ミナミハタンポ

Scientific Name / Pempheris schwenkii Bleeker, 1855

ミナミハタンポの形態写真

13cm SL 前後になる。体高が高い。鱗は弱い櫛鱗で、指で触ってもザラザラ引っかかったりしない。腹鰭前方に隆起線がある。鱗は2層で、表面に大きな鱗があり、下に様々な大きさの鱗がある。背鰭起部から側線までの鱗数は3。
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13cm SL 前後になる。体高が高い。鱗は弱い櫛鱗で、指で触ってもザラザラ引っかかったりしない。腹鰭前方に隆起線がある。鱗は2層で、表面に大きな鱗があり、下に様々な大きさの鱗がある。背鰭起部から側線までの鱗数は3。13cm SL 前後になる。体高が高い。鱗は弱い櫛鱗で、指で触ってもザラザラ引っかかったりしない。腹鰭前方に隆起線がある。鱗は2層で、表面に大きな鱗があり、下に様々な大きさの鱗がある。背鰭起部から側線までの鱗数は3。腹鰭前方に隆起線がある。鱗は2層で、表面に大きな鱗があり、下に様々な大きさの鱗がある。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタンポ科ハタンポ属

    外国名

    学名

    Pempheris schwenkii Bleeker, 1855

    漢字・学名由来

    漢字 南葉丹宝(寶) Minamihatanpo
    由来・語源 南に多いハタンポの意味。「はたんぽ」は不明。
    ハタンポ類は様々な同定ミスなどが重なってきている
    〈PEMPHERIS molucca C.&V はたんぽ 産地不明〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年) 学名、Pempheris molucca Cuvier, 1829 は国内にいない種のもの。
    〈ハタンポ科ハタンポ属 ハタンポ Pempheris japonica〉。ツマグロハタンポはもともとは単にハタンポであった。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    〈スズキ目ハタンポ科ハタンポ属 ミナミハタンポ Pempheris vanicolensis CUVIER(本学名は現キビレハタンポ)〉。『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)
    Bleeker
    Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。浅い岩礁域。
    八丈島、小笠原諸島、福島県〜九州南岸の太平洋沿岸、九州北西岸、沖縄諸島伊江島、宮古諸島。
    台湾南部、インド-西太平洋域。

    生態

    夜行性。
    未成魚は大きな群れを作る。

    基本情報

    主に伊豆半島以南の定置網などにまぎれて入る。ときに定置網などに大量に入るが、利用しない地域が多く、未利用魚となっている。
    四国、沖縄など利用しているが、最近人気がないという。このような地味な魚を食べ継ぐことが今、とても重要なのだ。
    珍魚度 珍しい魚ではない。西日本では食用魚として売られていることがあるが、日本海、東日本では流通しない。がんばって探すしかない。

    水産基本情報

    市場での評価 入荷を確認していない。
    漁法 定置網
    産地 徳島県、三重県、鹿児島県

    選び方

    触って張りのあるもの、やや黒っぽくて退色していないもの。

    味わい

    旬は不明
    鱗は薄くはがれやすい。骨は軟らかい。
    透明感のある白身でくせがない。脂がたっぷりとのる。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ミナミハタンポの料理・レシピ・食べ方/生食(焼霜造り、刺身)、揚げる(唐揚げ)、煮る(煮つけ)、汁(吸物)

    ミナミハタンポの焼霜造り(焼き切り) 10月の大型個体は脂が感じられた。三枚に下ろすと身に張りがある。小魚なので皮を引かないであぶって食べてみる。
    水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮目をあぶって氷水に落とす。水分をきる。
    皮に味があり、皮の直下に脂の甘さがある。身自体にもうま味がある。

    ミナミハタンポの刺身 11月の脂の乗った個体の刺身は思った以上にうま味豊かだった。見た目ではどんな魚か言い当てられる人はいないと思う。水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。皮を引き刺身にする。
    ミナミハタンポの唐揚げ 相模湾にいちばん多い10cm前後のサイズは揚げてしまうといい。中骨こそ硬いものの、あらかた食べてしまえる。香ばしく身にも皮にも味がある。水洗いして頭部を落として水分をよくきる。片栗粉をまぶして二度揚げする。
    ミナミハタンポの吸物 非常に上品な白身でありながらしっかり味がある。これを吸物にする。水洗いして頭部を落とす。水分をよくきり、湯通しして氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきる。これをカツオ節出しに酒・塩で味つけした中で温めて、青みを加える。

    好んで食べる地域・名物料理

    ひうちざこの煮つけ ミナミハタンポ、ミエハタンポをで煮つけにする。[鹿児島県南さつま市野間池]
    塩焼き 水揚げ時に聞取。三重県熊野市遊木漁港。

    ふなごの干もの 徳島県海部郡海陽町宍喰『宍喰漁業協同組合』競り場で「ふなご」のおろし方、干ものの作り方を教えていただく。 頭部を切り落として、よく干ものにするそうである。小魚ではあるが独特の風味の脂があってとても味わい深い。病みつきになる。[徳島県海部郡海陽町宍喰竹ヶ島]

    ふなごの煮つけ ハタンポ類は一般的に雑魚であり、漁師さんなどはおかずにすることが多い。小骨が少なく、煮ても硬くならない。くせがなく、実に味わい深い。臭い消しはしょうがでもいいが、徳島県県南地方などではタカノツメ(赤唐辛子)を使っていて、この辛みがとてもいい。[徳島県海部郡海陽町宍喰竹ヶ島]
    ひうちじゃこの素麺(そうめん) ハタンポ類を煮つけにして、その煮汁で素麺を食べる。味つけは家庭によって違っているようだが、少し汁多目にしたほうがおいしい。[鹿児島県南さつま市坊津]

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/宇田勝さん(宇田水産 静岡県熱海市 ■https://www.udasuisan.website/)、『宍喰漁業協同組合』(徳島県海部郡海陽町)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)、『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社)

    地方名・市場名

    フナゴ
    場所徳島県海部郡海陽町宍喰竹ヶ島 
    カタジラ
    場所沖縄 参考文献 
    アタンポ
    場所和歌山県串本町 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    タナゴ
    場所徳島県海部郡海陽町宍喰『宍喰漁業協同組合』 
    ハリメ
    場所高知県土佐清水市、宮崎県日南市目井津漁港 
    ヒウチ
    場所三重県熊野市遊木漁港 
    ヒウチウオ
    場所鹿児島県 
    ヒウチザコ
    場所鹿児島県南さつま市野間池周辺 備考他のハタンポ類とともに。 
    ヒウチジャコ
    場所鹿児島県南さつま市坊津 
    ワタボ ワタンポ アタボ
    場所和歌山県 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    アゴナシ
    備考別名。 
  • 主食材として「ミナミハタンポ」を使用したレシピ一覧

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