モンツキアカヒメジ


SL 40cm前後になる。細長く下あごにひげがある。体側にオレンジ色の帯があり、背鰭下に褐色の斑紋(死ぬとはっきりしない)がある。

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ヒメジ科アカヒメジ属
外国名
Yellowstripe goatfish
学名
Mulloidichthys flavolineatus (Lacepède, 1801)
漢字・学名由来

漢字 紋付赤比売知
由来・語源 体側の背鰭下に褐色の紋付きに似た斑紋があるため。

Lacepède
Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。
地方名・市場名
スサガタカス
備考スサ・ガタカス。 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県伊良部島 
ビンユー ビールカー
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 

概要

生息域

海水魚。水深35メートルより浅い珊瑚礁の砂礫地。
伊豆諸島、小笠原諸島、神奈川県三浦半島、静岡県大瀬崎、和歌山県串本、高知県柏島、屋久島、琉球列島。
台湾南部、インド-太平洋(イースター島をのぞく)。

生態

基本情報

主に屋久島以南、伊豆諸島以南でとれる。食用としているのは主に琉球列島だと思われる。小型魚なので商品価値は低いと思われる。

水産基本情報

市場での評価/小魚のたぐいで流通量はそれなりに多い。あまり高値はつかない。
漁法/定置網
産地/沖縄県

選び方・食べ方・その他

選び方

身に張りがあり、色合いが鮮やかで退色していないもの。

味わい

旬は不明。
鱗は細かく薄く取りやすい。皮はやや厚みがあり強い。骨はあまり硬くない。
血合いの強い透明感のある白身。熱を通すとやや締まる。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

モンツキアカヒメジの料理法・調理法・食べ方/揚げる(フライ)、ソテー(バター焼き)、煮る(煮つけ)、生食(皮霜造り)、焼く(塩焼き)


モンツキアカヒメジのフライ 上質な白身で熱を通しても硬く締まらない。皮に独特の風味がある。皮付きで揚げるとヒメジらしい味になるが、これは好みの問題かも。三枚に下ろして塩コショウして小麦粉をまぶし、衣(卵・小麦粉・少量の油・水)をからめ、パン粉をつけて短時間でさくっと揚げる。
モンツキアカヒメジのバター焼き 切り身にして塩コショウする。これを多めの油で表面がこんがりする程度にソテー。仕上げにマーガリン(バター)で風味づけする。ソテーしても硬く締まらず、皮目の独特の風味がいい。とても美味である。
モンツキアカヒメジのあら煮(煮つけ) あらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・しょうゆ・水で煮つける。砂糖・みりんなどで甘味をつけてもいい。煮ても硬く締まらず身離れがいい。皮目に独特の風味がありとてもおいしい。
モンツキアカヒメジの皮霜造り 三枚に下ろして皮を引き、普通に刺身にしてもそれなりに味わい深い。ただ皮目の風味には捨てがたい魅力がある。皮目に湯をかけ、氷水に落として水分をよくきる。刺身状に切ったもの。
モンツキアカヒメジの塩焼き 切り身に振り塩をして1時間以上置く。これをじっくりと焼き上げる。皮目からとてもいい香りが上がる。身は硬く締まるが味がある。

好んで食べる地域・名物料理

骨切り(骨切り) 沖縄県石垣市白保にて。池間系(池間島・伊良部島・多良間島など)というウミンチュの間であるかも。水洗いして丸ごと薄く切る(背ごし)。これを酢(石垣島ではマルコメ酢)につけて骨を柔らかくして食べる。

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど