フエダイ

Scientific Name / Lutjanus stellatus Akazaki,1983

フエダイの形態写真

50cm SL前後になる。若い個体は体高があり、大型になると体高は高いもののそれほど顕著ではなくなる。全体に赤褐色か青みがかった褐色で鯛形。体側腹部の鱗は体側と平行に並び、それ以外上部は後ろに向かって斜め上方に並ぶ。鰭は黄色い。目の下から吻にかけて青い筋があるが、若い個体ははっきりしているが大型になると薄くなる。体側中央よりもやや後方上部に白い斑点がある。背鰭の後半基底部分に近いところは鱗に覆われる。[大型個体]
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50cm SL前後になる。若い個体は体高があり、大型になると体高は高いもののそれほど顕著ではなくなる。全体に赤褐色か青みがかった褐色で鯛形。体側腹部の鱗は体側と平行に並び、それ以外上部は後ろに向かって斜め上方に並ぶ。鰭は黄色い。目の下から吻にかけて青い筋があるが、若い個体ははっきりしているが大型になると薄くなる。体側中央よりもやや後方上部に白い斑点がある。背鰭の後半基底部分に近いところは鱗に覆われる。[大型個体]50cm SL前後になる。若い個体は体高があり、大型になると体高は高いもののそれほど顕著ではなくなる。全体に赤褐色か青みがかった褐色で鯛形。体側腹部の鱗は体側と平行に並び、それ以外上部は後ろに向かって斜め上方に並ぶ。鰭は黄色い。目の下から吻にかけて青い筋があるが、若い個体ははっきりしているが大型になると薄くなる。体側中央よりもやや後方上部に白い斑点がある。背鰭の後半基底部分に近いところは鱗に覆われる。[48cm SL ・2.787kg]50cm SL前後になる。若い個体は体高があり、大型になると体高は高いもののそれほど顕著ではなくなる。全体に赤褐色か青みがかった褐色で鯛形。体側腹部の鱗は体側と平行に並び、それ以外上部は後ろに向かって斜め上方に並ぶ。鰭は黄色い。目の下から吻にかけて青い筋があるが、若い個体ははっきりしているが大型になると薄くなる。体側中央よりもやや後方上部に白い斑点がある。背鰭の後半基底部分に近いところは鱗に覆われる。[20cm SL ・269g]体側中央よりもやや後方上部に白い斑点がある。体側中央よりもやや後方上部に白い斑点がある。目の下から吻にかけて青い筋があるが、若い個体ははっきりしているが大型になると薄くなる。[大型個体]目の下から吻にかけて青い筋があるが、若い個体ははっきりしているが大型になると薄くなる。[小型個体]体側腹部の鱗は体側と平行に並び、それ以外上部は後ろに向かって斜め上方に並ぶ。背鰭の後半基底部分に近いところは鱗に覆われる。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★★
      究極の美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科フエダイ属

    外国名

    Star snapper
    言語英語 備考fishbase 
    厚唇
    言語中国語 場所台湾澎湖諸島 備考台湾魚類資料庫 
    星點笛鯛 花臉 紅魚 白點仔 黃翅仔
    言語中国語 場所臺灣 備考台湾魚類資料庫 

    学名

    Lutjanus stellatus Akazaki,1983

    漢字・学名由来

    漢字 笛鯛 Fuedai
    由来・語源 不明。頭部の形が口笛を吹いているかのようであるからか?
    田中茂穂はタルミ科ホシタルミとしていた。
    『日本魚類圖説』(岡田彌一郎、内田惠太郎、松原喜代松 三省堂 初版1935)、『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)では現在と同じフエダヒ。
    松原喜代松などは、Lutjanus rivulatus としていたが、1983年新種であることが判明。この松原喜代松の Lutjanus rivulatus (Cuvier,1828) は現在のナミフエダイのことだ。
    ホシフエダイ 宮崎大学に模式標本がある。赤崎正人博士が学名をつけた。また、標準和名を最初、ホシフエダイとしていた。『A New Lutjanid Fish,Lutjanus stellatus,from Southern Japan and a Related Species,L.rivulatus(Cuvier) Masato Akazaki (Received October 15,1981)』
    フエダイ 『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)では赤崎正人自身がフエダイとして解説している。

    厚唇 なぜ本種の標準和名がフエダイになったのか? もっと深く考えるとフエダイ科、フエダイ属の和名もわかりにくい。この和名を有効にしたのは松原喜代松だと思うが、フエフキダイ科とまぎらわしく、またフエダイは実際にあった呼び名ではない。ちなみに臺灣澎湖諸島では厚唇で、本種の特徴をよく表している。
    Akazaki
    赤崎正人(あかざき・まさと)。宮崎大学農学部理学科教授。魚類学・増殖学。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。岩礁域。
    [青森県深浦]、[秋田県]、伊豆諸島、小笠原諸島、鹿島灘〜[徳島県阿南市・宍喰]、九州南岸の太平洋沿岸、播磨灘、周防灘、五島列島、鹿児島県甑島周辺、屋久島、琉球列島。
    台湾、広東省。

    生態

    産卵期は春〜夏。
    肉食性。

    基本情報

    比較的生息域の狭い魚である。国内では今や本州東北あたり以南に生息しているが、今現在の産地は太平洋側では相模湾以南、特に伊豆諸島や紀伊半島以南に多い。
    2000年くらいまで関東ではプロですらだれも知らないと言う魚であった。また赤崎正人が本種を新種として記載したのが1983年であることからも、国内海域での水揚げ量は非常に少なかったものと考える。
    本種をもっとも早くから珍重し、高値で取引していたのは鹿児島県であり、2010年になってその影響が関東にも及び始める。2023年の現在では東京でも屈指の高級魚となっている。これは鹿児島県からは航空便でくる上に紀伊半島、駿河湾、相模湾などの近海で揚がっているためだ。
    今現在もっとも安定的な超高級魚である。
    珍魚度 珍魚ではない。水揚げ量はそれほど多くないが、今現在魚類の中でももっとも高価である。手に入れるにはそれ相応のお金がいるし、探さなくてはならない。

    水産基本情報

    市場での評価 最近関東でも見かける機会が増えた。値段はうなぎ登りであり、今現在大型は超高級魚だ。
    漁法 釣り
    産地 鹿児島県、沖縄県、宮﨑県、東京都小笠原

    選び方

    目が澄んでいるもの。退色していないもの(体色の濃いもの)。

    味わい

    旬は春から夏。秋には味が落ちるが、それでも極端には味が落ちない。
    鱗はとても硬く取りにくい。大型魚はすき引きをした方がいい。皮は厚みがあって強い。骨はやや硬い。
    血合いの赤い白身で熱を通しても硬くならない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    フエダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、カルパッチョ、セビチェ)、煮る(しょうゆ煮、酒塩煮)、焼く(塩焼き)、揚げる(唐揚げ、天ぷら)、汁(みそ汁、潮汁)、ソテー(ポワレ)

    フエダイの刺身 大型のフエダイを水洗いして三枚に下ろして、皮を引き刺身にしたもの。脂が皮下、身全体に回り、乳白色をしている。血合いが美しく、ほどよく繊維質でしっとりとなめらかで、甘味は身本来のものと脂からのものを両方とも強く、うま味が強い。口の中で表面がとろっととろける感があってたまらない味。

    フエダイの若魚の刺身フエダイの刺身 9月の小振りのフエダイを水洗いして三枚に下ろし刺身にしてみた。血合いが赤く、身に透明感があって非常に美しい。脂はやや落ちているが、うま味が強く後味が上品。産卵期を過ぎても以前、上々の味をしている。
    フエダイのカルパッチョフエダイのカルパッチョ 時季を過ぎた小振りのフエダイをできる限り薄く切りつける。皿にオリーブオイル、にんにく、塩を置きのばして置く。ここに切りつけたフエダイを並べて、並べ終わったらスプーンなどでぺたぺたと馴染ませる。上から香りのある野菜などをのせて塩とコショウ、オリーブオイルを振り、好みで柑橘類をしぼる。
    フエダイのセビチェフエダイのセビチェ 刺身にした切れ端などを集めて適宜に切る。これを塩とライム(レモン)、辛い青唐辛子でマリネー。切り身全体が白くなったら香りのある野菜、玉ねぎなどと和える。身は適度にしまり、酸味があるために食べ口爽やか。スピリッツや水割りに合う。
    フエダイの煮つけフエダイの煮つけ 大振りのフエダイの兜は非常に美味。皮や付着している筋肉は締まり甘味がある。これを湯通しして冷水に落とし、残った鱗やぬめりを流す。これを酒、砂糖、しょうゆで煮る。煮汁にからめながら食べると至福の味。
    フエダイの酒塩煮フエダイの酒塩煮 二枚に下ろした骨のある部分を適宜に切る。腹の脂や胃袋、肝などとともに湯通しして、冷水に落とす。残った鱗やぬめりを流し、水分をよくきる。これを酒、塩の味つけであっさりと煮る。皮目にうまさがあり、身は適度にしまり甘味がある。脂や肝も美味。病みつきになりそうな味だ。
    フエダイの塩焼きフエダイの塩焼き 二枚下ろしにして骨つきの方を適宜に切る。振り塩して少し置く。1時間以上、一日置いてもいい。これをじっくりと焼き上げる。ガスで単純に焼き上げただけだが間違いなく絶品。サバなど背の青い魚にはない上品な味がする。
    フエダイの唐揚げフエダイの唐揚げ 頭部やかまの部分を適宜に切る。これに片栗粉(小麦粉)をまぶしてじっくりと揚げる。揚げ上がったら塩コショウで味つけする。骨などについた身が適度にしまり中はジューシーに仕上がってとても味わい深い。皮目にも独特の風味がある。
    フエダイの長崎天ぷらフエダイの長崎天ぷら 水洗いして三枚に下ろす。血合い骨を抜き、適宜に切る。小麦粉をまぶして衣(小麦粉、砂糖、塩を水で溶いたもの)をつけてかりっと揚げる。身は柔らかく、しっとりして美味。
    フエダイのみそ汁フエダイのみそ汁 沖縄ではハタ類やフエダイ類をみそ汁にする。この「魚汁(みそ汁)」は絶品。小振りなら適宜に切り、大きなものはあらでいい。湯通しして(必ずしも必要ではないがきれいな仕上がりになる)冷水に落として、残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水からにだしてみそを溶く。実にうま味豊かでおいしいみそ汁になる。ご飯に合う。
    フエダイのポワレフエダイのポワレ 水洗いして三枚に下ろす。適宜に切り塩コショウして多目の油で皮目からソテーする。かりっと上がったら返し、取り出して置く。ここにバルサミコ酢と白ワインを加えてデグラッセしてソースにする。皮は実に香ばしく皮下にうま味がある。ソースとからめながら食べると非常に美味。パンやワインに合う。

    好んで食べる地域・名物料理

    鹿児島県、宮崎県では夏の魚の代表的なもの。

    イナクーのバター焼き 沖縄県の郷土料理である。那覇の農連市場のおばあに聞いた話では太平洋戦争の敗戦後、安くておいしいマーガリンが大量に出回り、またアメリカ軍から支給されたらしい。
    ビタローと呼ばれる小型のフエダイ類、タマガシラ類、グルクン(タカサゴ科)、また大型のフエダイの若い個体などが使われている。
    作り方は千差万別。農連市場のおばあは塩コショウして、多めのマーガリンで焼くだけ(ソテーする)だといい。若い主婦などは塩コショウして小麦粉をまぶし、多めの油でソテーして仕上げにマーガリンで仕上げるといい。
    ここでは若いフエダイを水洗いして水分をよくきり、に塩コショウする。これを多めの油でじっくり香ばしくソテー、仕上げにマーガリンで風味づけした。アレンジは様々である。
    フエダイは身離れがよく、皮がしっかりしていてソテーするととても香ばしい。ご飯に合うのは沖縄の定番的な食堂メニューであることからもわかる。個人的には醤油を垂らして食べるのがいい。

    関連コラム(郷土料理)

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    熱帯域で揚がる魚のもっとも一般的な料理法は素揚げである。国内でのように片栗粉や小麦粉を使って揚げることはなく、塩コショウするだけで揚げて、柑橘類などをふって食べ・・・ 続きを開く

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/タカスイ(鹿児島県鹿児島市)、田中水産(丸に万/まん○や 鹿児島市)、恵水産(鹿児島県鹿児島市)、川東守昭さん・繭右さん(鹿児島県屋久島町)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『九州発 食べる地魚図鑑』(大富潤 南方新社 2011)

    地方名・市場名

    イナフク イナフクー
    場所沖縄県南城市知念漁協・本島 
    アカンチャ
    場所沖縄県宮古 
    アカイセギ[赤いせぎ]
    場所高知県安芸郡東洋町 参考20190724 
    キースビ
    場所鹿児島県奄美大島 
    ヒノマルショーブ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    シラホシフエダイ シロホシフエダイ[白星笛鯛]
    場所鹿児島県鹿児島市鹿児島魚市場 
    イナクー
    場所沖縄本島 
    イセギ
    場所徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』 備考宍喰では初めて釣り上げた人の名前が「いせぎ(漢字不明)」だからだという。 
    スビ
    場所鹿児島県 
    クチビ
    場所徳島県阿南市椿泊『椿泊漁業協同組合』 
    シブダイ
    場所徳島県海部郡海陽町、宮崎県日南市目井津漁港、鹿児島県鹿児島市・種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年)、聞取 
    シロテン
    場所鹿児島県屋久島 
    ショウビ ソウジ ショーブ
    場所鹿児島県屋久島町安房・種子島 参考聞取、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    ヤマモチ[山持ち]
    場所鹿児島県鹿児島市鹿児島中央市場水産棟 
  • 主食材として「フエダイ」を使用したレシピ一覧

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