ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2000種、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。

エゾボラ(Ezo-neptune, Whelk, Winckle)

学名:Neptunea polycostata Scarlato,1952

代表的な呼び名マツブ

エゾボラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
殻高20cm、重さは1kg前後になる。色合い茶色、もしくは肌色。貝殻はエゾボラ属ではやや薄い。角張り、成長脈(貝殻の縦に走る筋)が強く肩で割れてヒレ状に盛りあがる。螺肋(貝殻にある筋)は太く目立つ。角張り、成長脈(貝殻の縦に走る筋)が強く肩で割れてヒレ状に盛りあがる。螺肋(貝殻にある筋)は太く目立つ。

エゾボラの形態写真

殻高20cm、重さは1kg前後になる。色合い茶色、もしくは肌色。貝殻はエゾボラ属ではやや薄い。角張り、成長脈(貝殻の縦に走る筋)が強く肩で割れてヒレ状に盛りあがる。螺肋(貝殻にある筋)は太く目立つ。

  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★

    知っていたら通人級

    ★★★

    一般的な水産物(流通量は多くも少なくもない)

    ★★★★

    非常に美味
    分類
    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱真腹足目(吸腔目)エゾバイ科エゾボラ属
    外国名
    Ezo-neptune, Whelk, Winckle
    学名
    Neptunea polycostata Scarlato,1952
    漢字・由来
    漢字 蝦夷法螺
    由来・語源 岩川友太郎の命名。
    蝦夷地(北海道)に多い巻き貝の意味。
    「ぼら」は巻き貝自体を表す法螺のこと。貝殻の中が洞(ほら)、すなわち空洞であったことから。
    地方名・市場名
    単にツブと言われることが多い。
    北海道では「マツブ(真つぶ)」、「Aツブ(A つぶ)」。
    エゾボラ属のABは「A ツブ」=「エゾボラ」、「Bつぶ」はエゾボラモドキを中心にエゾボラ以外と考えていいかも?
    他には、オキツンブ、センキバイ、カイ、バイ。
    生息域
    海水生。北海道以北に棲息している。
    水深10メートル〜1220メートル。
    生態
    産卵期は11月中旬から4月。
    基本情報
    日本海、東北太平洋側以北などで主にとれる巻き貝。唾液腺にテトラミンという弱い毒素を持っていることから、これを除去して食べる。
    古くは比較的地域的な水産物だった。徐々にエゾボラ(マツブ)の味の良さが認められて全国的なものとなり、近年では高価なものとなっている。
    古くはミミガイ科のアワビ類、サザエなどをのぞくと、巻き貝はあまり刺身などで食べられるものがなかった。そこにむしろ刺身用として出回ったのがエゾボラ属の巻き貝。コリコリとした食感を楽しむ。
    また刺身としてだけではなく焼く、煮るなどでも味がよく。焼きツブなどは北海道の郷土料理となっている。
    エゾボラ(ツブ)類でもっとも高く、しかも流通量の多いのが本種。
    本来北海道限定の味わいだったが、最近では非常に人気が高い。
    巻き貝としてはサザエ同様安定してとれるので、刺身用としては定番的なものとなっている。
    貝らしい味わい、そして強い食感。しかも足(可食部)はクリーム色で見た目が美しい。
    水産基本情報
    市場での評価 関東など市場には入荷量の多いつぶ。「つぶ」のなかではもっとも効果。今や定番化している。大きいと高いが、小さなものは値段が落ちる
    漁法 カゴ漁
    産地(漁獲量の多い順) 北海道
    選び方
    原則として生きているもの。
    味わい
    旬は春
    貝殻は硬いが薄く、簡単に穴が開けられる。軟体が取りだし安い。唾液腺を取り去ってから料理すること。
    可食部に目立った斑文がなく薄いクリーム色。食感は強い。
    つぶの毒・テトラミンについて
    ■ 主にNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれる。
    ■ Neptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。
    ■ 発症する唾液腺の量は個人差がある。
    ■ 症状は頭痛、めまい、船酔い感、酩酊感(酒によったような状態)、視覚以上。
    軟体を出す下ごしらえ1 貝殻の一部にアイスピックなどで穴を開ける。
    下ごしらえ2 穴にアイスピックを差し込み、いちばん硬い筋を切る。アイスピックはまずは上に差し込む。
    取りだし方下ごしらえ3 穴にアイスピックを差し込み、いちばん硬い筋を切る。アイスピックはまずは上に差し込み、下に向けて筋を断ち切る。
    身の取りだし方下ごしらえ 軟体にホークなどを刺し、手応えをききながら出す。硬く出てこない場合には2と3をもう一度やる。
    唾液腺を取る唾液腺 足の部分を包丁で割り、黄色い豚の脂身のような唾液腺を取り去る。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    生食(刺身、あぶり)、ソテー(バター焼き)、煮る(煮貝、酒蒸し)、揚げる(天ぷら)
    マツブの刺身刺身 ぬめりをよくもみ出し、薄切りにする。盛りつけに貝殻を使ってみた。貝らしい風味と強い甘味、シコシコとして食感が実に心地よい。
    マツブの刺身刺身 足の部分の唾液腺を取る。最初はこのままぬめりをもみ出す。しっかりもみ出したら最後に塩でもみ出す。仕上げによく水洗いをする。水分をよく切り、出来るだけ薄く切りつける。わさびとしょうゆもいいが、柑橘類と塩も美味。
    マツブのあぶりあぶり 足の部分のぬめりをもみ出したら、表面を直火であぶる。一度冷水に取り、水分をよく拭き取り、薄く切りつける。あぶったことで甘味が増し、貝らしい風味も楽しめてとても味わい深い。
    マツブのバター焼きバター焼き 足の部分を適宜に切り、ニンニク風味のバターでソテーしたもの。バターとは好相性で貝らしい風味のなかに強い甘味が感じられて、ほどよい食感が楽しめる。
    マツブの酒蒸し酒蒸し 少量の水と酒でむき身を蒸し煮にしたもの。熱を通しても身は硬く締まらず、煮た分、甘味が増している。ワタの部分も味がいい。刺身用というイメージではあるが煮てもおいしい。
    マツブの天ぷら天ぷら 足の部分は滑りをもみ出して適宜に切る。これに小麦粉をまぶして衣をつけて強火で短時間揚げる。熱を通した分甘味が増し、天ぷらとしても優秀である。
    好んで食べる地域・名物料理
    もともとは北海道で一般的な食用貝だったが今や全国的なものになっている。
    加工品・名産品
    加工品をまだ見ていない
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    参考文献・協力
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)
  • 主食材として「エゾボラ」を使用したレシピ一覧

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