キスジヒメジ


17cm SL 前後になる。尾鰭の上葉に暗色の帯がある。体側に黄金色の帯が走る。

珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ヒメジ科ヒメジ属
外国名
Goldband goatfish
学名
Upeneus moluccensis (Bleeker,1855)
漢字・学名由来

漢字 黄筋比売知 Kisujihimeji
由来・語源 ヒメジ属で黄色い一般の筋があるため。
〈1973年12月。沖縄本島名護湾から採取された標本の記載を行い、キスジヒメジの和名を提唱する〉『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975/11/25)

Bleeker
Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。
地方名・市場名
カタカシ
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 

概要

生息域

海水魚。水深10-80mの内湾の砂泥地。
三重県尾鷲、土佐湾、宮崎県日南市、鹿児島県笠沙、内之浦湾、琉球列島。
済州島、台湾南部、浙江省、広東省、海南島、トンキン湾、インド-西太平洋。

生態

5月くらいのメスは抱卵している。

基本情報

主に九州南部〜沖縄県にかけてみれれる魚。小型で値段はつかないものの味はいい。
珍魚度 九州北部・四国以北では珍魚である。琉球列島でも探さないと手に入らない。

水産基本情報

市場での評価 関東の市場では見ていない。産地でもまとまってとれないので安い。
漁法 定置網
産地 宮崎県、鹿児島県、沖縄県

選び方・食べ方・その他

選び方

体色が鮮やかなもの。触って張りのあるもの。

味わい

旬は春から初夏だと思われる。
鱗は非常に薄く取りやすい。皮は薄く非常に熱に弱く、独特の風味がある。骨は中骨のみ硬い。
透明感のある白身で血合いは少し強い。熱を通しても強く縮まない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

キスジヒメジの料理・レシピ・食べ方/生食(焼霜造り、皮霜造)、焼く(塩焼き)、揚げる(フライ)、煮る(煮つけ)
キスジヒメジの焼霜造り 皮が薄く、独特の好ましい風味があるので皮霜造り、焼霜造りが向いている。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、水分をよくきる。これをバーナーであぶり、氷水に落とす。水分をよく拭き取り刺身状に切る。皮目にほどよい甘味と香りがあり、身の甘さとあいまってとてもおいしい。

キスジヒメジの塩焼き 焼くと適度に身が締まる。この締まった身に甘味がある。皮にある風味も増すなど焼いて美味しい条件が総て揃っている。水洗いして焼きにくいので頭部は落とす。大型が焼けるなら落とさなくていい。振り塩をして1時間程度寝かせてじっくりと焼き上げる。
キスジヒメジのフライ 水洗いして三枚に下ろして血合い骨・腹骨をとる。皮をつけたままで水分をよく拭き取り、塩コショウ、小麦粉をまぶし、衣(小麦粉・卵・水・少量の油。溶き卵でもいい)をからめ、パン粉をつけて高温で揚げる。さくっとした中に皮の風味、身の甘さが感じられておいしい。
キスジヒメジの煮つけ 上質の白身で煮ると適度にしまり、身離れがいい。身に甘みがあり、実に美味しい。水洗いして鍋に入る大きさに切る。量を大鍋で煮るなら丸のままでもいい。湯通しして冷水に落としてぬめり、残った鱗を流す。これを酒・みりん・醤油・水で煮る。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど