アカニシ

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10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[15cm SL・574g]
10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[ツノアカニシタイプ]
10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。
10cm SL を超える。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。
10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。
10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[ツノアカニシタイプ]
10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[ツノアカニシタイプ]
10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[貝殻が白いもの]
10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。
珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
動物門軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新生腹足上目新腹足目アッキガイ上科アッキガイ科チリメンボラ亜科チリメンボラ属
外国名
英名/Top shell, Rock-shell, Rapa whelk
学名
Rapana venosa (Valenciennes,1846)
漢字・学名由来

漢字/紅螺 Akanisi
由来・語源/〈紅螺ハ、アキ(和名ゝ鈔)、俗名ニシ又アカニシト呼〉『本草綱目啓蒙』(小野蘭山 東洋文庫 平凡社 文政12 1829)
貝殻の内部が赤いため。有明海などにはツノの発達したものがいて、ツノアカニシとされる。

地方名・市場名

概要

生息域

海水生。砂泥地の浅海に棲息する。
北海道南部から九州。
台湾、朝鮮半島沿岸、中国沿岸の。
黒海、紅海、アメリカなどに移入。

生態

肉食性でアサリなどを食べる。

基本情報

国内の内湾の干潟などに普通に見られる大型の巻き貝。江戸時代以前古代から食用貝として重要なもので、東京湾周辺でも盛んに食べられていた。ただ、今では産地での評価はそれなりにあるが、消費地であまり馴染みのない貝である。
肉食の貝であり、今、関東の漁業では漁の対象としてよりもカキやアサリの天敵として名を馳せている。潮干狩りなどでもときにとれることがあり、大きいので子供などには人気がある。また、近年では移入地である黒海(トルコ、ブルガリア)などから非常に安く輸入され、缶詰、ボイル、串、また煮貝など多様な加工品が見られる。これらはスーパーなどでも見かける機会も多く、アカニシの流通の主流となっている。
国産の活け(殻つき)もあるがこちらはあまり消費地などでは見かけない。
珍魚度 国内の干潟や浅い海域に普通にいる巻き貝だが、近年めったに流通することはない。干潟や浅い内湾などでの漁が行われている地域で探すしかない。

水産基本情報

市場での評価 入荷量はあまり多くない。値段は外見の良さからすると安い。
漁法 底曳き網
産地 山口県、愛知県

選び方・食べ方・その他

選び方

原則的に生きているもの。貝から粘液などが出ていないもの。触って反応のあるもの。

味わい

旬は春。
貝殻は非常に硬く割りにくい。軟体は大きい。
足は煮ても硬くならず、生でも食べられる。消化器周辺は食べられないがわたは美味。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

アカニシの料理法・調理法・食べ方/煮る(塩ゆで、醤油煮)、生食(刺身)、ソテー(バター焼き)
アカニシの塩ゆで こぶし大の大きさを塩水で煮た。泥などがついているので流水でていねいに洗う。水に塩を加えアカニシを入れて火をつける。温めるときも含めて10分ゆでてそのまま冷ます。身を取り出してワタと足の間の消化器の部分をていねいに取り、ゆで汁で洗う。適当に切る。
身に貝らしい風味と甘味がある。穏やかな味わいで食べ飽きない味だと思う。わたも美味。
煮アカニシ 小振りのものをザルなどに入れてざくざくとていねいに洗う。これを酒・みりん・砂糖・塩・水で煮る。泥をかんでいることがあるので、煮汁で洗いながら食べる。また軽くゆでて身を取り出し、泥や砂を洗い流し、醤油味で煮てもいい。味つけは好みで。
アカニシの刺身 貝殻に穴をあけて取り出す。内臓を捨てて、足の部分を少し開く。唾液腺などをとり、まずは揉む。ある程度粘液が出て来たら塩を加えて揉み、水洗いする。水分をよくきり、刺身状に切る。貝らしい風味には欠けるが、食感がよく、嫌みのない味わいだ。
アカニシのバター焼き ゆでたものでも、生でもどちらでもいい。適当に切り、塩コショウしてバターでさっと炒める。あまり火を通しすぎると硬くなる。あまりうま味の豊かではないところをバタが補い、柔らかく食べやすい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

総菜 和え物、煮ものなど多彩な加工品が作られている。安くても大振りの貝の切り身が入っているので人気。
トップシャル味つけ缶詰 焼いたときの風味をつけたものなどは「つぼ焼き」などとも。黒海に移入して繁殖したものをブルガリア、トルコから輸入。それを原材料として作られたもの。味はとてもよい。
トップシャル刺身(赤にし刺身) ブルガリアから輸入したトップシェルをゆでて刺身状に切ったもの。
にし貝の塩ゆで(ゆでにし) 東京湾周辺(千葉県富津市・木更津市)、有明海周辺(福岡県柳川市・佐賀県鹿島市)、三河湾、瀬戸内海、豊前地方など国内の干潟のある地域では普通。スーパーなどで手に入るもの。適当に切り酢みそなどで食べる。
にし貝の串 トルコ、ブルガリアなどから輸入したアカニシ(「トップシェル」と表記)をゆでて、串に刺したもの。どちらかというと業務用である。

釣り情報

歴史・ことわざなど

長刀酸漿 卵囊(らんのう)をナギナタホウズキといい、玩具になる。口に入れて鳴らして遊ぶ。
福岡県大牟田市 「あかにし」のこの地方での呼び名は今も昔も「けっぷ」もしくは「けっぽ」です。子供の握りこぶしほどの大きさまでは沖合いの石などにつきますが大型になると砂にもぐり干潮時に見つけるには少々の要領が必要です。五月ごろに卵を産み、親はそばで卵を守ります、貝ののどこに目があるのか不思議なことです。卵は黄色で「うみほうずき」といい、昔は女の子が口にくわえ舌と上あごにはさんでぴいぴいいわせていたと思うのですがうろ覚えです。あかにしは「さざえ」に似ていますが「つの」がなく食性はさざえが海藻なのにあかにしは肉食で「アサリ」などを食べます。なまが最高でボイルしますと味は格段に下がります、なまの貝類は刺身にする前にまな板にたたきつけます、死んでいるはずの貝の身が縮み上がるように動くのが不思議でぎゅっと身がしまります、お試しあれ。[福岡県大牟田市の森田さんから]
赤螺屋吝兵衛 けちな人のこと。江戸時代からの古典落語「片棒」の登場人物にケチの代表選手とも言えそうな赤螺屋吝兵衛がある。この赤螺屋吝兵衛から来ている。
赤西蠣太 志賀直哉の小説。仙台騒動に題材をとった小説で、主人公そのたが海産物の名であるなど、コメディ。
サザエの代用品 千葉県船橋などの産地では戦後から十年ほどは鎌倉に盛んに出荷していたそうだ。これを鎌倉、江ノ島でサザエの貝殻に細かく切って入れ、「サザエの壺焼き」として売っていたという。これは船橋の貝を扱う業者「源七」社長吉種さんの話で、実際に江ノ島で壺焼きを食べたらアカニシであったという。(もちろん今の話ではない)
アカニシの串 また同じく吉種さんによると昔、船橋競馬場、船橋オートで「アカニシは適当に切って串を刺して、焼き、焼き鳥のタレをつけて売っていた」という。今でもこれが売られているのか、また他の競馬場などで売られていたのか? などは知りたいところである。

地方名・市場名

トッポ
場所有明海周辺 
ニシ[螺]
備考単にニシ(螺)と呼ぶ地域が多い。 場所千葉県内房船橋、大阪府泉佐野、広島県倉橋島ほか 
ニシガイ
場所岡山県備前市日生 
コーゲ マルゲ
場所福岡県柳川 
ケップ ケッポ
場所福岡県柳川市中島、大牟田市 
ヒメニシ[姫螺]
場所熊本県上天草市大矢町 
ビナ
場所熊本県熊本市 
トップシェル
備考輸入されたものは「トップシェル」。