オオメナツトビ


30cm SL前後になる。胸鰭の前方から2軟条(1本目は痕跡的で指の感触でわかるのみ)までが不分枝で、透明に近い乳白色をしている。

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魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区棘鰭上目スメグマモルフ系トウゴロウイワシ亜系ダツ目トビウオ亜目トビウオ科ツクシトビウオ属
外国名
limpid-wing flyingfish
学名
Cheilopogon unicolor (Valenciennes,1847)
漢字・学名由来

漢字 大目夏飛、大目夏飛魚
由来・語源 目が大きく沖縄などで夏に取れるため。

Valenciennes
アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。
地方名・市場名
ヒラガヤチャー
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄本島 
ヒラガマチャー
場所沖縄県八重山 
トブー
備考トビウオ類の総称だと思われる。 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 
ボビュー
場所沖縄県宮古 

概要

生息域

海水魚。
伊豆諸島、小笠原諸島、沖ノ鳥島、屋久島、琉球列島。
太平洋の熱帯域。

生態

台湾など熱帯域にいるもので春から夏にかけて沖縄、鹿児島南部に回遊してくる。
夏に回遊してくるので「夏飛」なのである。

基本情報

鹿児島県南部でもとれるが、沖縄でとれるトビウオ類のなかではもっとも代表的なものだろう。
夏にまとまってとれ、産地内で消費されるのではないかと思っている。
全国的に流通する食用のトビウオは大型の〈ハマトビ〉、夏にかけて南から日本列島を北上する〈ホソトビウオ〉、〈ツクシトビウオ〉、やや後れて回遊してくる〈トビウオ〉の4種で、対するに本種は地域的な存在である。

水産基本情報

市場での評価 夏にまとまって入荷してくる。やや高値。
漁法
産地 沖縄県、鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

鰓が赤く目が澄んでいるもの。体液などが出ていないもの。触って張りのあるもの。

味わい

旬は春から夏。
鱗は薄く取りやすい。骨は軟らかい。
透明感のある白身で血合いが大きい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

オオメナツトビの料理法・調理法・食べ方/煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)、揚げる(唐揚げ)、生食(刺身)
オオメナツトビの煮つけ トビウオ類は比較的身が淡泊で脂分がほとんどない。これをしょうゆなどの調味料で補う。水洗いして鍋に入る大きさに切る。湯通しして冷水に落としてぬめりや残った鱗などを取る。これを酒・しょうゆ・少量の砂糖・水を合わせた地で煮る。


オオメナツトビの塩焼き 水洗いして二枚に下ろし、骨つきの方に振り塩をする。小一時間おき、皮目に焼き目がつくように焼き上げる。身は焼くと締まりすぎるが皮目の香りがとてもいい。
オオメナツトビの唐揚げ もっとも基本的な料理法だろう。水洗いして皮目から包丁目を入れて片栗粉(コーンスターチでも)をまぶして二度揚げする。表面は香ばしく、身は硬く締まって鶏肉のような食感になる。
オオメナツトビの刺身 沖縄から持ち帰ったのであまり鮮度はよくなかったために味見程度に食べてみた。ハマトビウオなどと味は変わらない。鮮度がよければおいしいと思う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど