カスリハタ

カスリハタの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
体長1.2m前後になる。頭部の体高が低く吻がとがって見える。体側の斑紋はジャガイモ(Potato)形で大きい。英名の「Potato grouper」もこの斑紋形から来ているのだと思われる。
絣模様(かすりもよう)というよりは、英名「Potato grouper」、すなわちポテト(じゃがいも)の方がしっくりくる。
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科アカハタ属
外国名
Potato grouper
学名
Epinephelus tukula Morgans, 1959
漢字・学名由来

漢字/絣羽太 Kasurihata
由来・語源/体側の斑紋が絣模様のようであるから。

地方名・市場名
アラニバラ
参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県伊良部島 
アラ
場所鹿児島県鹿児島市 

概要

生息域

海水魚。沿岸の岩礁域やサンゴ礁域。
[三重県熊野市]、和歌山県みなべ町沖、高知県柏島でも発見されている。鹿児島県片浦、屋久島、種子島・トカラ列島、沖縄諸島。台湾、西沙諸島、インド-西太平洋。

生態

基本情報

熱帯域・亜熱帯域でとれるものだが比較的珍しいもののひとつ。
基本的に他のハタ科と同様に混同されて流通する。
高級魚のひとつ。

水産基本情報

市場での評価 主に沖縄県、鹿児島県で流通する。「あら(ハタ科)」なので高価である。
漁法 釣り
産地 沖縄県、鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。鰓が赤いもの。

味わい

旬は不明
鱗は皮に埋没しているのですき引きするほかはない。皮は厚みがあって強い。
透明感のある白身で煮込むと軟らかくなる。

料理の方向性
典型的なハタ類の白身。新しいと硬く、うま味がほとんど感じられない。基本的に生食は下ろして少し寝かせた方がうまいと思える。煮る、汁にすると非常に美味である。特に煮込むとうま味が液体に出て、液体ともども食べるとすこぶるつきにいい。揚げると硬く締まり鶏肉のようになる。焼いてもあまり味わいはない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

カスリハタの料理法・調理法・食べ方/煮る(煮つけ、煮合わせ)、汁(ちり、みそ汁、潮汁)、揚げる(唐揚げ)、生食(カルパッチョ、刺身)
カスリハタの兜煮(かぶとに) あら煮がうまいのはハタ科ならでは。特に兜の部分のうまさは出色のものだと思う。やや水分を多くしてできるだけ軟らかく仕上げるのがコツかも。頬などは締まって鶏肉のようだし、胸鰭の肉のうまさたるや文字にしがたい。

カスリハタのちり鍋 昆布だしにたっぷりの酒、塩で味つけして、短時間火を通してポン酢で食べる。野菜はお好みで使っていいと思うが、私好みはセリや三つ葉などを一種類だけがいい。
カスリハタのみーばい汁 沖縄では「みーばい(ハタ科)」をみそ汁にして味わう。これがめちゃくちゃにうまいのだが本種などその最たるもの。滋味に富み最上級の汁である。
カスリハタの唐揚げ 頭部や腹もの身の多い部分を唐揚げにしたもの。揚げることで硬く締まり鶏肉を思わせる。手づかみで食べたい味わいである。
カスリハタの刺身 刺身の味はやや淡泊な味わいながら甘味がありほんのりと甘い。比較的薄造りにして美味である。
カスリハタのカルパッチョ 淡泊でイヤミのない味だがもうひとつもの足りない味。それをオリーブオイルやニンニクでリカバリーしたもの。今回はバルサミコ酢を使ってみたが実にうまい。
カスリハタの塩焼き 切り身に塩・コショウして半日ほど寝かせる。表面に出た水分をよく拭き取り、再度コショウをする。これをじっくりと焼き上げて、皿に盛る。これにオリーブオイルとバルサミコ酢をかける。白ワインに合う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど