ヨメガカサ

Scientific Name / Cellana toreuma (Reeve,1854)

ヨメガカサの形態写真

殻長4-6cmほど。貝殻は前後に長く、比較的低い。
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殻長4-6cmほど。貝殻は前後に長く、比較的低い。殻長4-6cmほど。貝殻は前後に長く、比較的低い。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱(始祖腹足類)カサガイ目ヨメガカサガイ科Cellana属

    外国名

    学名

    Cellana toreuma (Reeve,1854)

    漢字・学名由来

    漢字 嫁が笠(貝) Yomegakasa
    由来・語源
    嫁が傘 〈よめがさら 嫁が笠、又千鳥介という〉『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831)
    嫁が皿 『ことばの歳時記』(金田一春彦 新潮文庫)に「ヨメガサラ」という貝が出てくる。これがどうもヨメガカサのことであるようで、本種を「かさ」ではなく「さら」という地域は多い。『日本貝類方言集』(川名興 未来社)徳島県、和歌山県などかなりの地域で「嫁が皿」もしくは「嫁皿」と呼ばれていることが出ている。金田一春彦は軟体類学者の波部忠重から聞いた話として“嫁にはたくさん食べさせないように浅い皿で食べさせる、という嫁いびりの習慣から名付けた”とある。

    地方名・市場名

    カサッケ
    場所青森県下北郡佐井村矢越 参考20191218木下 
    カサッカイ
    場所千葉県千倉町白間津 備考カサガイ類全般。 
    ジンガサ ヒナタメ
    場所愛媛県伊方町 

    生息域

    海水生。北海道南部〜九州、沖縄。台湾、朝鮮半島、中国。
    潮間帯岩礁域。
    潮間帯の岩礁域(岩場、ときにコンクリートなどの上)。引き潮のときに干上がる場所。岩などに強く着いているので手で剥がすことは出来ない。

    生態

    基本情報

    春などに磯遊びをするときに真っ先に取るもの。また海辺では夕餉のみそ汁などにも利用している。非常にいい出しがでるので人気がある。
    流通したものはまだ見ていない。

    水産基本情報

    市場での評価 流通上はまだ見ていない。
    漁法 採取
    産地

    選び方

    原則的に生きているもので、身がふっくらとしているもの。

    味わい

    旬は春。
    貝殻は薄く、内臓が多い。身は食感が強く味が濃厚。
    料理の方向性
    熱を通すと軟体がすぐ剥がれ落ちるのでみそ汁にするときにはまずゆでて、貝殻を捨てる。ゆで汁は一度こし、温めてみそを溶き、軟体を戻す。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    調理法 みそ汁、生食、煮る(酒塩、醤油)
    酒蒸し 少量の水と酒、塩でゆでたもの。磯の風味、身の食感と貝らしいうま味を楽しめる。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『ことばの歳時記』(金田一春彦 新潮文庫)、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『貝』(波部忠重、奥谷喬司 学習研究社)
  • 主食材として「ヨメガカサ」を使用したレシピ一覧

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