オオヘビガイ

Scientific Name / Serpulorbis imbricatus (Dunker,1860)

オオヘビガイの形態写真

貝殻は最初は右巻き、そのうち不規則に巻く。軟体を筒状のなかに隠し、汐が満ちてくると粘液糸をのばして有機質の浮遊物をとらえて食べる。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度


      食用として認知されていない
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱盤足目ムカデガイ超科ムカデガイ科オオヘビガイ属

    外国名

    学名

    Serpulorbis imbricatus (Dunker,1860)

    漢字・学名由来

    漢字 大蛇貝
    由来 岩川友太郎の命名。蛇のように長くくねる貝。
    岩川友太郎
    安政1〜昭和8年 1855-1933、青森県生まれ。モースに師事して近代的な分類学を学ぶ。多くの標準和名をつけるなど貝類の世界での業績が目立つ。『生物学語彙〈ゴキブリは本来、御器かぶり(ごきかぶり)と言ったが本書のルビの振り間違いから「ごきぶり」になる〉』、『日本産蛤類目録』など。
    Dunker
    Wilhelm Dunker(ヴィルヘルム・ドゥンケル 1809-1885)。ドイツの動物学者。ヒラサザエ、レイシガイ、オオマテガイなど国内で普通に見られる多くの貝類を記載した。

    地方名・市場名

    生息域

    北海道南部以南、九州まで。中国大陸。
    沿岸の岩礁などに群生している。

    生態

    基本情報

    国内の磯などに普通に見られるもの。
    日本各地でほそぼそと利用されているようだが、今のところ広島県倉橋島しかしらない。

    水産基本情報

    市場での評価 流通上はまだ見ていない。

    選び方

    味わい

    磯もの(磯でとれる食べられる生物)のなかでは味のいいもの。
    汁物にして、うまいだしがでる。
    軟体にも甘み旨味があって捨てがたい味わい。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    料理法 酒蒸し、塩ゆで、みそ汁、刺身
    酒蒸し、塩ゆでにしてなかなか美味である。
    山口県倉橋島において「吸い口」と呼ぶのは、片方の貝殻を開けておき、身を吸い込んで食べるためだという。
    ただ、意外に身はすんなりとれ、しかも貝殻がもろいので食べやすい。
    みそ汁にしてもうまい。
    磯の岩などにくっついていて、とても貝の仲間とは思えない。軟体から粘液の紐を出して小動物などを捕らえて食べている。

    好んで食べる地域・名物料理

    広島県倉橋島/日美丸さんから「こちらではニシキウズガイ類同様に塩茹でして殻口を銜えて吸い込んで身を殻から出して食べています。ただ吸い込んでも詰まってでてこないので殻頂の近くを叩いて穴をあけて空気が流れるようにしておきます。たぶんご存知でしょうね。この食べ方からこちらではオオヘビガイを「吸い口」と呼んでいます」。

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/平本勝美さん(日美丸/広島県倉橋島)
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分類・由来』(川名興編 未来社)
  • 主食材として「オオヘビガイ」を使用したレシピ一覧

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