キンセンフエダイ


25cm SL 前後になる。体高が低く、真横から見るとイサキ型。体側に比較的幅の広い金色(黄色)の縦縞が走り、腹部にも細い黄色以浅が走る。背鰭に鱗がある。

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珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科フエダイ属
外国名
Bigeye snapper
学名
Lutjanus lutjanus Bloch, 1790
漢字・学名由来

漢字/金線笛鯛 Kinsenfuedai
由来・語源/金色(黄色)の縦縞があるため。
Lutjanus lutjanus 属名と種小名が同じトートニム(tautonym)。「Lutjanus」はマレーでの呼び名「Ikan Lutjang」にちなむ。『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)
〈スズキ群フエダヒ科 キンセンフエダイ(新称) Lutjanus lineolatus(Lutjanus lineolatusのシノニム)  タテフエダイ Lutjanus lutjanus〉。キンセンフエダイは現シノニムに対しての和名であり、現在も有効な、Lutjanus lutjanus には、タテフエダイの和名がついていたことになる。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)

Bloch
Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。
地方名・市場名
ビタロー
サイズ / 時期30cm前後 備考ビタローは30cm前後の1尾でバター焼きなどに使えるものをいうのではないかと思う。 場所沖縄県南城市知念漁協 

概要

生息域

海水魚。サンゴ礁、岩礁域。
静岡県沼津市、高知県以布利・柏島、鹿児島県笠沙・内之浦湾。
沖縄諸島以南の琉球列島。
台湾、広東省・海南島、タイランド湾、フィジー諸島をのぞくドイン-西太平洋

生態

基本情報

鹿児島県本土以北でも発見されているが、漁業的には琉球列島以南のもの。フエダイ科はある程度大きくないと評価が低いために、全長30cm前後にしかならない本種などは食用魚としても価値が低い。沖縄県では小型の白身魚に対する呼び名である「ビタロー」のひとつでしかない。
ただし上質の白身で味がいいことだけはここに明記しておく。
珍魚度 珍しい魚ではないが水揚げ量はあまり多くなく、しかも主に鹿児島県島嶼部や沖縄県で見られるので、探しにいかなければならない。

水産基本情報

市場での評価/沖縄県では小型のフエダイ、フエフキダイなどとともに混ざった状態で競りにかけられる。安い。
漁法/
産地/沖縄県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。鰓が赤いもの。退色して白くなっていないものを選ぶ。

味わい

旬は不明。
鱗は取りやすい。皮は厚みがあって強く、骨はあまり硬くない。
血合いのきれいな白身で、熱を通しても硬く締まらない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

キンセンフエダイの料理・レシピ・食べ方/ソテー(バター焼き)、焼く(塩焼き)
キンセンフエダイのバター焼き 沖縄で「ビタロー」と言えば、バター焼きの魚です。1尾丸ごとソテーするのにちょうどいい。
水洗いして水分をよくきり、塩コショウする。小麦粉はつけてもつけなくてもいい。多めの油でじっくり香ばしくソテーする。仕上げにバターで風味づけする。
皮目がとても香ばしく、身はそれほど硬く締まらないで柔らかい。バターがいい役割を担い、醤油などを垂らすとご飯にも合う。

キンセンフエダイの塩焼き 水洗いして水分をよくきり、振り塩をする。1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げる。焼くと適度に身が締まり、身に味がある。皮の風味もよく非常に味わい深い。姿がイサキに似ているが、味も似ていると思う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど