クロホシフエダイ

クロホシフエダイの形態写真一覧 (クリックで下に拡大表示)
体長50cm前後になる。側扁(左右に平たい)し全体に背が黒く腹にかけてグラデーションする。胸鰭、腹鰭、尻鰭は黄色い。背鰭後方下に濃い褐色の斑紋がある。写真は全長30cmほどの個体。全長43m、重さ1.4kgの個体。成長するにともない黒い斑紋が薄くなり、体高が低くなる。背部の鱗は頭部で一度途切れ、帯状の無鱗域があり、鱗2枚ほどの帯状の鱗域がある。

クロホシフエダイの形態写真

体長50cm前後になる。側扁(左右に平たい)し全体に背が黒く腹にかけてグラデーションする。胸鰭、腹鰭、尻鰭は黄色い。背鰭後方下に濃い褐色の斑紋がある。写真は全長30cmほどの個体。

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科フエダイ属
外国名
Russell's snapper
学名
Lutjanus russellii (Bleeker,1849)
漢字・由来
漢字 黒星笛鯛
由来・語源 後部にある黒い斑紋から。
地方名・市場名
別名、モンツキ。
カワサキ/三重県尾鷲市
シブダイ/大分県中津市、鹿児島県阿久根
タルミ/徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』
モグサ/高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協
モンツキ/三重県熊野市
モンシブ/宮崎県日南市油津
宮崎県日向市細島漁港ではフエダイ科の魚に混乱が多いのを知る。人によってシブダイ、イセキ、スミヤキと呼ぶ。
沖縄本島ではヤマトゥビー、ハンツキアカンチャー、スクシビー。
イセギ、カワサキ、クサンダイ、ショクカンダイ、シヨクカンダイ、クニクサ、ドクギョ、メンタルミ、モンツキ(紋付)、ヤマモチ。

概要 ▽

生息域

海水魚。サンゴ礁、岩礁域。
千葉県館山〜九州南岸の太平洋沿岸、山口県深川湾、長崎県五島列島・野母崎、大阪湾、小笠原諸島、琉球列島。台湾、福建省〜江西省、海南島、インド・西太平洋。

生態

基本情報

主に西日本で水揚げされている魚だが、近年関東の市場でも見かける機会が多く、漁獲量が増えているのではないかと思われる。鯛型でやや大きくなり、上質の白身魚なので、もっと知られて利用されるといいと思う。

水産基本情報

市場での評価 関東には九州などから入荷してくる。見た目のよさからやや高値となる。
漁法 定置網
産地 大分県、宮崎県、鹿児島県

選び方・食べ方・その他 ▽

選び方

味わい

旬は春から夏。 ただし産卵後をのぞきあまり味が落ちない。
鱗は硬いが取りやすい。皮はあまり厚くなく硬くもない。骨はやや硬い。
白身で透明感があり、脂は皮下に層を作るとともに筋肉に混ざり込む。あらなどからいいだしが出る。
真子、白子も美味。

栄養

寄生虫

食べ方・料理法・作り方

生食(刺身、カルパッチョ、セビチェ)、ソテー(バター焼き)、汁(みそ汁、潮汁など)、煮る(まーす煮、煮つけ、真子の煮つけ)、揚げる(唐揚げ)、焼く(塩焼き)

クロホシフエダイの刺身クロホシフエダイの刺身 小型のものを三枚に下ろして血合い骨を抜き取り、切りつけたもの。透明感のある白身で活け締めにしたものは鮮度がよいとやや硬いくらいなので薄く切りつけたもの。上品でいながらうま味があり、またほんのりと甘味も感じられる。食感もよいために食べ飽きない味である。
クロホシフエダイのカルパッチョクロホシフエダイのカルパッチョ 三枚に下ろして皮を引き、大型は血合い骨の部分を切り取る。小型は血合い骨を抜く。できる限り薄切りにしておく。皿ににんにくをなすりつけ、塩・コショウと油(ここでは太白ごま油だけどなんでもいい)を塗る。薄く切った身を貼り付けて、スプーンなどで馴染ませる。上からも振り塩。甘味、酸味のある果物(ここではスモモ)や野菜(エンダイブ)をのせて太白ごま油、ライムを振る。柑橘類はなんでもいい。
クロホシフエダイのセビチェクロホシフエダイのセビチェ セビチェはラテンアメリカで食べられているマリネである。白身の切り身を柑橘類と塩でしめるというのが基本的なもの。ここではクロホシフエダイの切り身をライムと塩でマリネし、紫玉ねぎと青唐辛子で和えた。さっぱりした味わいでスピリッツにとてもよく合う。
クロホシフエダイのバター焼きクロホシフエダイのバター焼き 小振りのものに向いているのがソテーである。白身で皮目にうま味があるが小振りのものはややうま味に欠ける。これを水洗いして三枚に下ろして、皮つきのまま切り身にして塩コショウ。マーガリン(バター)でこんがりとソテーしたもの。仕上げにしょうゆをたらすと、ビールにもご飯にもよく合う。
クロホシフエダイのみそ汁クロホシフエダイのみそ汁 あらを湯に通して冷水に落とし、鱗やぬめりを取る。これを水(昆布だしでも)で煮だしてみそをとく。青みや薬味はお好みのものを。あらなどからとても強いうま味や甘味のあるだしがとれる。汁を飲んでも、身を食べても最上級の味だ。コーレーグス(島唐辛子の泡盛づけ)がよく合う。
クロホシフエダイのまーす煮クロホシフエダイのまーす煮 少量の塩水で蒸し煮にする沖縄料理。頭部、骨などから旨味が一度出て、また煮詰まることによって魚自体に返る、そんな料理法。さっぱりして白身の旨味、また皮などの味わいがいかんなく堪能できる。脇役の豆腐が主役を食うほどにうまい。チョーメーソー(ボタンボウフウ)やニガナなどの青みが合う。
クロホシフエダイの煮つけクロホシフエダイの煮つけ 水洗いして二枚下ろしにして骨つきの方を適宜に切り、湯に通し、冷水に落とす。鱗やぬめりなどを取り、水分をよく切っておく。これを酒、砂糖(白砂糖でも黒糖でもお好みで)、しょうゆ、水で煮上げていく。酒と塩、水で煮てもいいし、みりんを加えてもいい。煮ると適度に締まり、甘味があってとてもおいしい。
クロホシフエダイの真子の煮つけクロホシフエダイの真子の煮つけ 旬が産卵期前なのでしばしば真子が出てくる。これを適宜に切り、煮汁に放つと花が咲いたようになる。仕上げにしょうがの搾り汁を振る。卵粒が細かく、ねっとりした甘味があってとてもうまい。
クロホシフエダイの唐揚げクロホシフエダイの唐揚げ カマ下や切り落としの部分を集めて、しょうゆ、酒、みりんにしょうが、にんいくの風味をつけたタレ(味つけはお好みで)に半日漬け込んでじっくりと揚げたもの。鰭や皮は香ばしく、中はしっとりと豊潤に揚がって美味。
クロホシフエダイの塩焼きクロホシフエダイの塩焼き 大型のものは脂もあり、焼いても強く縮むことがない。振り塩をして1時間以上寝かせる。これをじっくりと焼き上げたもの。皮目の香ばしさと身のしっとりとしていることなど、塩焼きとしても最上級の味になる。小振りのもので脂の少ないものは焼き上げてオリーブオイルやモルトビネガーなどを使うとおいしい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

参考文献 ▽

『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)


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