顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区側原棘鰭上目サケ目シラウオ科シラウオ属

シラウオ(英名/Icefish, Whiting, Glassfish)

シラウオの形態写真

10センチ前後になる。生きているときは透明で、死ぬと白くなる。

  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★

    知っていたら通人級

    ★★★

    一般的な水産物(流通量は多くも少なくもない)

    ★★★★

    非常に美味
    分類
    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区側原棘鰭上目サケ目シラウオ科シラウオ属
    外国名
    英名/Icefish, Whiting, Glassfish
    学名
    Salangichthys microdon Bleeker
    漢字・由来
    漢字 白魚。
    由来・語源 生きているときは透明だが、死ぬと白いため。
    地方名・市場名
    アマサギ、オオシロヨ、シオレ、シラオ、シラユ、シラユオ、シレヨ、シロイヨ、シロウオ、シロヨ、スベリ、フ、メソゴリ。
    生息域
    海水・汽水。
    北海道から岡山、熊本。サハリン、沿海州から朝鮮半島東岸。
    生態
    沿岸域、河口付近、汽水域に棲息。
    シラウオの寿命は1年。
    春、2月〜5月に産卵。産卵後死んでしまう。
    孵化して夏には2〜4センチと小さいが漁獲の対象となる。
    10センチくらいになるが雌(めす)の方が大きい。
    基本情報
    国内にはシラウオ、イシカワシラウオ、アリアケシラウオ、アリアケヒメシラウオの4種が生息する。
    食用となっているのはアリアケヒメシラウオ以外の3種。
    主に食用となっているのはシラウオとイシカワシラウオの2種。
    島根県宍道湖、中海など淡水の影響の汽水域などでとれるのがシラウオ。
    千葉県から福島県などの外洋に面した淡水の影響のない海域であがるのがイシカワシラウオである。
    ともに味は非常によく高値で取引されている。
    歌舞伎、三人吉三廓初買(さんにんきちさくるわのはつがい)に「月もおぼろに白魚の篝もかすむ……」とお嬢吉三の台詞にあるのは当然、本種となる。
    春に産卵のために大川(隅田川)河口に集まってきたシラウオを、とっている光景が目に浮かぶ。
    よくハゼ科のシロウオとも混同されているが、光に集まってくるのはこちらなのではないかと思う。
    この台詞にあるように、春の季題、季語。
    都市というのはおうおうにして大きな湾を控えている。
    そのような場所でとれるものであったので、古くから親しまれてきた魚といえそう。
    現在では内湾の自然破壊、護岸などで漁獲量が減っている。
    春らしい魚ではあるが、入荷は年間を通してあり、値段も安定してやや高値、時期には非常に高価となる。
    値段から魚屋、スーパーなどに並ぶことは少ないものの、珍しいものではない。
    シラス干しとしての入荷もあるが、非常に高く、デパート、高級スーパーなどでは見かけるが、スーパーには希。
    関東では江戸前天ぷらの代表的な種。
    割烹料理店でも重要な素材。
    刺身、ぬた、椀種と大活躍する。
    水産基本情報
    サケ目シラウオ科。北海道南部から九州北部。内湾性で汽水域に入って産卵する。漢字で「白魚」。東京湾でも高度成長期以前まではとれ、春の風物詩であった。近年減少甚だしく、高級魚。刺身、椀種、釜揚げ、しらす干しなどになる。
    選び方
    味わい
    旬は冬だが、年間を通して味がいい
    シロウオと違って旬が長い。
    丸ごと食べるもの。
    白身でまったくクセのないなかに、旨みがたっぷりある。
    後味が非常にいい。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    調理法
    刺身(酢の物)、かき揚げ(天ぷら)、煮つけ、吸い物(卵とじ)
    生で食べて味わい深くうまい。
    酢の物にもなり、辛子酢味噌などとの相性がいい。
    天ぷらネタとしても重要で、揚げるのは比較的容易。
    吸い物にしても非常にうまい。
    卵との相性がいいので、卵とじにも。
    シラウオの刺身シラウオの刺身
    鮮度がよければ刺身になる。プチプチとして旨みがあり、とてもうまい。
    シラウオのかき揚げシラウオのかき揚げ
    かき揚げ、天ぷらの定番的な種。香ばしく、それでいて白身の味わいが生きている。
    シラウオの卵とじシラウオの卵とじ
    卵とじは、シラウオの定番料理。旨みだしも出る上に、卵のなかで白身のうまさが生きる。
    シラウオのしらすシラウオのしらす
    九十九里などで名物となっている、シラウオのしらす。シラス干しのなかでももっとも高価なもの。
    好んで食べる地域・名物料理
    加工品・名産品
    ■ 加工品としては「ちりめん」、「しらす干し」、もしくは「茹で干し」が美味である。これは千葉県や茨城県で作られる。また佃煮、紅梅煮などもいい。
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    シラウオは春の季語
    ■ 「明けぼのや魚しろきこと一寸」松尾芭蕉
    ■ 「白魚をつかみ量りの男の手」中村汀女
    ■ 「錦絵に残る佃や白魚舟」中火臣
    ■ 「錦白魚舟羞らえる帆を孕ましぬ」加倉井秋を

    ■ 「白魚(シラウオ)」と「素魚(シロウオ)」の2種はよく混同される。前者は本種サケ目のシラウオで後者はスズキ目ハゼ科のシロウオである。シロウオ(素魚)は春先に産卵のために川に上るものをとり、躍り食いなどで食べるもの。躍り食い意外にはせいぜい卵とじになるくらいで言うなれば珍味である。
    ■ 河竹黙阿弥の歌舞伎「三人吉三郭初買」でお嬢吉三の言う名せりふに「月も朧に白魚の篝も霞む春の宵」というのなどまさにこのシラウオ漁の篝火だろう。この江戸前のシラウオは昭和初期までとれていたという。
    ■ 島根県宍道湖のにいわゆる「宍道湖七珍」といわれる名物魚貝類があってそのひとつ。七珍はコイ、あまさぎ(わかさぎ)、ウナギ、スズキ、しじみ(ヤマトシジミ)、もろげえび(ヨシエビ)、そして白魚(しらうお)。
    ■ シラウオは一樗蒲(ちょぼ)、二樗蒲と数える。樗蒲はサイコロの目総てを足した数から1を引いた20尾。
    参考文献・協力
    『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『新 北のさかなたち』(北海道新聞社 監修/水島敏博、鳥澤雅 編/上田吉幸、前田圭司、嶋田宏、鷹見達也)、『島根のさかな』(島根水産試験場 山陰新報)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『新版俳句歳時記 春の部 角川書店)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)

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