キビレフエダイ


体長60cm、重さ5.6kg。上顎歯下顎よりも前に突出し上唇は膨らみが強い。背鰭に鱗がなく、鯛型で尾鰭が大きく全体に黄色がかっている。協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市)

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科キビレフエダイ属
外国名
Tang's snapper 葉唇笛鯛、厚唇仔、紅魚(澎湖諸島)
学名
Lipocheilus carnolabrum (Chan, 1970)
漢字・学名由来

漢字 黄鰭笛鯛 Kibirefuedai
由来・語源/全体の姿からだと思う。タイプ標本は南シナ海。

地方名・市場名
ヤマモチマゲ
場所鹿児島県 

概要

生息域

海水魚。主に水深100m前後。
鹿児島県屋久島・種子島・与論島、琉球列島。
東シナ海中部、台湾南部、東沙諸島、インド-西太平洋。

生態

基本情報

主に熱帯西太平洋・インド洋に生息するやや大型のフエダイの仲間。今のところ国内では鹿児島県島嶼部、沖縄県からしか水揚げされていない。国内では非常に珍しい魚だ。
種名を知り流通させている可能性はまずない。
非常に味のいい魚で、大型のフエダイと同等の評価だと考えられる。

水産基本情報

市場での評価 関東に入荷したことはない
漁法 釣り
産地 鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

体の黄金色が鮮やかで濃い。触って張りがあり目が澄んでいるもの。

味わい

旬は不明。
1尾のみの評価。
鱗は大きく硬く取りにくい。皮は厚く強い。骨はやや硬い。
血合いの赤みの強い白身で熱を通しても硬くならない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

キビレフエダイの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、皮霜造り)、汁(みそ汁)、煮る(煮つけ)、揚げる(フライ)、ソテー(ムニエル)
キビレフエダイの刺身 1尾だけしか食べていないので、血合いの濃さが種の特徴なのかは不明。血合いが濃く、身は比較的柔らかく透明感に乏しかった。三枚に下ろして背の部分を刺身にしたもの。味は非常によく、刺身としては上の部類である。

キビレフエダイの皮霜造り 三枚に下ろして腹の部分を皮付きのまま湯をかける。冷水に落として粗熱をとり水分をきる。これを刺身状に切る。湯をかけるだけでは皮が少し硬い。まず最初に刺身状に切り、湯引きするか、焼霜造りにした方がよかったかも。皮周辺の味わいは美味。
キビレフエダイのみそ汁 あらなどを集めて置く。湯通しして冷水に落としてぬめりや残った鱗を流す。水分をよく切り、水から煮出してみそを溶く。実に滋味豊かな汁になる。うま味濃厚でいながら、後味がいい。身離れもよく、身に甘みがあるのも魅力的。ご飯に合う。
キビレフエダイの煮つけ あらなどは液体を使った料理法が合う。ここではかまを適当に切り、湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・醤油・水で煮る。砂糖、みりんで甘味をつけてもいい。煮るとほどよく締まり、身が繊維質にほぐれ甘みがある。
キビレフエダイのフライ 三枚に下ろして、腹骨・血合い骨を抜き皮を引く。塩コショウして小麦粉をまぶして衣(卵・小麦粉・水を合わせたもの)をからめる。小麦粉をつけて揚げる。パン粉の香ばしさのなかにみずみずしく、ほどよく繊維質な身に味がある。
キビレフエダイのムニエル 三枚に下ろして、尾に近い方を適当な大きさに切る。塩コショウして小麦粉をまぶして多めの油でじっくり香ばしくソテーする。仕上がりにマーガリン(バター)で風味づけする。食感はチキンソテーに似て、魚らしいうま味がある。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど