ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2000種、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。

サクラエビ(英名/Sakura shrimp, Spotted shrimp)

学名:Sergia lucens (Hansen,1922)

サクラエビの形態写真

メスが大きく37ミリ〜48ミリ。オスは35ミリ〜45ミリ。側扁(左右に平たい)し、全体に透明感のある赤で、濃い赤の小さな斑文が散らばっている。

  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★

    これは常識

    ★★★★

    重要水産物

    ★★★★

    非常に美味
    分類
    節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目サクラエビ上科サクラエビ科サクラエビ属
    外国名
    英名/Sakura shrimp, Spotted shrimp
    学名
    Sergia lucens (Hansen,1922)
    漢字・由来
    漢字 桜蝦、桜海老
    由来・語源 桜の花びらのような色合いだから。
    地方名・市場名
    夏に生まれたもので10月くらいまでのものをシンエビ(新エビ)。
    産卵できるほど育ったものをヒネエビ。
    ヒカリエビともいう。
    生息域
    海水生。
    千葉県沖、東京湾、相模湾、駿河湾。台湾。
    生態
    産卵期は5月末に始まり、7月と8月の2か月が最盛期、11月中旬まで続く。
    産卵後親エビは死ぬ。
    このためサクラエビ漁は産卵期を避けて春と秋に2回行われる。
    産卵した卵は1日半で孵化、3か月から4か月で2センチほどになり漁獲されるようになる。秋には大型の親エビ(ひねエビ)と、夏に孵化した小型の「新エビ」が混ざる。
    寿命は約15か月。
    昼には水深150メートル〜300メートルに棲息。夜には浅い上層に浮き上がってくる。
    基本情報
    サクラエビ類総論
    サクラエビの仲間は水中を泳ぐ小型のエビ。
    サクラエビは沖合の深海に、アキアミは汽水域など内湾の汽水域に多産する。
    サクラエビは静岡県で明治以来食用になったもので、動力船の普及とともに全国的なものに。
    ほとんどが乾物に加工されていたが、最近では生鮮でも流通するようになった。
    アキアミは各地で古くから利用されていたもので、我が国だけではなく朝鮮半島、中国などでも重要な食材であった。
    サクラエビ(本種)について
    国内では駿河湾(静岡県)の特産物のひとつ。
    春は3月下旬から6月上旬(春漁)、秋は10月下旬から12月下旬(秋漁)と年二回漁が行われる。
    台湾でもとれていて、釜揚げ、素干しなどが輸入されている。
    本来素干しとして流通するもの。
    素干しとはゆでないで生のまま干したもの。
    エビらしい赤い色合いと香り、甘み旨みを楽しむもの。
    古くから高価なものではあったが、また徐々により値を上げている。
    安いサクラエビがあるな、と思ったら東南アジアなどから輸入された赤く着色したエビの干したものと思っていい。
    最近では様々な商品が出回っている。
    生鮮品は比較的新しいもので関東では、1990年代くらいから見かけることが多くなったように思える。
    とれたてをゆでた釜揚げも近年普通に見かけるようになっている。
    水産基本情報
    市場での評価 漁期は3月下旬〜6月上旬、10月下旬〜12月下旬。鮮魚はやや高め安定。乾物(干しエビ)は高級。台湾からの輸入ものもあり、安いので人気がある。
    漁法 巻き網
    主な産地 静岡県
    選び方
    生鮮品は赤いもの。黒くなっていないもの。触って硬いもの。
    乾物は赤い物、黄色く退色したものは古い。
    味わい
    乾物は香が高く、甘み旨みが濃厚だ。
    生鮮品は甘みが強く、汁にしてもいいだしが出る。
    殻が柔らかいので、食べやすい。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    調理法(素干し)
    サラダ、酢の物、お好み焼き(焼きそば)
    干しサクラエビは香りを第一に考えたい。
    サラダには食べる直前に野菜に加えるべき。
    野菜とエビを別盛りにして、食卓でざっくりあえてもいい。
    酢の物に加えるときにも食べる直前にキュウリもみなどにざっくり合える。
    お好み焼きには欠かせないものとなっている。
    焼きそばに青のりのように、ほぐしてのせてもいい。
    調理法(生鮮品)
    刺身、かき揚げ、ゆでる(釜揚げ)、汁(鍋)
    生のサクラエビ 最近は生のものを見かけることが多い。
    これはそのまま生醤油をかけて食べる。
    サクラエビの旨味とエビ独特の風味は強く、とてもうまいものだ。
    丼物にして食べてもうまい。
    サクラエビのかき揚げかき揚げ かき揚げは最近では都内でも料理店などで見かけるようになってきている。
    香ばしく、エビの甘みもあってサクラエビならではの味が楽しめる。
    釜上げ 釜上げは生よりもサクラエビ自体の旨味はつよく感じられる。ご飯などのおかずにしてもいい。市販のものを利用してもいいが、買い求めて余った場合塩ゆでとしておいても便利。冷凍保存しておいても重宝だ。
    サクラエビの沖あがり鍋沖あがり鍋 静岡県由比などで作られているのが「沖あがり鍋」。
    甘さを抑えたすき焼きの汁でサクラエビ、豆腐、ネギなどを煮ながら食べる。
    汁の濃度を加減しながら、汁ごと具材を食べると非常にうまい。
    簡単にできるので家庭向きだ。
    好んで食べる地域・名物料理
    加工品・名産品
    鮮魚 生での出荷。これは比較的新しいもの。市場などに入荷したものは生食が可能
    サクラエビの素干し素干し 富士山をバックにサクラエビを、地面を赤く染めて干しているのがテレビなどで見られるが、これが生のまま干し上げたもの。
    煮干し 塩ゆでして干したもの。別名むきえび。
    きむき 煮干しにして皮をむいたもの。
    釜上げ 塩ゆでして、上げただけのもの。最近は冷蔵で出回っていて人気がある。
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    ■ 明治27年(1894年)のある夜、由比町今宿の望月平七氏と渡辺忠兵衛氏が協同の鰺夜曳船が富士川沖に出て創業しようとしたところ、カンタ(袋口につける浮き樽)を積み忘れたことに気がついた。仕方なくカンタなしで鰺網をかけると網が深く沈んで一石あまりの桜えびが網に入ってきた。これがサクラエビ漁の起源。
    ■ サクラエビ漁が行えるのは蒲原、由比、大井川漁協所属の船のみ。沼津などに入る底引き網で漁獲しても流通ルートにのせるわけにはいかない。これは明治期から高値安定で取り引きされたサクラエビはたびたびの争議や乱獲を経て、1917(大正6)年県の許可制に移行した。
    参考文献・協力
    『桜えび漁九十年史』(志田喜代江)、『原色日本大型甲殻類図鑑』(三宅貞祥 保育社)
  • 主食材として「サクラエビ」を使用したレシピ一覧

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