コバンアジ

コバンアジの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
30cm SL 前後になる。鱗は非常に小さい。著しく側へんし、吻が尖り、上唇前部は頭部から分離する。稜鱗(ぜんご)がない。背鰭棘は棘のみで皮膜で繋がらない。体側に黒点がある。[鹿児島県産 31cm SL]
30cm SL 前後になる。鱗は非常に小さい。著しく側へんし、吻が尖り、上唇前部は頭部から分離する。稜鱗(ぜんご)がない。背鰭棘は棘のみで皮膜で繋がらない。体側に黒点がある。[鹿児島県産 31cm SL]
30cm SL 前後になる。鱗は非常に小さい。著しく側へんし、吻が尖り、上唇前部は頭部から分離する。稜鱗(ぜんご)がない。背鰭棘は棘のみで皮膜で繋がらない。体側に黒点がある。[宮城県気仙沼産 21.5cm SL・179g]
30cm SL 前後になる。鱗は非常に小さい。著しく側へんし、吻が尖り、上唇前部は頭部から分離する。稜鱗(ぜんご)がない。背鰭棘は棘のみで皮膜で繋がらない。体側に黒点がある。
吻が尖り、上唇前部は頭部から分離する。
珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科コバンアジ属
外国名
Small spotted dart 斐氏鯧鰺、卵鰺、紅鰺、油面仔、幽面仔、斐氏黃臘鰺、南風穴仔、甘仔魚(臺東)、紅紗(澎湖)
学名
Trachinotus baillonii (Lacepède,1802)
漢字・学名由来

漢字 小判鰺 Kobanaji
由来・語源 古くはコバンアヂ。田中茂穂の命名。側面からみた体型が小判型であり、アジ科であることによる。
Trachinotus jordani Wakiya, 1924/ウケグチコバンアジという学名・和名もあった。現在はシノニム。

Lacepède
Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。
地方名・市場名
スーミツガーラ
参考文献 場所沖縄本島 
スーイユ スーミチャーガーラ
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 
ヤハチ
参考伊東正英さん 場所鹿児島県南さつま市笠沙 
シラアジ
参考文献 場所和歌山県南部 
ハンダイガーラ
場所沖縄県宮古 

概要

生息域

海水魚。沿岸浅瀬の砂地の下層域。
[岩手県釜石]、宮城県気仙沼・石巻、八丈島、相模湾〜九州南岸の太平洋、玄界灘、長崎県、鹿児島県笠沙、琉球列島。韓国釜山、台湾、広東省、海南島、西沙諸島、インド洋-太平島の熱帯・亜熱帯域。

生態

咽頭歯が発達していて、砂地などにいる貝などをつぶして食べている。

基本情報

国内では主に紀伊半島、九州、鹿児島県奄美大島、沖縄諸島、大東諸島、先島諸島など琉球列島であがる。宮城県から相模湾でも少ないながら揚がるが小さな個体が多い。熱帯域でも亜熱帯域でもマルコバンのようにまとまって揚がらない。
コバンアジ属すべてがおいしいが、本種も同様に美味。非常に良質な身で、生食など味がいい。
身の厚みがないことが難点だが、もっともっと注目を浴びていい魚である。
珍魚度 珍魚ではないが、手に入れるのは至難。安定的に水揚げされない上に個体数が少ないのか揚がっても単体であったりする。

水産基本情報

市場での評価 関東には希に入荷するだけ。大型はやや高値。小型は安い。
漁法 定置網、釣り
産地 鹿児島県、沖縄県、東京都、静岡県、宮崎県など

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

産卵前の春〜夏。本州で揚がるものは寒い時期にも脂がのっている。極端に味の悪くなる時期がない。
相模湾、駿河湾などでは水温が下がり始めると脂が層を作る。熱帯域などとは脂ののりかたが違う。
ゼンゴがある。鱗は小さいが硬く取りにくい。皮は硬くやや厚みがある。骨は硬め。
透明感のある白身で血合いが広く赤い。腹側の血合いは薄い。
骨などからいいだしが出る。熱を通しても硬く締まらない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

コバンアジの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、ソテー(バター焼き)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)
コバンアジの刺身 暖かい海域では春〜夏。本州、紀伊半島以北では秋から初秋に味がいいと思ってる。三枚に下ろして皮を引いて普通に刺身にしたもの。アジというよりもマダイなど白身魚に近い色合い。非常に上品な味わいでいながら、うま味豊かで非常にうまい。嫌みのない味わいなのでたっぷり食べて、しかも飽きない。

コバンアジのフライ アジ科の中では鱗が硬いのが難点。場合によっては皮を引いてもいい。水洗いして三枚に下ろし、切り身にして塩コショウする。小麦粉をまぶして衣(卵・小麦粉・水。少ないときは溶き卵)をからめてパン粉をつけて揚げる。身にうま味があり、アジフライのような独特の風味がある。非常に美味。
コバンアジの煮つけ 水洗いして輪切りにする。湯通しして冷水に落としてぬめり・残った鱗などを流す。水分をよくきり、酒・醤油・水を煮立てた中に入れて煮る。砂糖・みりんで甘味を加えてもいい。煮ると適度にしまり、身離れがいい。身自体にうま味があってとても味わい深い。
コバンアジの塩焼き 二枚に下ろして、骨のある方を適当に切る。振り塩をして1時間以上置く。表面に出て来た水分をとりじっくりと焼き上げる。アジ科らしいうま味豊かで非常においしい。冷めてからも味がいいのはうま味が豊かだからだと思う。
コバンアジのバター焼き 皮がしっかりしているので、ソテーしてもおいしい。水洗いして三枚に下ろして塩コショウして小麦粉をまぶす。これを多めの油でじっくりとソテーする。皮目は香ばしく中は適度に繊維質で口のなかでほどよくほどける。とてもうまい。
コバンアジの汁 沖縄での「がーらのみそ汁」にあたる。刺身にしたときのあらなどを集めて置く。熱湯に落として冷水に落としてぬめりや残った鱗を流す。水から煮出してみそを溶く。いい出しがでて味わい深い。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど