ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2000種、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。

コエゾボラモドキ(英名/Whelk)

学名:Neptunea frater (Pilsbry,1901)

コエゾボラモドキの形態写真

殻長10cm前後になる。貝殻は薄く、硬くたたくと割れる感じがする。褐色の殻皮(貝殻を覆う薄い皮)を被り、全体に黒く見える。膨らみは強いものとほっそりしたものがあり、螺肋(貝殻の周りを畝状の筋)はくっきりしている。イソギンチャク類をつけていることが多い。

  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★★★

    知っていたら学者級

    ★★

    地域的な水産物、嗜好品的なもの

    ★★★★

    非常に美味
    分類
    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱真腹足目エゾバイ科エゾボラ属
    外国名
    英名/Whelk
    学名
    Neptunea frater (Pilsbry,1901)
    漢字・由来
    漢字 小蝦夷法螺擬
    由来・語源 エゾボラモドキに似ていて、少し小さく貝殻が薄いことから。
    地方名・市場名
    福島県相馬市原釜ではクロツブ(黒つぶ)。
    鳥取県ではアカニシ。
    生息域
    海水生。水深50メートル〜1000メートル
    銚子以北。主に三陸沖までだと思う。
    生態
    基本情報
    現在のところ、根室と銚子から福島あたりから入荷してくるものしか見ていない。
    根室産はエゾボラモドキに近く、貝殻は薄いが硬い。銚子まで南下するとより薄くなる。
    図鑑にある銚子以北という表記は漠然としている。
    漁業的には主に銚子から岩手県くらいまでのものだと思う。
    福島などでは珍しいものではなく、安い貝といった存在。
    都市部でもエゾボラなどからすると薄汚れて見えるので、安いものとなっている。
    都内のスーパーで何度か見ているが、表示は単に「福島産ツブ」とだけ。
    種名や産地のことなどほとんど知られていない。
    水産基本情報
    市場での評価 関東の市場にときどき入荷してくる。量的には少なく、プロの認知度も低い。値段はエゾボラなどと比べると安い。
    漁法 底曳き網
    主な産地 福島県、北海道
    選び方
    生きのいいものは、足などを触ると反応がいい。貝殻から液体などがこぼれていないもの。
    味わい
    旬は不明
    福島県などでは底曳き網の漁期。
    貝殻は薄く硬い。足は黄色みがかった白だが表面に黒いゴマ状の斑紋がある。
    エゾボラ属特有のコリコリした食感が楽しめる。
    甘みがあり、貝らしい風味も楽しめる。
    含まれる毒・テトラミンについて
    ■ 足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。
    ■ 主にNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれる。
    ■ Neptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。
    ■ 発症する唾液腺の量は個人差がある。
    ■ 食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    料理法
    刺身、煮る、焼きもの
    コエゾボラモドキの刺身
    刺身 エゾボラ属などので刺身は非常にうまい。足の部分は十分に滑りをもみ出して、刺身にして美味。こりこりと食感が心地よく、甘味がある。貝らしい風味がとても魅力的だ。
    煮る 煮てもあまり硬くならない。昆布と一緒に薄味で煮て実に美味しい。
    焼きもの 小型は身を取り出してテトラミンを除去。殻に戻して壺焼きにしてもいい。
    好んで食べる地域・名物料理
    加工品・名産品
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    参考文献・協力
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『北の貝の仲間たち』(樋口滋雄)
  • 主食材として「コエゾボラモドキ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ