キマダラヒメダイ

キマダラヒメダイの生物写真

体長40cm前後になる。紡錘形でやや側扁する。背鰭、尾鰭上葉が黄色く、全体に褐色で黄色い色合いが駁模様になっている。

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科ヒメダイ属
外国名
Goldflag jobfish
学名
Pristipomoides auricilla (Jordan Evermann and Tanaka, 1927)
漢字・由来
漢字 黄駁姫鯛
由来・語源 黄色い色合いが駁(まだら)になっているため。
地方名・市場名
グルクンマチ/沖縄
ショナクチ/東京都小笠原諸島(20170622川崎北部荷)
マチ/沖縄

概要 ▽

生息域

海水魚。南日本。東インド・西太平洋域。
100メート以深。

生態

基本情報

めずらしい魚で関東などでは珍魚。
ヒメダイの仲間なのでオゴダイとして流通する。

水産基本情報

市場での評価 入荷は非常に希。ヒメダイとの混同から高い。
漁法 釣り
産地 小笠原、沖縄

選び方・食べ方・その他 ▽

選び方

黄色い駁模様がはっきりしているもの。眼が澄んでいるもの。鰓が赤いもの。

味わい

旬は春から夏。ただし産卵後以外はあまり味が落ちない。
大きいものの方が味がいい。
鱗は薄いが硬い。皮は厚みがあって強い。骨はあまり硬くない。
血合いの赤い白身で火を通しても硬く締まらない。
料理の方向性
鮮度落ちが遅く、上品な非常に良質の白身で脂は身に混在してたまる。皮は厚みがあり、熱を通すと柔らかくなるが溶けて脆くなるようなことはない。料理法を選ばない魚だ。
キマダラヒメダイのフィレ少しだけ赤みを帯びる白身で皮は適度に柔らかい。

栄養

寄生虫

食べ方・料理法・作り方

生食(刺身、セビチェ、カルパッチョ)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁)、ソテー(バター焼き)、焼く(塩焼き)、揚げる(唐揚げ)
キマダラヒメダイの刺身キマダラヒメダイの刺身 三枚に下ろして皮を引き、刺身状に切る。ここでは角造りにしてみたがそぎ切りにしてもいいし、薄作りにしてもいい。数日経っても血合いの色合いがそれほど黒ずまない。均質な白身で舌触りがよく、脂は身に混在して甘味となって感じられる。
キマダラヒメダイのカルパッチョキマダラヒメダイのカルパッチョ 三枚に下ろして大型は血合いと腹骨を切り離す。小型は腹骨を取り、血合い骨を抜く。できるだけ薄く切りつける。皿ににんにくをなすりつけて油(ここでは太白ごま油、オリーブオイル、グレープシードオイルなどなんでもいい)をかけ回し、振り塩をして皿に伸ばす。切り身を皿に敷き詰めるようにしてスプーンでトントンと馴染ませる。上からも振り塩、油を回しかけて、好みの野菜、果物などをちりばめる。油ではなくドレッシングをかけ回してもいい。
キマダラヒメダイのセビチェキマダラヒメダイのセビチェ セビチェはラテンアメリカで作られている柑橘類と塩でのマリネだ。三枚おろしにして皮を引き、刺身などにした残りの切り落としなどを集める。塩と柑橘類(ここではライム、レモンでも日本の柑橘類でもいい。柚子を使うと和風になる)でしめる。酸が全体に回れば、辛い青唐辛子、紫玉ねぎ(玉ねぎ)を加えて和える。スピリッツに合う。
キマダラヒメダイの酒塩煮キマダラヒメダイの酒塩煮 大振りのものは切り身にして、小振りは二等分する。大振りの兜もいい。一度湯通しして氷水(冷水)に落として残った鱗、滑りなどを取る。これを酒、塩、水で煮る。火が通ったら、振りしょうがをして出来上がりだ。頭部の皮のうまさは官能的、身も硬く締まらず、豊潤な味。兜(頭部)を使うと豪勢である。
キマダラヒメダイのしょうゆ煮キマダラヒメダイのしょうゆ煮 上品な白身で、あっさりたんぱくに煮てもいいが、九州の薄口しょうゆと黒糖とか、酒、白砂糖、しょうゆなどでこってり煮上げてもいい。大型のものは兜(頭部)だけ、切り身を煮つける。小振りのものは二等分して煮る。甘辛く煮つけてもちゃんと白身のうま味、皮のぷるんとした食感と甘味が感じられてとても味がいい。
キマダラヒメダイのバター焼きキマダラヒメダイのバター焼き キマダラヒメダイは三枚に下ろして適宜に切る。塩コショウしてたっぷりの油でこんがりとソテーする。余分な油を捨ててマーガリン(バター)で風味づけをする。仕上げにしょうゆをたらしてもいい。こってりとしたマーガリン味なのにとてもご飯に合う。しょうゆをたらすとよりご飯がすすむ。ビール、泡盛にもいい。
キマダラヒメダイのみそ汁キマダラヒメダイのみそ汁 刺身やソテーにした残りのあら、卵巣、肝などを集めておく。これを湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめり、血液を流す。これを水(昆布だし)から煮出す。酒を加えて、火が通ったらみそをとき入れる。仕上げにしょうがの搾り汁を振ってもいい。上品な味わいだが、うま味に奥行きがある。これでご飯もいいし、酒のしめもいい。青み、薬味などはお好みで。豆腐やなす、ごぼうなどと合わせて作ってもおいしい。
キマダラヒメダイの塩焼きキマダラヒメダイの塩焼き 二枚に下ろして骨つきの方を適宜に切る。振り塩をしてできれば1時間以上置く。表面の水分を拭き取り、じっくりと焼き上げる。上品な味わいなのに、皮目に独特の好ましい風味があり、適度に繊維質の身は骨離れがよく甘い。非常に美味である。意外に白ワインなどにも合う。
キマダラヒメダイの唐揚げキマダラヒメダイの唐揚げ 三枚に下ろして適当に切る。水分をよく拭き取る。これにコショウ、カレー粉、ガラムマサラなどで香りづけする。片栗粉をまぶして少し置き、また片栗粉をまぶしてじっくりと表面はかりっと香ばしく中は豊潤に揚げる。
キマダラヒメダイの洋風炊き込みご飯キマダラヒメダイの洋風炊き込みご飯 三枚に下ろして腹側を使う。適宜に切り、強い塩をしてコショウをまぶす。1時間以上寝かせて、油たっぷりのフライパンでにんにくと一緒にじっくりとソテーする。これを水洗いし水加減した米に加える。油は好みで還元する。炊き込みの釜にローリエ、セージ、タイム、ディルなどを加えて一緒に炊き込む。炊きあがって塩加減を見て塩を振る。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

参考文献 ▽

協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市)
『沖縄の漁具・漁法』(沖縄県漁業振興基金  編集沖縄県水産試験場)
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)


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