オキザヨリ

Scientific Name / Tylosurus crocodilus crocodilus (Péron and Lesueur, 1821)

オキザヨリの形態写真

体長1.3mを超える。非常に細長い。背が黒く腹が金色。腹鰭は体の中央よりも後方にある。尾柄部にキール(隆起した線)がある。鰓蓋骨に暗色の横縞がある。背鰭軟条は21-24(テンジクダツは24-27)で写真のものは22。
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体長1.3mを超える。非常に細長い。背が黒く腹が金色。腹鰭は体の中央よりも後方にある。尾柄部にキール(隆起した線)がある。鰓蓋骨に暗色の横縞がある。背鰭軟条は21-24(テンジクダツは24-27)で写真のものは22。鰓蓋骨に暗色の横縞がある。尾柄部にキール(隆起した線)がある。鰓蓋骨に暗色の横縞がある。背鰭軟条は21-24(テンジクダツは24-27)で写真のものは22。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱真鰭区正真骨下区棘鰭上目スメグマモルフ系ボラ亜系ダツ目ダツ科テンジクダツ属

    外国名

    学名

    Tylosurus crocodilus crocodilus (Péron and Lesueur, 1821)

    漢字・学名由来

    漢字 沖細魚、沖針魚
    由来・語源 サヨリに似て沖合にいるの意味?

    地方名・市場名

    マルラス
    場所和歌山県串本 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    スッズー
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    ダツ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 

    生息域

    海水魚。沿岸の表層域。
    津軽海峡〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、津軽海峡〜九州南岸の太平洋沿岸、(瀬戸内海香川県)、屋久島、琉球列島。
    朝鮮半島南岸・東岸、台湾、東太平洋を除く世界中の熱帯〜温帯域。

    生態

    沿岸の表層。
    魚食性。

    基本情報

    徐々に北上傾向にある。漁港でもありふれたものになりつつあり、食べる機会も増えてきている気がする。知名度が低いので値段は安い。しかも味がいい。特に刺身の味わいは上の部類なので、お買い得かもしれない。

    水産基本情報

    市場での評価 入荷は希。大型ではあるが安い。
    漁法 定置網、刺し網
    主な産地 沖縄県、鹿児島県、香川県、神奈川県

    選び方

    大きい方が味はいい。触って張りのあるもの。銀色に輝いて、きれいなもの。鰓が鮮紅色のもの。

    味わい

    旬は不明だが、夏に来たものも冬に来たものも美味。産卵期は夏で、産卵後味が落ちるのかも。
    鱗は細かく取りやすい。皮は厚みがあって強い。骨はあまり硬くはない。血合い骨などは青い。
    血合いは赤みがあって大きい。透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。
    背の部分に小骨はなく、ダツ類の中では歩留まりもいい。
    中骨・血合い骨などがエメラルドグリーン(青)だ。血合い骨は細いが強く長い。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    オキザヨリの料理法・調理法・食べ方/生食(刺身、セビチェ)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ、塩煮)、汁(みそ汁)
    オキザヨリの刺身<オキザヨリの刺身 水洗いして三枚に下ろし、腹骨をすき取り、青い血合い骨を抜き、刺身にしたもの。頭部に近い方よりも真ん中から後半の方が使いやすい。血合いが赤く、銀皮がある。食感がほどよく、背の青い魚のうま味があり、適度の食感も楽しめる。非常に美味。

    オキザヨリのセビチェオキザヨリのセビチェ 刺身やフライ材料をとったあとの身を集めてライム(レモンでも)と塩で和える。辛い青唐辛子と玉ねぎなども和えておく。マリネできたら好みのハーブ類などと合わせて盛る。スピリッツととても相性がいい。
    オキザヨリのフライオキザヨリのフライ オキザヨリは腹腔が長く、腹骨は強いので真ん中から後半を三枚に下ろして使うといい。青い色をした血合い骨は抜きやすい。塩コショウして小麦粉をまぶしてパン粉をつけてやや強火で揚げる。身はほどよく繊維質で揚げると豊潤で甘味が感じられてほぐれやすい。
    オキザヨリの酒塩煮オキザヨリの酒塩煮 大型を使うといい。二枚に下ろして骨つきの方を切り身にして湯通しする。冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒、塩の味つけで煮たもの。味つけはこってりでもいい。煮ても身は硬くならず、適度にほぐれやすい。小骨などもなくとてもうまい。
    オキザヨリのみそ汁オキザヨリのみそ汁 中骨や頭部などを適宜に切り、湯通しして冷水に落とす。残った鱗やぬめりを流す。水分をよく切り、水(昆布だしでも)から煮出してみそを溶く。背の青い魚らしい強いうま味が感じられて美味だ。
    オキザヨリの煮つけ 水洗いして二枚に下ろして、骨つきの方を適当に切る。湯通しして冷水に落として表面のぬめりや残った鱗を流す。これを酒・みりん・しょうゆ・水で煮たもの。しょうゆは一度に入れず、3回くらいにわけて入れる。液体をかいすと硬くならずとてもいいだしがでる。豆腐などと一緒に煮て非常にうまい。

    オキザヨリのフィッシュ&ティップス 水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を切り取る。適当に切り、小麦粉をまぶして、衣(小麦粉、卵、酢、ビール、サラダ油を合わせたもの)をつけて香ばしく揚げる。モルトビネガーや黒酢、柑橘類をかけて食べるとおいしい。

    オキザヨリの若狭焼きオキザヨリの若狭焼き オキザヨリは二枚に下ろして骨つきの方に振り塩をして1時間以上寝かせる。これをじっくりと焼き上げ、仕上げに清酒を塗る。皮目の風味は好き嫌いがでるところだが、これを酒の香りで弱める。皮目の風味が好きならそのままで。小骨がなくとても美味。

    好んで食べる地域・名物料理

    ●鹿児島県南さつま市笠沙ではハマダツは廃棄され、本種は食用として競りにかけられている。

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/伊東正英(鹿児島県南さつま市笠沙)、磯多紀(築地場内)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『原色魚類大図鑑』(安倍宗明 北隆館)、『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)
  • 主食材として「オキザヨリ」を使用したレシピ一覧

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