ナンヨウブダイ

ナンヨウブダイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
SL 70cm前後になる。細長く頭部から尾にかけて徐々に細くなる。目が小さい。幼魚期から若魚期、大型でも雌の時期で退色形態が変わる。頭部は大きくなり雄に性転換するとともに出てくる。
SL 70cm前後になる。細長く頭部から尾にかけて徐々に細くなる。目が小さい。幼魚期から若魚期、大型でも雌の時期で退色形態が変わる。頭部は大きくなり雄に性転換するとともに出てくる。
SL 70cm前後になる。細長く頭部から尾にかけて徐々に細くなる。目が小さい。幼魚期から若魚期、大型でも雌の時期で退色形態が変わる。頭部は大きくなり雄に性転換するとともに出てくる。
SL 70cm前後になる。細長く頭部から尾にかけて徐々に細くなる。目が小さい。幼魚期から若魚期、大型でも雌の時期で退色形態が変わる。頭部は大きくなり雄に性転換するとともに出てくる。[33cm SL 黄色みの強い個体]
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ブダイ科ハゲブダイ属
外国名
Steephead parrots 台湾/小鼻綠鸚哥魚
学名
Chlorurus microrhinos (Bleeker, 1854)
漢字・学名由来

漢字 南洋部鯛 Nanyoubudai
由来・語源 ブダイの仲間で南洋(熱帯)に多い。『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)に初出?

Bleeker
Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。サンゴ礁。
小笠原諸島、北硫黄島、口永良部島、屋久島、琉球列島、南大東島。
幼魚/八丈島、静岡県、和歌山県、高知県柏島。
福建省、西沙諸島、南沙諸島、西-中央太平洋。

生態

サンゴなどについた藻を食べている。
昼行性で、夜になると口から粘液を吐き出し、袋状にしてその中で眠る。

基本情報

琉球列島では重要な食用魚で、非常に味がいい。ブダイ類の中でも群を抜いた存在といえるだろう。
サンゴ礁域にいる大型のブダイで、沖縄県では高級魚として名高い。単にイラブチャー(ブダイの総称)というと真っ先に本種が上がる。

水産基本情報

市場での評価 沖縄県などでは重要な食用魚。やや高値。
漁法 追い込み漁、銛漁
産地 沖縄県、鹿児島県、東京都

選び方・食べ方・その他

選び方

色の濃いものでコバルトブルーが鮮やかなもの、鰓が赤いもの。

味わい

旬は不明。漁からすると夏。
鱗は軟らかく取りやすい。皮は厚く丈夫。骨はやや硬く、小骨がない。
透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。
アラなどから非常にいいだしが出る。
サンゴ礁域の魚の内臓はイシガキダイ科など一部を除いて食用としない方がいい

皮側から 鱗を取っても皮は青く、鮮度がいいと鮮やか。この皮にうま味がある。
身側から 身色はやや赤みがかり、鮮度がいいと透明感がある。刺身にしたときの歩留まりもいい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ナンヨウブダイの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、皮霜造り)、揚げる(天ぷら、唐揚げ)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、ソテー(バター焼き)、焼く(塩焼き)
ナンヨウブダイの刺身(皮霜造り) 沖縄ではサンゴ礁の魚を皮付きのまま刺身にする。3枚に下ろして血合い骨を抜くか、切り取る。皮目に熱湯をかけて氷水に落として水分をきる。これを刺身状に切る。ナンヨウブダイは皮目にうま味がある。見た目にもきれいでとてもおいしい。

ナンヨウブダイの天ぷら イラブチャー(ブダイ類)の定番料理のひとつが天ぷらである。唐揚げにしてもいい。3枚に下ろして適当に切る。小麦粉をまぶして塩、少量の砂糖(入れなくてもいい)で味つけした衣をつけて揚げる。熱々でも冷めてもおいしい。
ナンヨウブダイの煮つけ 沖縄では大型のイラブチャー(ブダイ類)の煮つけはごちそうだと思う。鍋に入れることを考えて、頭部だけを梨子割りにする。これを湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。これをしょうゆと酒の味で煮る。砂糖、みりんなどで甘味をつけてもいい。また酒の代わりに泡盛を使うと別種の味わいになる。臭い消しはしょうがでもヒバーツを使ってもいい。お好みで。
ナンヨウブダイのみそ汁(魚汁) 頭部や中骨などを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを水から煮出してみそを溶く。あまり煮すぎると煮崩れるので要注意。イヤミのない汁になり、とてもうまい。
ナンヨウブダイのバター焼き 切り身に塩コショウする。これを多めの油でじっくりとソテーする。出来上がりにマーガリン(バター)で香りづけする。皮目はぱりっと香ばしいが身(筋肉)は身崩れしやすい。慎重にソテーすると非常に美味。しょうゆをたらすとご飯にも合う。
ナンヨウブダイの塩焼き 切り身にして塩を振る。1時間ほど寝かせて焼き上げたもの。液体で煮ると硬く締まらないが、焼くと硬く締まってしまう。皮目に香りがあるものの、身(筋肉)は淡泊過ぎてもの足りないかも。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

オデコ
参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004)  場所東京都小笠原 
アウバツゥ ビキ・バツゥ
参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 場所沖縄県伊良部島 
アウハツー
場所沖縄宮古 
オーバチャー
場所沖縄石垣島・沖縄県南城市知念漁協 
ガナー
場所沖縄県南城市知念漁協 
ゲンナー ゲンナーイラブチャー
備考「玄翁(げんのう かなづち、トンカチなど)で頭をたたかれたように頭部が腫れている(盛り上がっている)ため。 場所沖縄石垣島・沖縄県那覇市泊漁港 
ゲンノウ ゲンノー ゲンノーイラブチャー ゲンノウイラブチャー
場所沖縄本島