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顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系
スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科スジアラ属

スジアラ(sujiara)

魚貝の物知り度

★★★★ 知っていたら通人級

学名 Plectropomus leoparadus(Lacepede,1802)
外国名 英名/Red-spotted rockcod, Blue spotted grouper
同科同属 他のハタ科の魚へはここから!
漢字・由来 漢字/筋「魚へんに荒」
由来・語源/不明
代表的な呼び名
地方名・市場名

九州、鹿児島県などでアラ、ハージン(漢字で赤仁)、アカズミ、アカジョウ、バラハタ。
沖縄本島ではアカジンミーバイ。ミーバイはハタ類全般をいい、アカは赤、ジンは金属、お金のことで「銅(あかがね)」のような色合いのハタという意味。
沖縄ではアカジン(漢字で赤仁)、アカジンミーバイ。
沖縄宮古ではアカディン、アカディンミバラ。
沖縄名は「赤くてお金(じん)になる」という意味合い。
別名、スジハタ(筋羽太)、ニセスジハタ。
アカジンミーバイ、ホンアカジンミーバイとして沖縄では超高級魚。
他にはチンスアカジン、マーアカジン。

形態 体長1メートル前後になる。全体に赤く、赤褐色の小さな斑文が無数にある。
生息域 海水魚。南日本からオーストラリア、西部太平洋まで棲息。
珊瑚礁外縁。
生態
基本情報

沖縄、西南諸島、鹿児島、をはじめ、長崎などであがる。
大型のハタで沖縄三大高級魚のひとつとして有名。
高価に取引されている。
水揚げ量が少なく、九州、沖縄などで養殖が始まっている。
産地では汁、刺身、ゆびきなど料理法も多彩。
養殖、増殖がすすむと沖縄などでは名物として人気が出そうだ。

水産基本情報 水産物としての重要度/★★ 地域的な水産物
市場での評価/関東にも鹿児島県、長崎県などから少ないながら入荷してくる。高級魚。
漁法/釣り
主な産地/沖縄県、長崎県など
ノート
選び方 赤味の強いもの。身に張りがあり、目が澄んでいるもの。鰓が鮮紅色のものがいい。
味わい・栄養 ★★★★★ 究極の美味
秋から初夏。年間を通して味がいい。



鱗は小さくて、取りにくい。大型のものはすき引きする。
皮は厚く、熱を通すと一部がゼラチン質にブルンとして透明。
白身で新しいと透明感が強く、時間がたつと乳白色になるが、透明感は長続きする。
新しいものは熱を通すと強く締まる。数日おいた方がほどよく収縮し、ほどよく繊維質で身離れもいい。
皮、アラ、骨、筋肉などからうま味の強いだし、脂が出る。
切り身、下ろした状態の図鑑
寄生虫
すしネタ 白身ネタ。少し寝かせてすしダネとする。
生、焼霜。
すしネタとしては寿司図鑑へ!
調理法 汁(みそ汁、鍋、潮汁)、まーす煮、刺身、ソテー(ポアレ、ムニエル)、ゆびき、清蒸(チンジョン)、焼く(幽庵焼き、みそ漬け、塩焼き)、揚げる(唐揚げ)
食べ方

汁◆液体を使って、うま味を引き出すというのがいい。沖縄料理の魚汁は、要するに鰹節を使わない、魚のうま味だけで作るみそ汁だが、さすが産地だけあり、最上級の味。寒い時期の鍋材料としても優れているが、おすすめは昆布だしで作る、ちり。あらで潮汁を作ってもうまい。



まーす煮◆少量の塩水を使い強火で蒸し煮する沖縄の料理。身はふっくらと絹のようになめらかになり、皮はゼラチン質に。口に含むとゼラチン質が甘く、ねっとりとしている。



刺身◆鋭角的な味ではなくおおらかな味わい。じっくり味わえば味わうほど、うまく感じる味。新しいとやや硬い。
ソテー◆皮はねっとりとしてソテーした面は香ばしくかりっとあがる。身の方はなめらかに、甘みがあり非常に美味。身からじわりとうま味がしみ出してくるのに快感を感じるはず。ムニエルにしてもいい。
ゆびき◆九州などで作られている、皮付きのゆびきはハタ類に相性のいい料理。酢みそや梅肉酢が合う。
清蒸(ちんじょん)◆強火で蒸し、魚醤、醤油、酒などを合わせたタレをかけ回し、ネギなどをのせて、熱したピーナッツ油をかける。ネギなど香りに、皮のゼラチン質の甘み、しみ出したエキスにタレの味が加わり、濃厚で強い味になる。
焼く◆塩焼きなどよりも漬け魚の方が向いているように思う。幽庵焼き、西京漬けは見事な味。皮がむっちりして、身に香りがある。
揚げる◆唐揚げにすると、皮の表面がかりっと香ばしく、内側はむっちりとして甘い。身はほどよく繊維質で甘い香りがして美味。
好んで食べる地域 長崎県、鹿児島県、沖縄県
マクブー(マクブとも/シロクラベラ)、アカジンミーバイ(アカジンとも/スジアラ)、アカマチ(ハマダイ)は沖縄三大高級魚とされる。
加工品・名産品
釣り グルクン(タカサゴ類)をエサにして釣る。
参考文献

『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『九州発 食べる地魚図鑑』(大富潤 南方新社 2011)、『沖縄魚図鑑』(悦秀満 沖縄マリン出版)、『沖縄の釣り魚』(城一人 フィッシング沖縄社)





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