このページは旧ページです。新ページをご利用下さい。
市場魚貝類図鑑では現在新ページへの移行を行っております。
既に一部のページを除き、新ページの方が内容が充実しております。新ページも合わせてご利用下さい。
新ページ「ヒジキ」はこちら >>
褐藻類コンブ目ホンダワラ科 ヒジキ/鹿尾菜 Hizikia fusiformis
海藻の目次へ

魚貝類の物知り度
★これを知っていたら学者 ★★これを知っていたら達人 ★★★これを知っていたら通 ★★★★これは常識 ★★★★★これ知ってなきゃハジ
●本サイトの無断転載、使用を禁止する
物知り度/★★★
■加工品、乾物でお馴染み。ただし海藻としてのヒジキは馴染みがない
●漢字「鹿尾菜」
炒め煮/まぜご飯
 北海道日高以南の大平洋沿岸。
 千葉県房総半島、神奈川県三浦半島はよく行くのであるが春には港のあちらこちらでヒジキを干している情景を見かける。春にこの新ヒジキを買うのがなんとも楽しい。「ナマコを初めて食べた人は凄い」なんてまことしやかに言うのを聞くと「この人、バカではないかと思う」。姿形で食べるか食べないかを決めるなどというのは飽食に陥った今だから言えること。昭和の30年代の始めですら、「食べられる、食べられない」というのは日常会話では頻繁に使われていた。
 ナマコはそのままかじっても食べられるが、ヒジキはそうではない。渋い、しかもそのままでは、お腹をこわすこと間違いなし。毒である無機型のヒ素が含まれている。これを真水で茹でこぼし、ゴザに広げて干してやっと食べられる。ヒジキが食物となるには手間が掛かるのである。
メモ/千葉県は内房鋸南町の保田漁港で面白い話を聞いた。ヒジキというのは春が盛り、春にとるものと思い込んでいた。それが保田漁港では春はまずいので自家用は初冬に取るのであると言う。「春のヒジキなど喰えない」といいって首をふってイヤイヤする老人が通りかかる。これが2002年12月はじめの事である。うまいヒジキは年内、柔らかい、アクのないものをとり、すぐに煮て干すのだからうまい。春は硬くて味がないっということでもあるようだ。「それでこのヒジキ分けてくれないか」といって1キロほど持ち帰った。春には長けた旨味があるように思えるが、この暮れのヒジキのうまいこと。実に見事なヒジキであった。
■残念ながら目新しいことは言えぬ。油揚げとヒジキで油を使った炒め煮がいちばんうまい。また軽く煮て、これをご飯に混ぜ込んでもいい。大豆や竹輪、ヒジキが包括するおかずの世界は広い。また磯でとったままのものは茹でるなどするよりも単に天ぷらにする。これがいちばん無難な食べ方だ。ヒジキはやはり加工したものの方がうまい。
●上は三浦半島
下は千葉県鋸南町保田漁港
千葉県鋸南町、初冬にヒジキを干している。この初冬のヒジキ、決して売り物ではないと言う



関連コンテンツ

サイト内検索

目次

ぼうずコンニャク本

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場
すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ ~プロもビックリ!!~
すし図鑑が文庫本サイズになりました。Kindle版も。
全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャク新境地!? グルメエッセイ也。
からだにおいしい魚の便利帳
発行部数20万部突破のベストセラー。
イラスト図解 寿司ネタ1年生
イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。