クロヒラアジ

クロヒラアジの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
SL 40cm前後になる。アジ科では体高があり側へんする。吻は短く、吻長は眼径とほぼ同じ。脂瞼は未発達。胸部無鱗域は狭く、腹鰭基部にまでしか達しない。稜鱗(ぜんご)は側線後半、直線部分の後方にだけある。第1背鰭棘の間に皮膜がある。若い個体には薄い黄褐色の横縞がある。[35cm SL・1.141kg]
SL 40cm前後になる。アジ科では体高があり側へんする。吻は短く、吻長は眼径とほぼ同じ。脂瞼は未発達。胸部無鱗域は狭く、腹鰭基部にまでしか達しない。稜鱗(ぜんご)は側線後半、直線部分の後方にだけある。第1背鰭棘の間に皮膜がある。若い個体には薄い黄褐色の横縞がある。
SL 40cm前後になる。アジ科では体高があり側へんする。吻は短く、吻長は眼径とほぼ同じ。脂瞼は未発達。胸部無鱗域は狭く、腹鰭基部にまでしか達しない。稜鱗(ぜんご)は側線後半、直線部分の後方にだけある。第1背鰭棘の間に皮膜がある。若い個体には薄い黄褐色の横縞がある。[38cm SL]
SL 40cm前後になる。アジ科では体高があり側へんする。吻は短く、吻長は眼径とほぼ同じ。脂瞼は未発達。胸部無鱗域は狭く、腹鰭基部にまでしか達しない。稜鱗(ぜんご)は側線後半、直線部分の後方にだけある。第1背鰭棘の間に皮膜がある。若い個体には薄い黄褐色の横縞がある。[幼魚 12.3cm SL・45g]
目から吻までの距離が極端に短く、胸部無鱗域は狭く、腹鰭基部にまでしか達しない。。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ナンヨウカイワリ属
外国名
Blue Trevally
学名
Ferdauia ferdau (Fabricius in Niebuhr 1775)
漢字・学名由来

漢字 黒平鰺 Kurohiraaji
由来・語源 体高の高い、左右に平たいアジ科の魚を「平鰺」といい。そのなかにあって黒ずんで見えるため。我がサイトの資料では『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)に初出。
Carangoides ferdau (Forsskål, 1775)→ Ferdauia ferdau (Fabricius in Niebuhr 1775) 2022/01/23 Ferdauia Jordan, Evermann and Wakiya in Jordan, Evermann and Tanaka, 1927/ナンヨウカイワリ属

地方名・市場名
カッポレ
場所東京都伊豆諸島 
クロカッポレ
場所東京都小笠原 
インドアジ
参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場 場所静岡県伊豆田子 
エバ
場所鹿児島県南さつま市 
トラエバ
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島 
ナガエバ
場所鹿児島県 

概要

生息域

海水魚。サンゴ礁など沿岸の浅場。
伊豆諸島〜小笠原諸島。[宮城県気仙沼/若い個体]、千葉県外房、相模湾〜九州南岸の太平洋沿岸(相模湾には幼魚が多い)、[富山湾 2008-2018 年に富山湾で新たに記録した魚類 木村知晴・西馬和沙・不破光大・稲村 修(魚津水族館)]、山口県日本海沿岸、鹿児島県南さつま市笠沙、琉球列島。インド〜西太平洋。
サンゴ礁、浅い沿岸域。

生態

産卵期は夏。
近縁のナンヨウカイワリとの違いは吻(目の前の上あごの先端)が丸みをおびている。目の大きさと目から吻端までの長さが同じ。また身体に薄い横縞模様が見えるなど

基本情報

温帯域ではあまりまとまってとれない。主に熱帯に多い魚で、相模湾などでは小型が多い。
味のいい魚であるが、定置網などに入ってもまとまらないので、ほとんど知られていないのが残念で鳴らない。
味は最上級という魚である。少ない水揚げながらもっと注目を浴びてもいい。
また近頃、このヒラアジ系をシガテラ毒などの原因魚として排除する動きがあるが、このような小型種での中毒例があるのだろうか? 良識的な対応をお願いしたい。

水産基本情報

市場での評価 まとまって入荷することはまずない。特に関東では希に見る程度。やや高値。
漁法 定置網、釣り
産地 鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

旬は不明だが本州では寒い時期に脂がのっている個体を手に入れている。
鱗は薄く取りやすい。骨は軟らかい。皮は薄いがしっかりしてる。
透明感のある白身で血合いは弱い。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

クロヒラアジの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、セビチェ、焼霜造り、づけ)、汁(みそ汁)、揚げる(フライ)、焼く(塩焼き、祐庵焼)、煮る(煮つけ、魚すき)、ソテー(バター焼き)
クロヒラアジの刺身[背] 大きくなっても1kg以下ではあるが脂が身に混在するタイプで、身はねっとりとして舌触りがよい。血合いが弱く、筋などもほとんどない。ブリなどの刺身に近い食感なのに後味がよく、味わいが深いと思うとわかりやすそうだ。写真は背の部分で比較的脂が少なく、身が均質で上品な味。

クロヒラアジの刺身[腹] 背の方と比べると腹の方は脂があり、しかも筋が薄く弱いので見た目にも非常に美しい。口に入れた途端に脂を感じてなめらかな舌触り、あとから脂とうま味性分からの甘さが感じられる。
クロヒラアジのセビチェ 比較的歩留まりはいいが、それでも切り落としや刺身状に切れない半端なところが出る。これをやや小さく切る。塩とライムで和えて少し締める。表面が白くなったら、辛い唐辛子と紫玉ねぎなどでを加える。トマトなどを加えてもいい。スピリッツによく合う。
クロヒラアジの漬け 皮を引き、刺身状に切る。これを煮きりみりん、しょうゆ、すりごま、しょうがの搾り汁などと和えて数時間寝かせる。これをこのまま食べてもいいし、ご飯にのせてもいい。お湯をかけての湯漬けにしてもうまい。青みは青じそ、ねぎ、みょうがなどを。
クロヒラアジのみそ汁 アジ科の魚のよい点は煮るとうまいだしが出るところだ。刺身にしたときの切れっ端や中骨、頭部などを集めて湯通しする。冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。よく水を切り、水から煮出してみそを溶く。なんといっても汁ものとして美味である。いいだしが出るので豆腐や野菜などと一緒に煮るとより味わい深い。
クロヒラアジのフライ 要するにクロヒラアジで作ったアジフライだ。頭部に近い方は身が分厚く、フライにしにくいので尾に近い部分を使う。皮付きのまま塩コショウして溶き卵、パン粉をまぶして揚げる。皮目にアジ科ならではの風味があり非常にうまい。
クロヒラアジの塩焼き 背の青い魚の風味と白身のよさを併せ持つ。しかも焼いても身が縮まず、しっとりふんわり仕上がるのも魅力的だ。切り身に振り塩をして1時間以上置く。これをじっくりと焼き上げる。素焼きにしてしょうがじょうゆ、ポン酢で食べてもうまい。
クロヒラアジの祐庵焼(照焼) 関西料理では祐庵焼、関東では同様のものを照焼という。切り身にして水分をよくきり、醤油・みりん・酒を合わせた地に半日以上つけ込む。漬け地は総ての調味料が1対1対1だが、好みで加減をしてほしい。また甘味に砂糖を加えてもいい。これを焼き上げる。焼き上げる最後にみりんを塗るとキレイに上がる。お弁当などにももってこい。おかずではあるが酒の肴にもなる。

クロヒラアジの煮つけ 小振りのものは丸のまま、大型は切り身にして鍋に合わせる。これを湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒、砂糖、しょうゆの味つけで煮る。骨などからとてもうま味の強いだしが出て、皮目に背の青い魚のような風味がある。煮ても締まらないのもいい。
クロヒラアジの魚すき(へか焼き、煮食い) 魚をすき焼き地に近い味つけで煮ながら食べるものを、関西で「魚すき」、島根県では「へか焼き」、「煮食い」などという。野菜たっぷりに豆腐やコンニャクと賑やかに煮ながら食べる。魚は甘辛い地で煮ることで、甘味もうま味も際立つ。一緒に煮た具も非常に美味。
クロヒラアジの炊き込みご飯 切り身などにして強めの振り塩をする。頭部などを使ってもいい。これをこんがり焼き上げる。冷ましてご飯に炊き込む。調味料は酒と塩を使ったが、塩焼きの塩加減を考えて量を調整してほしい。
クロヒラアジのバター焼き 大型のものは適宜に切る。小さなものは丸のまま使う。塩コショウして少し置き、やや多めの油でソテーする。8割がた火が通ったら余分な油を捨てて、バターで風味づけする。最後にしょうゆをたらすとご飯にも合う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど