バラメヌケ

Scientific Name / Sebastes baramenuke (Wakiya, 1917)

バラメヌケの形態写真

40cm SL 前後になる。楕円形で側へん、身体に暗褐色斑がある。胸鰭の後縁は丸い。全体に明るい赤色で各鰭の周辺部は黒くない。眼窩下縁に棘がない。涙骨の棘は先端が鋭利ではない。頭頂棘があり、頭部背面に3本の暗色横帯がある。[31cm SL・0.756kg]
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40cm SL 前後になる。楕円形で側へん、身体に暗褐色斑がある。胸鰭の後縁は丸い。全体に明るい赤色で各鰭の周辺部は黒くない。眼窩下縁に棘がない。涙骨の棘は先端が鋭利ではない。頭頂棘があり、頭部背面に3本の暗色横帯がある。[31cm SL・0.756kg]40cm SL 前後になる。楕円形で側へん、身体に暗褐色斑がある。胸鰭の後縁は丸い。全体に明るい赤色で各鰭の周辺部は黒くない。眼窩下縁に棘がない。涙骨の棘は先端が鋭利ではない。頭頂棘があり、頭部背面に3本の暗色横帯がある。頭頂棘がありる。同様に頭頂部に棘があるのはアラスカメヌケ、ハツメ、ヒレグロメヌケ、オオサガ。頭部背面に3本の暗色横帯がある。眼窩下縁に棘がない(アコウダイ・ホウズキ・ベニメヌケ、アラメヌケには棘がある)。涙骨の棘は先端が鋭利ではない。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属

    外国名

    学名

    Sebastes baramenuke (Wakiya, 1917)

    漢字・学名由来

    漢字 不明 Baramenuke
    由来・語源 北海道、東北太平洋側、茨城県などでの呼び名だが、漢字などは不明。
    呼び名は古く漁業的なもので、「ばら」という言葉には、「ばらばらの」や「安い」もしくは「価値のない」という意味がある。オオサガと比べて安いためか?
    〈頬甲族カサゴ科メバル屬バラメヌケ Sebastes baramenuke WAKIYA〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    脇谷洋次郎
    1873年愛媛県生まれ。農学博士。東京帝国大学理科大学選科。岩手県立水産学校教諭、宮城県水産学校長、島根県立水産学校長、東京帝国大学農科大学助手、第五高等学校教授を歴任し、1922年より朝鮮総督府水産試験場技師・水産試験場長に就任した。ワキヤハタは脇谷洋次郎にちなむ。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。水深100-420m。
    北海道〜青森県、新潟県、島根県の日本海沿岸、北海道〜千葉県銚子の太平洋沿岸、希に相模湾。
    朝鮮半島東岸中部〜沿海州、千島列島。

    生態

    卵胎生。

    基本情報

    銚子以北にいるやや大型の赤いメヌケ類である。三陸、北海道などで水揚げがある。北海道では赤物と呼ばれている魚のひとつ。目抜け類(深海性の赤いメバル属)のなかではオオサガなどと比べると、小さくやや安い魚であった。ただ、現在、比較的大型になるメヌケ類の高騰を受け、本種も高騰している。
    珍魚度 珍魚ではないが、意外に手に入れるのは難しい。入荷量が少なく、漁の最盛期といえるときがない。

    水産基本情報

    市場での評価 関東への入荷は少ない。目抜け類では比較的安いが、それでもとても高価。
    漁法 延縄
    主な産地 北海道、青森県、岩手県

    選び方

    鮮やかな赤であるもの。触って張りのあるもの。

    味わい

    産卵期は晩春から初夏だと思う。産卵後以外はとても味がいい。
    鱗は薄く弱く取りやすい。皮は厚みがあり強い。骨はあまり硬くない。
    身は筋繊維が少なくスポンジ状で脂などは全体に混ざり込む。熱を通すと少し締まる。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    バラメヌケの料理法・レシピ・食べ方/煮る(鍋、煮つけ)、蒸す(酒蒸)、焼く(塩焼き)、生食(皮霜造り、焼霜造り、刺身)、ソテー(ムニエル)
    バラメヌケの煮つけ(兜煮) もっとも基本的な料理法だと思われる。水洗いして頭部は梨子割りにする。湯通しして冷水に落として表面のぬめりや残った鱗を流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水を沸かした中に入れて煮る。
    皮のうまさ、皮直下のゼラチン質の甘み、身の甘さなど非常にうまい。骨湯も楽しみたい。

    バラメヌケの鍋 ここでは昆布だしに酒・塩の鍋を作ってみた。あらでもいいし、切り身を使ってもいい。適当に切り、湯通しして冷水に落としぬめりや残った鱗を流す。水分をよくきり、昆布だしに酒と塩で味加減したなかで、野菜や豆腐と一緒に煮ながら食べる。
    バラメヌケの酒蒸 水洗いして頭部の鱗は金タワシなどで徹底的に落とす。水気を切り、皿に戻した昆布を敷いて、兜を乗せて振り酒をする。これを10分〜15分蒸し上げる。蒸し上がったらポン酢や柑橘しょうゆで食べる。
    バラメヌケの天ぷら 尾に近い部分などは揚げ物にするといい。皮に独特の風味がある。この風味を生かすための天ぷらである。水洗いして三枚に下ろし、尾に近い部分を切り身にする。水分をよくきり、軽く振り塩をする。出て来た水分を拭き取り、小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で揚げる。揚げたてはふっくらとして豊潤でとても味わい深い。
    バラメヌケの塩焼き(兜焼き) 焼いてもうまい魚である。水洗いして頭部を梨子割りにする。水分をよくきり振り塩をして1時間以上置く。これをじっくり焼き上げる。身以上にうまいのが皮と皮下である。兜焼きなどは手で食べてこそのものなので、ワイルドに皮ごとむしり食べて欲しい。
    バラメヌケの皮霜造り 水洗いして三枚に下ろす。血合い骨・腹骨をとり、水分をよくきる。皮目に湯をかけて氷水に落として粗熱を取る。水分をよくきり刺身状に切る。赤い皮の発色がよく、身の白さも生える。湯がけした皮にうま味があり、身の淡い味わいも生きている。非常においしい。
    バラメヌケの焼霜造り 水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取る。水分をよくきり、皮目をバーナーであぶり氷水に落とし粗熱を取る。水分をよくきり刺身状に切る。あぶることで皮の香りが高く、皮自体がおいしいものの、身の淡い味わいが消えてしまう。
    バラメヌケの刺身 筋肉は白く血合いは薄いので刺身にして美しい。水洗いして三枚に下ろす。血合い骨・腹骨を取り、皮を引き刺身状に切る。脂は全体に混在して、微かだが口溶け感がする。うま味もほどほどで美味。
    バラメヌケのムニエル 水洗いして三枚に下ろし腹骨・血合い骨を取り、切り身にする。水分をよくきり塩コショウして小麦粉をまぶして弱火で皮目が香ばしくなるまでソテーする。返して火を通しきり、皿に盛る。残ったフライパンにバターを加えて柑橘類を振ってソースにする。

    好んで食べる地域・名物料理

    おめでたい時の魚 赤物。体色が赤いキチジ(メンメン)とメヌケ(オオサガ、ヒレグロメヌケ、バラメヌケなど)は〈タイの獲れない北国ではおめでたい時の魚として建て前や祝事におかしらつきとして出てくる魚である〉。

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 2013年02月26日)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)

    地方名・市場名

    メッコアタガシ
    場所不明 参考文献 
    ガメサガ
    場所北海道浦河 参考文献 
    バテ
    場所北海道胆振・日高 参考文献 
    バラヌケ
    場所宮城県 参考文献 
    ガバサガ
    場所岩手県、宮城県気仙沼 参考文献 
    バラメヌキ
    場所福島県 参考福島水試 
    メヌキ
    場所福島県、茨城県大洗 参考福島水試 
    ヌケ
    場所福島県いわき市 参考福島水試 
    サガ
    場所秋田県象潟 参考文献 
    バラサガ
    場所青森県下北、岩手県、宮城県気仙沼 参考青森県水産技術センター 
    バラメヌケ
    場所青森県八戸、岩手県、宮城県仙台、茨城県平潟・大津 参考青森県水産技術センター、福島水試 
    ガマ ガマサガ ガマス
    場所青森県八戸・東通村白糠 参考青森県水産技術センター 
    メヌケ[目抜]
    場所北海道 備考単に。 参考『釧路のさかなと漁業』(桜井基博、山代昭三、尾身東美、阿部晃治 釧路叢書 1972) 
    バラ
    場所北海道日高・胆振、青森県下北、福島県、茨城県久慈浜 参考福島水試、文献 
  • 主食材として「バラメヌケ」を使用したレシピ一覧

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