アキアミ

Scientific Name / Acetes japonicus Kishinouye,1905

アキアミの形態写真

雌は体長21mm前後に、雄は16mm前後になる。やや側扁し、全体に白い。第2触角鞭は体長の2倍ある。触角は透明なものとやや赤みがかったものがある。[岡山県産]
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雌は体長21mm前後に、雄は16mm前後になる。やや側扁し、全体に白い。第2触角鞭は体長の2倍ある。触角は透明なものとやや赤みがかったものがある。[岡山県産]雌は体長21mm前後に、雄は16mm前後になる。やや側扁し、全体に白い。眼柄が長く眼が黒く大きい。第2触角鞭は体長の2倍ある。触角は透明なものとやや赤みがかったものがある。尾節附近に赤い斑紋がある。[新潟県新潟市産]雌は体長21mm前後に、雄は16mm前後になる。やや側扁し、全体に白い。眼柄が長く眼が黒く大きい。第2触角鞭は体長の2倍ある。触角は透明なものとやや赤みがかったものがある。尾節附近に赤い斑紋がある。[新潟県新潟市産]雌は体長21mm前後に、雄は16mm前後になる。やや側扁し、全体に白い。眼柄が長く眼が黒く大きい。第2触角鞭は体長の2倍ある。触角は透明なものとやや赤みがかったものがある。尾節附近に赤い斑紋がある。[新潟県新潟市産]雌は体長21mm前後に、雄は16mm前後になる。やや側扁し、全体に白い。眼柄が長く眼が黒く大きい。第2触角鞭は体長の2倍ある。触角は透明なものとやや赤みがかったものがある。尾節附近に赤い斑紋がある。[岡山県産]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目サクラエビ上科サクラエビ科アキアミ属

    外国名

    Akiami paste shrimp
    言語英名 

    学名

    Acetes japonicus Kishinouye,1905

    漢字・学名由来

    漢字 秋醤蝦 Akiami
    由来・語源 秋にまとまってとれるアミのように小さなエビであるため。
    ニホンアキアミという別名もある。
    Kishinouye
    岸上鎌吉(きしのうえ かまきち 慶応3年〜昭和4年 1867-1929)。東京帝国大学教授。動物学者・水産学者。水産学の黎明期に甲殻類、棘皮動物、魚類など様々な分野を研究した。

    地方名・市場名

    アカヒゲ[赤鬚]
    場所新潟縣新潟市 参考聞取 
    アミ
    場所日本各地 備考単に。 参考聞取 

    生息域

    汽水域。河口域から内湾に生息している。
    秋田県以南、富山湾、中海、瀬戸内海、有明海、利根川河口域、東京湾、駿河湾、三河湾。

    生態

    5月〜6月に孵化した夏期世代は夏に急成長して、8月〜10月初旬にかけて、越年世代となる個体を生み出す。
    越年世代ははじめの2ヶ月〜3ヶ月は成長するが冬期にはほとんど成長がとまり、春になり再び成長し始める。
    越年世代は5月〜7月に産卵。
    夏世代の寿命は2.5ヶ月〜3ヶ月。
    越年世代は9ヶ月〜10ヶ月。

    基本情報

    アミとはついているがアミの仲間(アミ目)ではなく、サクラエビ科で、れっきとしたエビの仲間(十脚目)だ。国内の内湾域だけではなく、中国や東南アジアにも生息している。国内で揚がるものをニホンアキアミと区別することもある。
    非常に小型で一生の内に一度も海底にいることがなく浮遊生活をしているので、アミの仲間と思われたようだ。
    岡山県、有明海周辺、静岡県、新潟県などで揚がっている。
    古くは内湾や河口域でたくさんとれていたが、最近では汽水域の乱開発と汚染で激減している。
    生鮮品としても、干しエビ、塩辛など加工品原料として重要なものだが、現在では供給が追いつかない状況。
    韓国でもキムチや料理などに利用されて重要。
    珍しさ度 漁が不安定で、また地域が限られている。生の状態を見つけるのはかなり難しい。塩辛などの加工品は探せば手に入る。

    水産基本情報

    市場での評価/希に入荷してくる。年々高騰していて、産地でも消費地でも非常に高級なものとなっている。加工品も高価だ。
    漁法/船曳漁
    産地/新潟県、富山県、静岡県、岡山県、大分県、福岡県、有明海周辺

    選び方

    新しいものほど透明感がある。白いものは古く、やがて黒ずんでくる。

    味わい

    旬は秋と春。漁期は個体群の発生に合わせて年2回。
    非常に小さく、殻が軟らかい。ヒゲはとれやすい。
    そのまま生で食べてもいいし、火を通してもいい。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    アキアミの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、揚げる(かき揚げ)、煮る(佃煮、大根煮)

    アキアミの刺身 とれたてでなければ生では食べられないと思われるので、産地限定の味だと思われる。岡山県などではこれを「生食い」という。寿命の短い生き物であるが、成長しすぎると殻が硬くなり、生食に向かなくなる。
    水揚げされたばかりの「赤ひげ」をさっと洗って、そのまま食べる。殻が軟らかいので気にならず、ヒゲもそれほど気にならない。身に甘味があり、エビ特有の風味がとても豊かである。
    これだけは運がよくないと食べられないが、産地に行って食べても損のない味わいである。

    アキアミの佃煮 いちばん代表的な料理だと思われる。ざっと水洗いして、酒・みりん・醤油を煮立たせた中で短時間煮てそのまま鍋止めする。さくさくする食感とエビの風味で、香ばしく感じられる。非常にご飯にあう。

    好んで食べる地域・名物料理

    新潟県、岡山県、静岡県など日本各地。塩辛にしたり、かき揚げになり、煮たりもする。

    アミ煮大根 福岡県豊前海の郷土料理。大根を薄いしょうゆ味で煮て、アミを加えて煮て仕上げる。生のアミでもいいが、塩辛(漬けアミ)を使ってもいい。塩辛のときには最初の醤油は不要だと思う。アミから出たうま味が大根に染みてなかなか味わい深い。『福岡県の郷土料理』(楠喜久枝 同文書院)

    関連コラム(郷土料理)

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    加工品・名産品

    塩辛 新潟県では「赤ひげの塩辛」、岡山県では「あみの塩辛」、九州では「漬けアミ」という。とれたてのアキアミに塩をして、寝かせて塩辛にする。家々で作り方が異なり、違った味わいだという。新潟県では漁師さんが作っているものが市場などで流通している。韓国産や中国産もあるが種はわからない。

    赤ひげの塩辛 新潟市を流れる信濃川、阿賀野川河口域でとれた「赤ひげ(アキアミ)」を、すぐに塩漬けにしたもの。秋と春に漁があり、漁師さんが作るものもある。比較的熟成がすすんでいて、強いうま味がある。酒にも合うが、ご飯に乗せて食うとたまらない。[古川鮮魚 新潟県中央区本町]
    漬けアミ 佐賀県鹿島市は有明海北部にある。有明海での漁が盛んである。写真は直売所で見つけたものであるが、アミの風味がとても感じられて、味わい深い。ご飯の友としてもいける。
    小えび釜揚げ 愛知県産のアキアミを静岡県で塩ゆでにして放冷したもの。殻が軟らかいのでそのままむしゃむしゃと食べられる。エビの風味が強くておいしい。

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/古川鮮魚・新潟漁業協同組合(新潟県新潟市)
    『聞き書 岡山の食事』(農文協)、『岡山ふだんの食事』(鶴藤鹿忠 岡山文庫)、『児島湾』(同前峰雄 岡山文庫)、『大型甲殻類図鑑Ⅰ・Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)
  • 主食材として「アキアミ」を使用したレシピ一覧

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