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皮を剥かれて入荷してくることが多い。
●キビレハギにとてもよく似ている。比較は左記
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系
フグ目カワハギ科ウマヅラハギ属
ウマヅラハギ
Thamnaconus modestus (Gunther)
その他のカワハギ科の魚にはここから!
魚貝の物知り度/★★★ 知っていたら通人級
食べ方◆刺身/鍋物(ブイヤベース)/
煮つけ/唐揚げ/干物他
◎非常に美味
市場での評価・取り扱われ方◆市場では入荷量の多い魚。多くは皮をむかれた状態で入荷して値段も安いが、活け、もしくは活けじめのものは高級魚。産地では加工品にもなる
ウマヅラハギの基本◆
■カワハギ同様、肝に価値がある。
もともと関東などでは珍しい魚であったものが1970年代後半から突如太平洋側でも日本海側でも増え始め、定置網などに大量に入るようになった。
干物や珍味などにも加工されて、「カワハギの干物」などとされ売られている。売られていた。
■静岡県伊豆半島網代などの干物町はウマヅラハギの大量によって生まれてとされる。
生息域◆北海道以南に東シナ海、南シナ海、南アフリカ。沿岸域。
生態◆
産卵期は4月から7月。複数回産卵し、19回産卵。1回に7万粒、1産卵期に130万粒排卵する。
稚魚は流れ藻で生息し、成長するにつれ浅い岩礁域などに移動する。
夏には石灰藻、甲殻類や低生動物を食べ、冬には海藻を主に食べている。プランクトン捕食魚であるが、付着生物や低生生物、環形動物、稚貝、珪藻、紅藻など様々なものを食べる。(釣りなどでは魚肉なども)
1歳で18センチ、2歳で22センチ、3歳で25~26センチ。
大きさ◆30センチ前後になる
漁獲方法◆定置網/底曳網/釣り
漢字◆「馬面剥」。
由来◆馬のような長い顔の「はげ(カワハギ)」という意味。
呼び名・方言◆
■「ハゲ(剥げ)」というのは絨毛(じゅうもう)状に布のように連なった皮とウロコを引っぺがして(剥がして)料理することからくる。大阪でときどき「禿」と言って笑わすのは洒落。カワハギを「マルハゲ(丸はげ)」、ウマヅラハギを「ナガハゲ(長はげ)」と区別することが多い。
■「ウマヅラ」「ウマハゲ」「オウマサン」などは形態を表したもの。
■熊本県天草の「ナガベコ(長べこ)」は馬が牛になった例。
■「ツノギ(角ぎ)」は明らかに目の上の非常に長く硬い第一背鰭棘からきている。この棘を表現しているものは他の地域にもありそうだ。
■北海道、青森での「チュンチュン」「チュッチュ」、鳥取市の「チューコー」、「チューカー」というのはまったく意味がわからない。
■熊本県天草では「ベトコン」。「べと」は泥質の海底という意味合いではないか? 泥っぽくても海が汚れていてもとれる?
■「バクチ」、「バグチ」。ともに博打(ばくち)で身ぐるみ剥がれるの意味から。
ウマヅラハギの呼び名・方言のページへ
釣り◆関東ではマダイ釣り、「ハナダイ(チダイ)」釣り、カワハギ釣りの代表的な外道。どちらかというと歓迎される外道だ。
◆食べてみる◆
 
旬は秋から冬。カワハギと比べて味で劣るといわれる。これはウマヅラハギのとれた場所や鮮度によるともに鮮度の問題であると思われる。
 瀬戸内海や西日本では、両種を値段的に分けたりしない。
 刺身は透明感があり、その上、甘味がある。やや上品にすぎる味わいを助けるのが秋にたっぷり膨らんだキモである。夏には赤味がかったキモの色が寒くなってくると白くなり、口の中、体温で溶けるほどに脂がのる。これを適当に切り、刺身に巻き込んで濃淡混ざりあった旨さを味わう。
 西日本では鍋物の材料としても珍重するが、白身であっさりしていながら甘味がある。とても味がいい。
 煮つけも肝を生かして美味。
 また各地で売られている干物などもとても味わい深いものだ。白身でさっぱり上品ななかに脂旨味もある魚であり、みりん干し、塩干物など当たりはずれがない。
がついたものは引用部、もしくは参考文献あり
■は私見、市場魚貝類図鑑のデータベースから
同定/『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
●参考/『新顔のさかな』(東京水産大学第10回公開講座編集委員会扁 成山堂書店)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)
●本サイトの無断転載、使用を禁止する
キビレカワハギとウマヅラハギの見分け方
キビレハギ
は目の上のトゲの前端が瞳の真上にある。また斜めに切れ込む鰓穴が目よりも前方にまで切れ込んでいる。
また身体の色合いは黄味のある茶色で模様はない。
ウマヅラハギ
目の上のトゲの前端が瞳の真上よりも後ろにある。斜めに切れ込む鰓穴が目の前端よりも後ろまでしか切れ込まない。
また全体に身体の色合いが黒っぽく、ときに雲状の模様がある。



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