ヨメヒメジ

Scientific Name / Upeneus tragula Richardson,1846

ヨメヒメジの形態写真

SL 30cm前後になる。尾鰭に暗色の帯がある。体側にゴマ状の斑紋が散らばる。[25cm SL]
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SL 30cm前後になる。尾鰭に暗色の帯がある。体側にゴマ状の斑紋が散らばる。[25cm SL]SL 30cm前後になる。尾鰭に暗色の帯がある。体側にゴマ状の斑紋が散らばる。[幼魚]
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ヒメジ科ヒメジ属

    外国名

    Freckled goatfish

    Rouget-souris à bande sombre
    言語フランス語 備考ウィキペディア 

    学名

    Upeneus tragula Richardson,1846

    漢字・学名由来

    漢字 嫁比売知 Yomehimeji
    由来・語源 意味、語源などはまったく不明。田中茂穂がトラヒメジと命名していたことがある。

    地方名・市場名

    イジャン
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    グジダー
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    カタカシ
    場所沖縄県本部町本部港 
    ドゥルカタカシ
    場所沖縄県南城市知念漁協 

    生息域

    海水魚。浅い岩場などの間の砂地。
    八丈島、茨城県〜九州南岸・屋久島の太平洋沿岸、瀬戸内海、福井県、兵庫県香住、山口県日本海沿岸、九州北岸・西岸、琉球列島。
    台湾南部、福建省、海南島、紅海を含むインド-西太平洋。

    生態

    産卵期は夏。

    基本情報

    まとまってとれない魚だが、あえて言えば、やや西日本に多く、関東などではほとんどとれない。
    産地で細々と取り扱われるもので、ときに雑魚と見なされる。非常に安い。

    水産基本情報

    市場での評価/まだ関東の市場では見ていない。沖縄県などでは雑多な魚として競り場に並ぶ。
    漁法/刺し網、定置網
    産地/

    選び方

    味わい

    旬は春から夏。
    ヒメジ科にあって小型種の多いアカヒメジ属、ヒメジ属のなかでも最大種。
    強いとげがなく鱗は薄く取りやすい。中骨以外は柔らかい。皮は薄いがしっかりしている。
    白身でクセがなく皮に独特の風味がある。熱を通しても硬く締まらない。
    あらなどからいいだしが出る。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ヨメヒメジの料理法/生食(焼霜造り、皮霜造り)、揚げる(フライ、沖縄風天ぷら、天ぷら)、焼く(塩焼き)、煮つけ
    タカカシの刺身
    ヨメヒメジの焼霜造り 皮を引いてしまうと平凡な味。身質はキス(シロギス)に似ているがややうま味に欠けるのだ。これを補って余りあるのが皮の味。皮霜造りにするか焼霜造りにするといい。表面を焼くと皮の香りがよく、身に甘みがある。

    ヨメヒメジのフライ 三枚に下ろして皮付きのままフライにしてみた。皮を引くと上品な味になるが、もの足りなく感じると思うが、どちらでもいい。塩コショウをして小麦粉をまぶして溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。やや高温で短時間で揚げるととてもおいしいフライになる。
    タカカシの塩焼きヨメヒメジの塩焼き ヒメジ類のなかでも比較的水分が少なく、身が締まっている。振り塩をして少し寝かせて、じっくりと焼き上げる。皮目に独特の香りがあり、身に上品な甘みがある。食べ飽きない味だ。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)
  • 主食材として「ヨメヒメジ」を使用したレシピ一覧

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