リュウキュウヨロイアジ

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SL 15cm前後になる。ヨロイアジよりも少し小型。側面から見ると正円に近い。背鰭・尻鰭の軟条は伸びる。目の前の軟骨状のコブはふくらみ、吻との間のくぼみも顕著。背鰭・尻鰭軟条部分と尾鰭は黄色みを帯びる特に尾鰭の形は鈍く、黄色い。第1鰓弓の下枝鰓耙数は14-17
目の前の軟骨状のコブはふくらみ、吻との間のくぼみも顕著。
背鰭・尻鰭軟条部分と尾鰭は黄色みを帯びる特に尾鰭の形は鈍く、黄色い。
第1鰓弓の下枝鰓耙数は14-17
秋に本州で水揚げされる幼魚。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科クボアジ属
外国名
海蘭德若鰺、Bumpnose trevally
学名
Carangoides hedlandensis (Whitley, 1934)
漢字・学名由来

漢字 琉球鎧鰺 Ryukyuyoroiaji
由来・語源 ヨロイアジは田中茂穂の命名。鎧を思わせるなにかがあったのかも。
また田中茂穂のヨロイアジ図はリュウキュウヨロイアジである。松原喜代松は、リュウキュウヨロイアジを「琉球から台湾及び印度洋」とし、ヨロイアジを「駿河湾千本西沖から印度洋」としている。

Whitley
Gilbert Percy Whitley(1903-1975 オーストラリアの魚類学者 Australian ichthyologist)。南半球オーストラリア周辺だけではなく、国内にも生息する多くの魚を記載。
地方名・市場名
カガミエバ
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島 
エバ
場所徳島県阿南市椿泊『椿泊漁業協同組合』 
マルエバ
場所鹿児島県南さつま市笠沙 

概要

生息域

海水魚。内湾など沿岸の浅い海の下層。
相模湾〜九州南岸の太平洋沿岸、[徳島県鳴門市北灘]、山口県日本海側、熊本県天草諸島、鹿児島県南さつま市笠沙、沖縄島。
インド〜西太平洋。

生態

基本情報

太平洋沿岸の暖かい海域などの定置網などに混ざる。
まとまって取れないので商品価値は低い。
また雑魚として捨てられることもある。

水産基本情報

市場での評価 まとまって入荷しない。値がつかない。
漁法 定置網
産地 徳島県、鹿児島県、神奈川県、静岡県

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの。銀色に輝いているもの。目が澄んでいるもの。

味わい

旬は関東では秋から冬
小振りだが歩留まりがよく捨てるところが少ない。
鱗は細かく取りやすい。皮は薄いが強い。骨は柔らかい。
透明感のある白身で血合いはキレイ。熱を通しても硬く締まらない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

リュウキュウヨロイアジのレシピ/生食(刺身)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、揚げる(フライ)、ソテー(バター焼き)


リュウキュウヨロイアジの刺身 適度に締まった身質で食感がよく、アジ科ならではの豊かなうま味がある。鮮度がよいときはやや薄めに造るといい。血合いは弱く酸味は少ない。11月の個体は脂ものっていて甘味があった。アジ科のなかでも最上級の味だと思う。

リュウキュウヨロイアジの塩焼き 小振りなので丸のまま焼き上げることができる。水洗いして水分をよく拭き取り塩をする。振り塩をして少し寝かせて、じっくりと焼き上げる。皮目にアジ科ならではの香りが感じられ、うま味が豊か。適度に繊維質で身離れがいい。
リュウキュウヨロイアジの煮つけ 水洗いして一度湯通しする。冷水に落としてぬめりや残った鱗などを流す。これを酒、砂糖、しょうゆ、水で煮上げる。酒・塩、酒・みりん・しょうゆで煮てもおいしい。
リュウキュウヨロイアジのフライ 3枚に下ろして皮を引いても、そのままでもいい。塩コショウして、小麦粉をまぶし、パン粉をつけて揚げる。身が薄いので短時間で揚がる。表面の香ばしさに、身は適度に豊潤でうま味がある。
リュウキュウヨロイアジのバター焼き 沖縄の郷土料理、バター焼きにする。水洗いして丸のまま塩コショウ、パンに多めの油を入れてじっくりとこんがりとソテーする。余分な油を捨てて、バターを加える。仕上げにしょうゆを落とすとご飯にも合う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

■古くはカイワリ属。学名を、Caranx ciliaris (Rüppell, 1830)とされていた。『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)