クロホシマンジュウダイ

クロホシマンジュウダイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
SL35cm前後になる。側へんし、背鰭から目にかけて隆起して目の直前でくぼむ。目は小さい。体側の褐色の斑紋は小型の時には大きさに対して大きく少ない。『鹿児島県産 22cm SL』
SL35cm前後になる。側へんし、背鰭から目にかけて隆起して目の直前でくぼむ。目は小さい。体側の褐色の斑紋は小型の時には大きさに対して大きく少ない。『鹿児島県産 28cm SL』
SL35cm前後になる。側へんし、背鰭から目にかけて隆起して目の直前でくぼむ。目は小さい。体側の褐色の斑紋は小型の時には丸く大きい。『若い個体』
SL35cm前後になる。側へんし、背鰭から目にかけて隆起して目の直前でくぼむ。目は小さい。体側の褐色の斑紋は小型の時には丸く大きい。『鹿児島県産 幼魚』
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ニザダイ亜目クロホシマンジュウダイ科クロホシマンジュウダイ属
外国名
Spotted scat   中国/金銭魚、金鼓、爛扁魚
学名
Scatophagus argus (Linnaeus, 1766)
漢字・学名由来

漢字 黒星饅頭鯛 Kurohoshimanjuudai
由来・語源 黒い斑紋があって平たく丸い形の魚の意。
〈クロホシマンヂユウダヒ科(新稱)クロホシマンヂユウダヒ属(新稱)クロホシマンヂユウダヒ(新稱)〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)

Linnaeus
Carl von Linné(カール・フォン・リンネ 1707-1778 スウェーデン)。二名法を確立。
地方名・市場名

概要

生息域

汽水域・内湾域。マングローブ。
秋田県潟上、新潟県関屋浜、[富山湾魚津 2008-2018 年に富山湾で新たに記録した魚類 木村知晴・西馬和沙・不破光大・稲村 修(魚津水族館)]、石川県能登半島、兵庫県・山口県の日本海沿岸、[長崎県雲仙市橘湾]、大阪泉南、伊予灘、高知県浦戸湾・柏島、愛媛県愛南、鹿児島県錦江湾南部、琉球列島。
幼魚は長崎県、有明海、大阪湾。
朝鮮半島西岸、台湾、福建省・広東省・江西省、海南島、インド-西太平洋、カロリン諸島、サモア諸島、ソサエティ諸島。

生態

基本情報

関東では流通上見かけることは非常に希な魚。産地でもあまり出回らないのではないかと考えている。非常に味のいい魚なのでもったいない気がする。
またアイゴ科に似た強い棘を持ち、同様に刺毒を持つとされていて海外では、刺されての被害が多いとされている。国内での被害は少ないが注意を要す。

水産基本情報

市場での評価 入荷は非常に希。入荷するとやや高値になることがある。
漁法 定置網、刺し網
産地 高知県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。目が澄んでいるもの。

味わい

旬は寒い時期。
鱗は細かく硬く取りにくい。皮は厚く硬い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で血合いが赤い。血合いは時間が立つと褐色に変化する。熱を通すとやや締まる。

クロホシマンジュウダイの料理の方向性
皮に厚みがあり、身は熱を通すと締まる。意外に料理を選ぶ魚だと思う。ただ生で食べると非常に美味。これだけでも元が取れる魚だと言えそう。また熱を通すなら水か油を使った方がいい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

クロホシマンジュウダイの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、セビチェ)、揚げる(唐揚げ、フライ)、煮る(酒塩煮、塩煮、しょうゆ煮)、ソテー(バター焼き)、汁(潮汁)、焼く(塩焼き)
クロホシマンジュウダイの刺身 生で食べるのがいちばんという魚だと思う。あれこれ無用なことはせず、単に刺身で食べるのが最上だと思う。脂の味ではなく魚自体にうま味がある。味に奥行きがある上に食感もいい。また血合いの色、食感などが長くもつ。

クロホシマンジュウダイのセビチェ 刺身を造っているとどうしても端切れなど無駄な部分が出てしまう。このような部分を集めて置く。ライム、塩、青唐辛子で和えて締め、ミニトマトやセルバティコなど香りのある野菜と合わせる。
クロホシマンジュウダイの唐揚げ 腹骨の周りや胸鰭あたりを適宜に切る。片栗粉をまぶしてじっくりと香ばしく揚げ、振り塩をする。骨までとはいかないが鰭がサクサクと身が柔らかく豊潤に揚がる。
クロホシマンジュウダイのフライ 水洗いして下ろし、血合い骨などを抜く。これをフライに揚げる。下ろしてから少し寝かせた方が身が反らない上にうま味が増す。思った以上に豊潤かつ、フライの香ばしさが相まって非常に美味。
クロホシマンジュウダイの煮つけ 頭部や鰭際、中骨を集めて湯通しし、冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよく切り、酒、みりん、しょうゆの味つけで煮る。こってりが好きなら砂糖を加えてもいい。意外にも煮つけにする場合、上身よりもあらの方がうまい。
クロホシマンジュウダイのまーす煮 水洗いしてていねいに鱗をとる。水分をよく切り、少し強めの塩水(少し泡盛を加えてもいい)で短時間で煮上げる。短時間で煮上げると魚のうま味が煮汁に出るが、これと皮や身を一緒に食べるといい。
クロホシマンジュウダイのバター焼き 皮目はやや硬いが、これをかりっとソテーして仕上げる。二枚に下ろして塩コショウする。これを多めの油でじっくりとソテー。仕上げにたっぷりのバターを風味づけに。しょうゆをたらすとご飯にも合う。

クロホシマンジュウダイの潮汁 三枚に下ろした身は熱を通すと硬く締まるが、あらはそうではない。煮つけにしてもうまいし、焼いてもうまいが、うま味豊かなだしが出るので汁にする。中骨は湯通しして冷水に落として表面のぬめりや鰭下に残った鱗を流す。水分をよくきり、昆布だし(水でも)で煮だして酒、塩で味つけする。
クロホシマンジュウダイの塩焼き 皮を生かして焼いた方がうまいが、かなり強く縮む。また上身よりも中骨周辺の方が焼いても締まりすぎない。ただし上品で淡泊、鶏肉のように締まって味わい深い。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど