タイワンヨロイアジ


体長25cm前後になる。背鰭は第1背鰭が8棘、第2背鰭が1棘、背鰭軟条は20-23(写真の個体は21)、尻鰭は前方に2棘・1 棘・17-19軟条(写真は17軟条)、鰓耙数は上枝7-12・下枝21-27、胸部無鱗域は胸鰭基底上端より上に達する。

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科タイワンヨロイアジ属
外国名
Malabar trevally
学名
Platycaranx malabaricus (Bloch and Schneider, 1801)
漢字・学名由来

漢字 台湾鎧鰺 Taiwanyoroiaji
由来・語源/不明
Carangoides malabaricus (Bloch & Schneider, 1801)→Platycaranx malabaricus (Bloch and Schneider, 1801) 2022/01/23 Platycaranx Kimura, Takeuchi and Yadome, 2022 新属設立/タイワンヨロイアジ属

Bloch
Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。
Schneider
Johann Gottlob Theaenus Schneider(ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー 1750-1822 ドイツ)。博物学者。マルクス・エリエゼル・ブロッホ(Marcus Élieser Bloch)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行、完成させた。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。内湾などの沿岸浅い場所の下層。
愛知県美浜、三重県尾鷲、(徳島県阿南市椿泊)、奄美大島。
千島列島の太平洋沿岸、台湾、中国黄海・東シナ海・南シナ海、ニューギニア島西部とオーストラリア北東岸までのインド-西太平洋。

生態

基本情報

本写真の個体は鰓耙数を見ていないので、検索は不完全。
ただ、胸部無鱗域が胸鰭よりも上に達している。尻鰭基底分に白点があることから判断した。
初めて見た魚である。珍種と言えそう。

水産基本情報

市場での評価/ヨロイアジ属自体がマイナーで流通上もまったく認識されていない。
漁法/定置網
産地/徳島県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。体色が輝いているもの。鰓が赤いもの。

味わい

旬は不明。
鱗は細かく取りやすい。皮は薄いが強い。骨は柔らかい。
血合いの弱い白みで熱を通しても硬くならない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

生食(刺身)、煮る(煮つけ)、汁(潮汁)、揚げる(フライ)
タイワンヨロイアジの刺身 水洗いして三枚に下ろして刺身にしてみた。血合いは弱く、脂は身に混在していて白濁している。この脂とうま味からの甘味が強く、ほどよい食感でとても味わい深い。ヨロイアジ属のなかでも上の部類かも。

タイワンヨロイアジの煮つけ 二枚下ろしの骨つきの方を湯通しして、冷水に落とす。残った鱗などを流す。水分をよくきり、酒、砂糖、しょうゆでこってりと煮た。味つけは強いが短時間煮つけたもので内部まで調味料はしみこまないようにしている。煮汁をつけながら食べる。身は適度にしまり、適度に繊維質で身離れがいい。
タイワンヨロイアジの潮汁 刺身や煮つけにしたときのあら、頭部を適宜に切る。これを湯通しして冷水に落とす。残った鱗やぬめりを取り、よく水分を切っておく。これを昆布だし(水でも可)で煮だして酒、塩で味つけしたもの。青みなどはお好みで。実に上品で味わい深い汁が楽しめる。
タイワンヨロイアジのフライ 三枚に下ろして、血合い骨などを抜き、塩コショウしてパン粉をつけて揚げた。マアジほど青魚の個性を感じず、むしろ白身魚に近い味わいになる。ふんわりと豊潤に仕上がり非常に美味。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど