ユメカサゴ

ユメカサゴの形態写真一覧 (クリックで下に拡大表示)
27センチ前後になる。側線の上下に褐色帯状に見える斑紋がまったくない。静岡県沼津市産。このタイプは東京湾、相模湾、駿河湾、遠州灘、熊野灘などでも見られる。[背中の部分に暗色の斑紋がほとんどない個体]27cm前後になる。全体に赤く側線の上と真下に褐色帯状に見える斑紋のがある東シナ海など九州産の個体。

ユメカサゴの形態写真

27センチ前後になる。側線の上下に褐色帯状に見える斑紋がまったくない。静岡県沼津市産。このタイプは東京湾、相模湾、駿河湾、遠州灘、熊野灘などでも見られる。[背中の部分に暗色の斑紋がほとんどない個体]

魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★★
一般的(流通量は多くも少なくもない)
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カサゴ目カサゴ亜目フサカサゴ科ユメカサゴ属
外国名
Scorpionfish
学名
Helicolenus hilgendorfi (Steindachner and Döderlein, 1884)
漢字・由来
漢字 夢笠子。
由来・語源 田中茂穂の命名したもの。由来などは不明。地方名にユメカサゴはなく田中茂穂の創作だと思う。
地方名・市場名
ノドグロ(喉黒)/相模湾周辺など。
チョウカ/静岡県焼津市
ワガ/愛知県(豊橋市スーパーでも確認)
アカガガネ/徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』
アカガシ/三重県尾鷲市
ガガネ/徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』
カグラ/静岡県焼津市
カサゴ/静岡県沼津市・戸田
ガシラ/静岡県焼津市
■アカバ、オコゼゴウゾウ、ガガニ、ガシラ。
ユメカサゴの腹腔膜ノドグロ(喉黒) 腹腔膜が黒いのでノドクロ(喉黒)と呼ぶ地域が多い。

概要 ▽

生息域

海水魚。水深130mから980mの砂泥地。
青森県〜薩南半島の太平洋沿岸、伊豆諸島、秋田県、富山県、若狭湾〜九州北西岸の日本海・東シナ海沿岸、東シナ海縁辺。
済州島、台湾。

生態

卵胎生。

基本情報

比較的近海の深場にいる赤いカサゴ。カサゴ類はすべて高級であるが、本種の釣りものも非常に高価。
主に産地周辺や食費地の高級な小売店で見かける。
味は抜群によく、鍋ものや焼きものなど本種を使うことで高級感が出る。
オキカサゴの暗色線オキカサゴとユメカサゴの見分け方
オキカサゴ
側線の上下に暗色斑(ぼんやりとした斑)がよくみると後方(うしろ)に伸びている
ユメカサゴの文様オキカサゴとユメカサゴの見分け方
ユメカサゴ
側線の上下にははっきりした文様(筋状紋)がない。ただし側線の上下にも斑紋の出る例外もある。

水産基本情報

市場での評価 大きくなっても30cmほどの中形のカサゴで近海もので、生で流通するためにやや高値。
漁法 底曳き網、釣り
産地 長崎県、福岡県、福島県、静岡県

選び方・食べ方・その他 ▽

選び方

赤など色合いが鮮やかなもの。目が澄んでいるもので、鰓の色合いが赤いもの。

味わい

旬は寒い時期〜春
鱗は薄く細かく取りやすい。皮は厚みがあり、強い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。

栄養

寄生虫

食べ方・料理法・作り方

煮る(しょうゆ煮、塩煮、アクアパッツァ)、汁(鍋、潮汁、みそ汁)、生食(皮霜造り、焼霜造り)、揚げる(唐揚げ)、ソテー(ムニエル、バター焼き)
ユメカサゴのまーす煮ユメカサゴのまーす煮 鱗を取り、内臓はずぼ抜きにする。やや濃い塩水で短時間、強火で火を通す。塩辛い煮汁がうまい、本体はほどよく塩味が移り、旨みとしっとりした身がまた美味。豆腐、青味野菜などを加えるとよい。
ユメカサゴの煮つけユメカサゴの煮つけ 大型のものは半分に切って煮る。鱗を取り小振りのものは内臓をずぼ抜きにする。上質な白身で煮ると適度にしまり、しょうゆ味に適度に煮染められる。煮染めても本来の甘味はそのままで、適度に繊維質の身が口の中でほどける。非常にうまい。
ユメカサゴのちり鍋ユメカサゴのちり鍋 昆布だしに酒、塩で味つけした汁で煮ながら食べる「ちり鍋」。上品な白身なのでしょうゆやみそなどを使わない方がうまい。野菜はお好みで。
ユメカサゴのあら汁ユメカサゴのあら汁 あら、肝、胃袋などを集めて湯通しする。冷水に落として鱗やぬめりなどを取る。これを昆布だし(水でも可)で煮出す。酒、塩で味つけする。うま味の強い汁になり、あらなどにつく身に甘みがある。
ユメカサゴの霜皮造りユメカサゴの霜皮造り 水洗いして三枚に下ろし、血合い骨を抜く。皮目にゆをかけて氷水に落としてよく水分を取る。上品な白身でほんのりとした甘味があるものの、どこかしらもの足りない味である。これをゼラチン質の皮が補ってくれて、あまりある。
ユメカサゴの焼霜造りユメカサゴの焼霜造り 三枚に下ろして血合い骨を抜く。皮目を直火で焼き、氷水に落として水を拭き取る。これを刺身状に切ったもの。身に甘みがあり心地よい食感が楽しめる。皮に豊かな甘味とうま味があってとてもうまい。
ユメカサゴの唐揚げユメカサゴの唐揚げ 小型のものは開いて唐揚げにする。よく水分を拭き取り、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。頭や骨などごと食べることが出来る。香ばしく、しかも身、皮などに甘みがある。
ユメカサゴのバター焼きユメカサゴのバター焼き 塩コショウして、じっくりソテーする。香ばしさが信条。まずはオイルで焼いて香ばしくし、最後にバターを絡めるのもいい。味はいいものの、うま味が十二分にある本種の場合、ソテーは屋上屋を架すといった感がある。
ユメカサゴの塩焼きユメカサゴの塩焼き 小振りのものは鱗を取り、内臓はずぼ抜きする。肝はまた腹に戻して振り塩をする。1時間以上置きじっくりと焼き上げる。少し水分が多いのが難点ではあるが、焼くと身の甘味が強まり、またそれほど硬く締まらないのもいい。非常にうまい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品


ユメカサゴのみりん干しみりん干し 三重県尾鷲港に揚がる小形のユメカサゴを開いて甘辛く味つけして干し上げたもの。しっかり干しているので焼きやすい。[北村商店 三重県尾鷲市瀬木山]
開き干し 底曳き網で揚がった小振りのものを、開いて干し上げたもの。脂がのって非常にうまい。[ハマショウ 島根県浜田市]

釣り情報

伊豆半島周辺の釣りでは100〜200メートル前後でイズカサゴやアラなどと共に釣り上がる。餌はサバの切り身やイカのたんざく。胴突きしかけでも天秤でもよい。

歴史・ことわざなど

参考文献 ▽

協力/岩崎薫さん(神奈川県)
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社)


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