ユウダチタカノハ


SL 35cm前後になる。尾鰭は上葉が白く(黄土色)で下葉が黒い。体側に筆で描いたような後方斜めの黒い帯が走る。

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目タカノハダイ科タカノハダイ属
外国名
Black-barred
学名
Cheilodactylus quadricornis Günther, 1860
漢字・学名由来

漢字 夕立鷹之羽
由来・語源 田中茂穂の命名。斜めの黒い筋が夕立の斜めに降りしきる雨のようだからか?

Günther,
Albert Karl Ludwig Gotthilf Günther (アルベルト・ギュンター 1830-1914 ドイツ→イギリス)。動物学者。
地方名・市場名
タカノハ
場所和歌山県 
キコリ
参考文献 場所山口県下関 
ユウダチタカノハ
場所標準和名 
カラス
参考文献 場所神奈川県江ノ島 
キコウリ
参考文献 場所福岡県志賀島 
ヒダリマキ
参考文献 場所高知 

概要

生息域

海水魚。浅い岩礁域。
青森県大滝、新潟県〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、千葉県外房〜九州南岸の大平洋沿岸、瀬戸内海、伊豆諸島。希に小笠原諸島。
釜山、台湾、中国福建省・広東省。

生態

基本情報

タカノハダイよりもやや暖かい海域に多く、漁獲し出荷する地域となると主に西日本になる。鹿児島県などではまとまって揚がることもある。タカノハダイは野締めなどでは臭みのある個体が多いが、本種の方はあまり臭みのある個体はない。
ただしタカノハダイ科自体の評価が低く、食用魚としては特種なものだと思う。

水産基本情報

市場での評価/四国、九州などから少ないながら入荷をみる。安い。
漁法/定置網
産地/鹿児島県、愛媛県

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

旬は冬。
鱗は硬く取りにくい。皮は厚みがあり強い。骨はあまり硬くはない。
透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。
臭みのある個体は非常に少ない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ユウダチタカノハの料理法・食べ方/生食(刺身、セビチェ、ポケ)、汁(みそ汁)、ソテー(バター焼き)、揚げる(フライ、天ぷら)、煮る(煮つけ)
ユウダチタカノハの刺身 血合いが弱く、透明感がある。タカノハダイは活魚でなければ臭みが出るが、本種は活け締めであれば刺身になる。マダイに近い身質で脂が均質に混ざっている。身に甘み(呈味性分から来る)があってとてもうまい。鹿児島県から来た2個体は刺身にして美味であったが、身に赤みがさしていた。愛媛県のものは完全なる白身だったので、この赤みを帯びる頻度などはこれからの課題。

ユウダチタカノハのマリネ(ポケ) 皮を引き、細かく切る。これにトマトやねぎなどを和える。しょうゆ、ごま油(オリーブオイル)、塩などで味つけして再度和える。単に刺身にしてもおいしいが、端切れや刺身にならない部分を無駄なく使えて、しかも美味。
ユウダチタカノハのみそ汁 あらや肝、腹腔に張りついた皮膜や脂を集めて置く。これを湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。よく水分をきり、水から煮出してみそをとく。うま味豊かで、イヤミのない味の汁になる。ご飯にも合う。
ユウダチタカノハのバター焼き 小振りのものは丸のまま、大型は三枚に下ろして使う。水分をよくきり、塩コショウする。これを多めの油でソテーする。仕上げにマーガリン(バター)で風味づけ。皮目がかりっとして香ばしい。しょうゆをたらすとご飯に合う。
ユウダチタカノハのフィッシュ&チップス キメの細かな白身で適度に繊維質。揚げると表面がかりっとして中が適度にジューシーに仕上がる。小麦粉、卵、重曹少々、ビール少々、塩を合わせて衣にする。これをじゃがいもと一緒にさくっと揚げる。
ユウダチタカノハの素揚げ 小振りのものは水洗いして水分をよくきっておく。適当に切れ目を入れて、低温から高温に油の温度を上げながらじっくり香ばしく揚げる二度揚げしてもいい。実の香ばしく、しょうゆをかけるとご飯にも合う。熱帯域ではこれをキャッサバ、タロイモ、ヤムイモなどのおかずにする。
ユウダチタカノハの煮つけ(しょうゆ煮) 二枚に下ろして骨つきの方を鍋に合わせて切る。一度湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・みりん・しょうゆで味つけする。煮ても硬く締まらず、身自体にもうま味があっておいしい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど