ウミタナゴ

ウミタナゴの生物写真

25センチ前後になる。生鮮時体色が銀白色、普通背側が青っぽい。眼下の黒色斜帯は細い帯状である。背鰭棘条部の黒帯は縁辺を縁どる。臀鰭基底に黒線が存在しない等で特徴づけられる。背鰭棘条数がやや多い (10 または 11  対してマタナゴは普通 9 または 10 )。背鰭軟条数がやや多い (最頻値 20 対してマタナゴは最頻値 21)。

魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ウミタナゴ科ウミタナゴ属
外国名
英名/Temminck's surf perch
学名
Ditrema temmincki temmincki Bleeker,1853
漢字・由来
漢字 海鱮
由来・語源 海辺では単にタナゴという。淡水のタナゴとあえて区別するために海鱮としたもの。/『図説有用魚類千種 正』
地方名・市場名
一般にはタナゴ。
山形県酒田市由良漁港ではタナゴ。
またマタナゴとも。
ギンタナゴ、コモチダイ(子持ち鯛)、セマツタイ、セマツダイ、ネ、ベニツケ。

概要 ▽

生息域

海水魚。海藻のある浅い岩礁地帯。
津軽海峡〜福島県の太平洋沿岸、津軽海峡〜九州北西岸の日本海・東シナ海沿岸、愛媛県宇和海。
朝鮮半島南岸・東岸、鬱陵島、渤海、中国杭州沖。

生態

雄の腹鰭の前に交尾用の突起がある。
胎生で雌(めす)は秋に排卵、交尾、4月から5月にかけて出産される。
出産した仔魚はすでに5センチ前後から7センチもあり、すぐに泳ぐことができる。
1回の出産数は3から86匹。

基本情報

国内の浅場に普通に見かける小魚。
東北、日本海などで食用となっている。
また希に東京のスーパーなどにも並んでいる。
安い魚で、東北では生のまま「みそたたき」にしたり、焼く、煮るなどして酒の肴、総菜などにする。

水産基本情報

市場での評価 関東では比較的近くの漁場(千葉県、神奈川県など)から来る。値段は安い。
漁法 定置網
主な産地

選び方・食べ方・その他 ▽

選び方

触って硬いもの。鰓が赤いもの。

味わい

旬は秋から冬。
白身で焼く、煮るなどするとボロボロする。
刺身にして色合いが悪く、旨みが薄い。

栄養

寄生虫

食べ方・料理法・作り方

調理法 みそたたき(なめろう)、塩焼き、唐揚げ、煮つけ、刺身
よほど鮮度がよければ刺身にもなるが、やや物足りない。
東北地方太平洋側などでは三枚に下ろして、腹骨などを取り、とんとんと細かくみそ、ネギなどとたたく。
これを「みそたたき(味噌叩き)」というがとてもうまい。
ウミタナゴの旨みや食感の悪さを、みそがおぎなってあまりある。
また塩焼きにして美味。
煮つけ、唐揚げなどにしてもいい。




好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

東京湾、相模湾で「たなご釣り」といえば本種がねらい。淡水の超小物釣りを指すわけではないからご注意を! この冬から早春にかけてのウミタナゴ釣りは相模湾、東京湾などでの風物詩だ。防波堤などで手軽に釣れるために人気がある。

歴史・ことわざなど

■ 東北地方では産婦の食料として珍重する。/『図説有用魚類千種 正』
■ 島根県では逆子を持った魚であるために妊婦には食べさせない。『図説有用魚類千種 正』

参考文献 ▽

『図説有用魚類千種 正』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
『東アジア産ウミタナゴ属魚類の分類学的再検討』(片渕弘志・中坊徹次)を引用、参考にしました


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