ホッコクエビ

ホッコクエビの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
体長70mm前後になる。頭部が大きく額角は短く硬い。生きているときから赤い。
体長70mm前後になる。頭部が大きく額角は短く硬い。生きているときから赤い。
体長70mm前後になる。頭部が大きく額角は短く硬い。生きているときから赤い。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目根鰓亜目クルマエビ科アカエビ属
外国名
学名
Metapenaeopsis lamellata (De Haan,1844)
漢字・学名由来

漢字 北国蝦、北国海老 Hokkokuebi
由来・語源 生息域が宗谷海峡に及ぶため。
〈分布が宗谷海峡に及ぶため和名がつけられているが、本来暖海性である。〉『原色日本大型甲殻類図鑑 Ⅰ、Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)
シーボルトがオランダに持ち帰り、ライデン博物館のデ ハーンによって記載される。

De Haan
Wilhem de Haan (ウィレム・デ・ハーン 1801-1855 オランダ。ドゥ・ハーンとも)。ライデン王立自然史博物館。シーボルトが日本から持ち帰った標本、特に甲殻類を研究。『日本動物誌』(Fauna Japonica)をテミンク、シュレーゲルとともに編む。日本に生息する甲殻類の多くを記載している。
地方名・市場名
キントキエビ
場所兵庫県明石市 

概要

生息域

海水生。水深300メートルより浅い内湾、内海。
北海道西岸以南から九州。黄海、シナ海。

生態

基本情報

日本各地の浅い海域にいる小型のエビだ。底曳き網などで揚がるが、国内各地で細々と食べられているもの。まとまって取れる地は兵庫県明石を知るのみ。
そのまま塩ゆでにしたり揚げたり、素麺つゆのだしなどに利用されていた。とても味がいいエビだが小さ過ぎるのが難点。

水産基本情報

市場での評価 明石市では初夏から夏にとれる。狭い流通でやや高値。
漁法 底曳き網
産地 兵庫県

選び方・食べ方・その他

選び方

赤味の強いもの。

味わい

旬は初夏から夏。
非常に小型で殻が硬く頭部が大きい。歩留まりは非常に悪い。
筋肉を食べるよりもだしとして利用するほうが歩留まり的にはいい。
本種の問題点は小さすぎることだ。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ホッコクエビの料理・レシピ・食べ方/揚げる(かき揚げ)、ゆでる(塩ゆで、ゆで干し)
ホッコクエビのかき揚げ 小さいので少々手間がかかるが頭部と体幹部分の殻を剥く。完全に剥かなくてもいい。水分をよくきり、まとめて小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で揚げる。もともと赤いが熱を通すと赤味がより強くなる。エビらしい風味、甘味が豊かでとてもおいしい。

ホッコクエビの塩ゆで もっとも簡単なのはゆでることだ。流水でざっと洗い、水分をきる。これをたっぷりの塩水を沸かした中で2〜3分くらいゆでておか上げにする。身のうまさ、エビの風味などはもちろん申し分がないが、頭部のみそも美味だ。
ホッコクエビのゆで干し 流水でざっと洗い水分をきっておく。多めの塩水を沸かした中で2〜3分ゆでて陸揚げにする。粗熱が富んだら、1lから2日干し上げる。さわさわと軽い音がするくらいが目安。このまま食べてもいいが、軽く煎って食べると香りがいい。
ホッコクエビゆで干しだしで海老芋煮 ゆでぼしは真水に昆布と一緒につける。エビは水に漬けると半日くらいで柔らかくもどる。これがそのままだしになる。エビだしに薄口醤油・みりん・酒で味つけして下ゆでした海老芋(里芋)を煮る。だしにしたエビも芋もともに楽しめる。

好んで食べる地域・名物料理


きんときえび素麺 本種がまとまって取れるのは兵庫県明石市だけではないかと考えている。明石ではこれを塩ゆでにする。このゆで汁に味を加えてつけつゆにして素麺を食べる。実に合理的な料理であってゆでたエビもそうめんも楽しめる。

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど