イガイ 掲載種番号0011

 イガイ科というと近縁種で外来種でもあるムラサキイガイは今や市場にはなくてはならない存在となっている。それが在来種のイガイはどんどん存在自体を忘れ去られようとしている。
 その昔、瀬戸内海、日本海には豊富にあってたくさんとれた。関東では銚子、鹿島などでは潜水でイワガキとともにとっていた。だから築地にはイワガキと同時に入荷してきていたのだ。それが商品価値の低さ故か、はたまたムラサキイガイにその食品としてのニッチを奪われたためか市場では希な存在になってしまった。
 面白いのは築地場内でイガイを見つけたら、そこの若い店員さんから「このムール大きいでしょう」と説明されたことだ。困ったことにこの世代にはイガイという存在が解らないのである。
 また文献的にもこのような“脇役”の東京での食べ方などの資料がみつけられない。三浦半島や伊豆半島にも棲息するはずで古くから関東の市場には来ていたはずである。それを江戸・東京人はいかにして味わっていたのだろう。

■この項書き改めていく
■市場魚貝類図鑑・イガイのページに
東京のさかな目次へ
↑たぶん千葉県銚子から入荷したもの。築地場内

●基本データ
東京での呼び名/イガイ
日本各地/関東の市場には本来、千葉県銚子からくることが多かった。今では日本全国ときどき入荷してくる
旬/夏
希/非常に希に入荷してくる
安い/値段は1000円前後。
一般的ではない/瀬戸内海や千葉県銚子などでは食べられてきていたが、関東の市場では人気もなく、また利用法も知る人が少ない。例えば近年、ムラサキイガイを「ムールガイ」と呼ぶことから「大きなムールガイ」と誤解している仲買がいた



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