揚げ、水槽などに入れた後競り後に即死させたもの)、野締め(漁のときに死んだ)といろいろな状態で入荷
値の幅が広い/野締めは安い。キロ当たり(以下同)1000円以下でも買える。締めたもので1200円くらいから2000円前後まで、活けで2000円くらいから5000円台。大きさは200グラムから1キロ上もあるのだが、大きすぎても小さすぎても安い。以上総て仲卸し値段
ややプロ向き/意外に名は知られている。ただ日常的に食べているとまでは言えない。料理をするのは比較的プロの分野

←秋に福島県から来た活け締め締めのもの。この値段は非常に安い。八王子綜合卸売センター「高野水産」



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